まとめ【ワールドガイドと組織】

■TOKYOガイド

PCである鉱物人/アバターと、研磨師/マイスターが【畏使/イシ】と戦う舞台は現代日本の『TOKYO』です。

2000年以上前から、PCたちのような鉱物人/アバターと研磨師/マイスターは、敵対行動をとる謎の存在【畏使/イシ】と戦いを続けていました。
しかし、その頃の【畏使/イシ】は出現頻度は十数年・数十年単位と低く、その分大規模に街ひとつを焔に沈めたり、場所も狭い地域ではなく「世界の何処か」という大きな視点で登場していました。
そして対抗するバディたちも複数組が同時に対処し、現在では製法が失われた多くの「遺失物」を身に纏い、多くの犠牲を払いながらもなんとか封印し退ける、ということが繰り返されてきました。
これらはこの百年で架空の神話・御伽噺として語られるようになっています。

そう、百年間-【畏使/イシ】は活動を休止し、存在を潜めていたのです。

ところ昨今、何故か一部の大都市-日本ではTOKYOに集中して、急激に、頻繁に、そして小規模に【畏使/イシ】は顕現し、事件を引き起こしています。
これは以前の【畏使/イシ】の行動には全くなかったパターンで、
「長い戦いで命令系統が失われたから」
「暴力で畏れさせるより少しずつ洗脳したほうが効率が良いと判断したから」
「多くの事件は囮で何らかの大きな陰謀が進められているから」
などと多くの憶測が飛び交っています。

なにより、以前は一過性の大規模な戦争という形でなら辛うじて成り立っていた均衡が、頻繁に多くの事件が引き起こされることで崩れそうになっています。
鉱物人/アバターもさほど数が多くなく、【畏使/イシ】に抵抗できるほどのものとなると一握りです。
さらに人間には寿命があるため、世界中どこを探しても研磨師/マイスターで百年の休止期間前の戦いを経験したものは存在していません。
点在する宗教や鉱物関係の組織が、それぞれに細々と【畏使/イシ】の存在と対応策を伝えている程度でした。

この事態に対抗するため、TOKYOでは三つの組織が互いに手を組み、バディ盟約を推奨しています。

鉱物人/アバターが主体の互助組織「ミネルヴァ」。
研磨師/マイスターが主体の宝石商一部門「ギルド」。
中立の新規組織「鉱物喫茶くりすたる」。

TOKYOではこの三組織が【畏使/イシ】と戦うための「バディ盟約」を仲介できます。

こういった組織は同じように【畏使/イシ】が急激に事件を起こし始めた、ドイツのミュンヘン、アメリカのツーソンなどにも拠点があります。

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■TOKYOの組織

組織①「ミネルヴァ」―鉱物人/アバター主体の緩やかな互助組織

知恵と工芸と戦の女神の名を借りたこの組織は、鉱物人/アバターの世界的ではありますが、緩やかな「互助組織」です。

太古では鉱物人とバディを組み、【畏使/イシ】と戦うための「英雄」を選ぶための組織として各国で緩やかな繫がりを持っていました。
しかし、錬金術が起こった頃、鉱物人/アバターはその肉体を錬金術の素材として狙われました。
寿命や空腹さえなく存在していた鉱物人/アバターはこの時初めて「種族として助け合わねば存在できない」事態にさらされたのです。
逃亡のための迅速な移動や、存在の隠蔽などが近年までの役割でした。
しかし、根本的な部分で「人間の良き隣人となり、自分の美を磨いてほしい」という欲求のある鉱物人/アバターは人間達とつかず離れず存在して来たのです。
よって、完全に鉱物人だけの組織ではなく、彼らを保護したい、あるいは鉱物人に魅せられてバディを組みたいという多くの人間もこの組織に所属しています。

各国、各都市にまとめ役が常駐しており、日本では社の「御神体」として生まれたアバター達が社からは出ずにWEBを介したネットワークが発達しています。

組織の方向性としては、
「以前より変わらず、人の子の手を借りて、この世界を護る」ようにと考えています。

バディ盟約を結ぶことに関しては、
「我々の輝きをより深めたのは人の子の魂と技である。一時諍いもあったが【畏使/イシ】との戦いに比べれば些事。
人の子は、その短命と感性により、我々の持つそれとは異なっているが、それでも我々を「アイして」いる。ならばこちらからも「アイ」を与えるのがよいだろう」
と説いています。

TOKYOでの「ミネルヴァ」のまとめ役は「クォーツ(水晶)」の鉱物人である「マガタマヒメ(勾玉媛)」です。
白い髪と黒い瞳を持った巫女姿をもつ彼女は、鉱物人/アバターとして自我に目覚めるまえは、ある神社でご神体としてあがめられた一抱えもある大きな水晶の勾玉でした。
原石から勾玉として整え磨かれて、長い間人々から信仰を集めていたこともあり、人間全体に対して好意的です。
現在の居場所自体は隠蔽されてはいますが、「★まがたまちゃんの水晶なんでも質問室★」という鉱物好き向けのWEBサイトを開いており、そこから特定の質問をすると彼女との直接会話に繋がります。
また、TOKYO上野科学博物館の「地学館」に設置されたWEB掲示板に特殊な符丁で書き込んでも、彼女からメッセージが届きます。
自我をもってこの方、「神」として敬われ下にも置かれぬ扱いを今でもされているため、尊大な口調と態度ではありますが、彼女独自の能力「託宣」の恩恵を惜しみなく他の鉱物人やそのバディたちにも分け与える優しい性格です。栄養にはなりませんが、捧げものであった日本酒が大好物です。

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組織②「ギルド」宝石商たちのネットワーク

古くから鉱物人たちと関りを持つ、宝石商・鉱物業界を中心にした「対【畏使/イシ】組織」、それが「ギルド」です。
世界中の宝石商・鉱物業界のあくまで「一部」として成り立っています。

「鉱物は、人に依ってこそ価値と輝きを増す」
「人の世界を、己の技術と石で護る」
がモットーであり、人間が主体となってバディ盟約を進める組織です。

TOKYO「ギルド」は御徒町を中心に活動している辣腕の宝石商「カピラ・アーニ」というインド人ハーフのエキゾチック美女によって取り仕切られています。
技術者集団KOSHU切子連盟や数多くの海外のバイヤーともつながりが深く、芸能人や政界にさえ顔が効く人脈の広さがウリです。

美術品に紛れさせて【ジュエリー】を移送する際の護送や、業界の噂から発覚した事件の解決などをPCに依頼することもあります。
また、ミネラルショーなどを定期開催して研磨師/マイスターの素質がありそうな人物を見定めるなどの人材発掘にも着手しています。

カピラは本業が「物品」としての石を見定める宝石商のためか、鉱物人についても「対人」というよりは「物品」として見る悪癖があります。
鉱物人の意志や「魂」にも実は懐疑的で「学習するAI のような無機物の存在」ではあるけれど「【畏使/イシ】と戦うためには必要不可欠なパーツ」「こちらが友好的に接していれば有効性を返す便利な存在」として見ています。
とはいえ、それを表に出すことは滅多になく、逆に審美眼が確かで相性の向き不向きを合理的に捉えられる彼女は、「より美しくなりたい」「相性の良いバディが欲しい」と望む鉱物人からも支持や協力を取り付けています。

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組織③「鉱物喫茶くりすたる」新設の盟約推進組織

三つ目の組織は、一番PCと立場が近い、近年に盟約を結んだ鉱物人と研磨師のバディが経営する喫茶店です。

池袋はサンシャインシティ通りの一角、小さな雑居ビルの地下にひっそりと営業しているここは、【畏使/イシ】との戦いの最前線というより、鉱物マニアにとっての楽園として名を馳せています。
店内にある撮影スポットの利用、鉱物モチーフのスイーツの提供、鉱物観察用具の販売と貸し出し、鉱物の常設展示と即売可、打てば響く店主の知識。
「人と鉱物のよいつきあい」をモットーにしており、鉱物人を知らない一般の石好きや、天然石を素材にしたハンドメイドアクセサリー作家などにも広い人脈があります。

先二つの組織とは違い、「くりすたる」はまだ10年程度の歴史しかありません。
その分フットワークは軽く、最新のトレンドにも敏感でSNSなども使いこなしているのですが、世界的な情報隠蔽や、上流階級向けの人材や国家組織への繋ぎに関しては弱いという弱点もあります。
TOKYOにおける他の二つの組織となんとかバランスをとり、「仲介者」としてやりくりをしています。

店主は研磨師「博愛コレクター/発掘者」の「石動 ジン(いするぎ じん)」。
バディはクラシックメイドスタイルがお気に入りの鉱物人「ラピスラズリ」の「すずり」。
二人は現在のTOKYO内では屈指の実力をもつバディなのですが、急激に増えた【畏使/イシ】事件でかなりの回数戦闘を重ねてしまい、ルール的に言う「ロストポイント」が溜まってしまっています。
そのため、自身は一線を退き、戦いに向かえる後任を見出し、育成する組織を立ち上げることにしたのです。
店内で働くのは鉱物人や、鉱物人の存在や【畏使/イシ】との戦いを知り、それらと向き合うことを決意した者ばかりです。

三つの組織はそれぞれスタンスに違いがあります。どれを選んでもかまいません。
もしオリジナルの組織や、突発的に盟約を結ぶことになったバディを演出する場合は自由に設定しても構いません。

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