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ひととものの間に棲む者

 日常とおもっている風景に、見知らぬものが住んでいる。見知らぬものは、女子大生の朗らかな笑い声のあいだをすり抜け、影から光、光から影へと渡りあるく。

 わたしはその軌跡をたどってみたいとおもいました。今日は一限に大学内の写真を撮りまくるという授業があり、その様子をここに記します。

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 ここは、女の子たちの笑い声の、裏がわに位置するところです。この絡まりはいつでも着替えることができる。けれどもものたちはこれでいいのだとたたずんでいる。いつも言葉たちを聞いています、それはたくさんの生きる人生、生活のかけらたち、それらを養分としてここに住んでいるのです。


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 のぞき穴に住んでいます。前にあるものと後ろにあるものの間に棲んでいます。前と後ろとがある場所でないといけないのです。だから、紫陽花の花びらの単体や、葉っぱ単体では、このものは見当たらないようです。このものは実はわたしの目の中に生息していて、わたしが何かを覗くときにだけ姿を現すのかもしれないです。どちらにせよ、何かを覗くという事が大事なようです。


 わたしがこのように大学内で探検を行っているときも、夏はじりじりと足を忍ばせ近寄ってくるようです。日差しを見ると、目のおくがまっ白になります。

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 まっ白になってひび割れたこころに、静かにこだまするものがあります。それがカルピス。わたしはカルピスがとてもとても好きです。味も見た目もフォントもすべて好きです。夏になると、わたしはカルピスに住んでいるようです。


 のらないでください。

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 そう言われてものっているものたち。のらないでくださいは自分に何をもたらすのか分からないけれど、それでも関わってみようかなと思った、自分に絡まるものすべてを利で統一しようとすると、暑くなって干からびてしまうのだと、このものたちは言います。


 これは、なんだ。

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 たまに、お互いにくちを交換しています。いつも同じようなこころを張り付けていては、人は自分への興味を失い、自分の存在すらも忘れていくからです。


最後に

 今日は一限という時間の間、大学を探検してまわりました。なにも考えずにひっかかったものたちをバシャバシャ撮り歩くのはとても、たのしかったです。わたしの目に捕まったものたちは他にもたくさんいたのですが、その中からこれだ!と思うものを選びとりました。
 いつもと違った、大学の景色が見られて新鮮でした。

 ちなみにわたしの大学は空の中にあります。

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