見出し画像

父に誉められたいではなく、父と創造したかったかも

古澤利人リサイタル2023

先日、ここでも何度か紹介した、Stand.fm でパーソナリティをつとめている、オペラ歌手の古澤利人さんのコンサートに行ってきました。

このコンサート、古澤家、という名前もついていたりするのですが、利人さんのお父様と、ご長男が出演する親子3代のコンサート。

親子はネタではなく、たまたま親子というだけのプロの集い

でも、「ファミリーコンサートにしたくない」と、強くおっしゃっていて、実際、全くそういう雰囲気はなく、70代のお父様、40代のご本人、そして、小学生ながらミュージカル子役として活躍のご長男が、それぞれアーチストとして共演している、という感じのコンサートでした。

その中で、コンサート後半で、往年の名テノール(と、いうと、今は昔みたいですが、そういう意図は全くありません)のお父様、古澤泉氏と、バリトンのご本人のデュエットによる、ムーンリバーが演奏されました。

私の父のこと

私が活用しているSNSのfacebookでも、このnoteでも。あまり私は父のことは話題にしていません。それもそのはず。30数年前に家を出ていき、30年弱前に、母に向けて離婚届を郵送してきた。それが父との最後の接点ですから、話題にしようがない。

でも、今私が趣味として歌系のものに取り組んでいるのは、「お父さんに叱られないようにしなければ」というプレッシャーから、人まえで歌を歌うことが怖くなってしまったこともあります。それは、このマガジンでも中核の話題となっています(よって、詳細はそちらでご確認ください)。それでも、セミプロと表現できるレベルの歌い手だった父親の影響があることは否定できません。

叱られるではなく…

叱られる、というのは、評価です。でも、もし、父親と、何かを作る作業ができていたら、全く見える世界は違っていたのかも。

古澤親子のムーンリバーは、まさにそれです。お互いにお互いの技量を、プロ同士で理解して、それを尊敬し、それを前提としてパフォーマンスだったと思います。もちろん、反省会などではダメ出しもあるかもしれませんが、ダメ出し前提のそれではなく、いかに、お客様に、共同して、よいパフォーマンスを提供できるか。その目線であったことは間違いないと思うのです。

「お父さんに叱られないように」目線ではなく、お父さんと作り上げたい。そんな機会が一度でもあったら。

ムーンリバーは、当時両親が経営していたカラオケスナックでお客様から父に対して出されるリクエストの定番の一つでした。だから、父の歌うムーンリバーも、当然想起されて。

この先は、つづるべきではないかな。私にとっては、記憶というメモリーを美しくとっておくため。読んでくださっている方に対しては、それぞれのイメージを大切にしていただくため。

まとめ

メッセージを押しつけるのではなく、体験を膨らませてくれるような演奏だったお二人のパフォーマスンが素晴らしかったこと。
そして、向かい合うのではなく、向き合う、ともに見る視点にたつと、こういうこだけでなく、いろいろな場面の悩みとか、疑問をとくきっかけになるのでは。

そんな風に思っての、備忘録でした。

そして、Stand.fm の利人さんの番組は、歌にまつわるお話しですが、その背景には、必ず、歌をとおしてみる、生き方の参考になること、ものごとの真理の模索が隠されている内容になっていると私は感じています。

なので、一見、コンサートいってきました、だけのような内容ですが、マガジンの趣旨にもあうと考えて、note に綴った次第です。


トップの画像は、みんなのフォトギャラリーで「ムーンリバー」で検索した中のおきにいりを使わせていただきました。提供に感謝いたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?