見出し画像

ユニバーサルデザインの7原則

現在、わが国は国民の4人に1人が65歳以上という超高齢社会を迎えており、今後も早いスピードで高齢者人口が増加し、2035年には3人に1人が、2060年には約2.5人に1人が65歳以上となることが推計されています。また、日本の人口はピーク時の2017年には約1億2800万人でしたが、今世紀末までに5300万人以下に減少すると予測されています。
(土地は安くなり、大学は定員割れで、東大でも簡単に入学できるようになるかも・・・)

内閣府による調査では、2006年から2018年の12年間で障害者数が655.9万人から936.6万人と、約300万人近く増加しており、日本人の全人口から比較してみると、国民の約8%が障害を抱えているということが言えます。障害者人口の増加は一時的なものではなく、高齢化社会を背景に年々増加傾向にあります。もちろん、この数字は障害者手帳を持っている人の数で、高齢などにより機能低下があっても手帳を持っていない人を含めると10~20倍にもなると言われています。
そして、同時に今や1年でかつての6年分進むといわれる高度情報化社会でもあります。そんな高齢化社会を背景に、バリアフリーの推進・ユニバーサルデザイン化など、すべての人にやさしい「人間中心」社会の実現が強く求められるようになりました。

少子高齢化、障害のある人の増加、国際化、女性の社会進出など、社会環境の変化、さらに個人のライフスタイルや価値観も多様化。こうした変化に対応していくためにも、年齢、性別、身体の状況、言語、国籍などの、人々がもつ様々なちがいに関わらず、できるだけ多くの人が同じものを同じように使えるように、もっと便利にしていくことを目指すユニバーサルデザインの考えかたが必要不可欠なものとなってきています。

ユニバーサルデザイン(Universal Design、UDと略記することもある)とは、人間が言語の違い、左右の利き手の違い、障害の有無、老若男女といった差異を問わずに利用することができる設計・工業デザインを言います。
規格で言えば、「ユーザビリティ」を規定した国際規格ISO-13407やJISX8341-3などが該当します。

似た意味で「バリアフリー」という言葉があります。
ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いは、「デザイン対象を障害者に限定していない」という点になります。バリアフリーが、「高齢者や障害者が社会生活を送るうえで、障壁となるものを取り除く」という考え方で、高齢者や障害者などの一部の人を対象としているのに対して、ユニバーサルデザインは、「デザインをする段階で使いやすさについて考えを取り入れる」という考え方で、すべての人を対象にしています。つまり広い視野でみれば、「バリアフリー」は「ユニバーサルデザイン」の一部と言えます。
もっとやさしく言いかえれば、「最初からみんなにやさしいデザインを考えること」というのがユニバーサルデザインです。

<ユニバーサル・デザインの7原則>
ユニバーサルデザインの考え方には、「ユニバーサルデザイン7原則」があります。

①誰でも同じように公平に利用できること
自動ドア、手すり付きの階段、低床バス等
②使う上で「自由度」が高いこと
多機能トイレ、階段・エレベーター・エスカレーターの併設等
③使い方が簡単で、すぐわかること
シャンプーとリンスの容器(容器に突起)、押す部分が大きなスイッチ等
④必要な情報がすぐに理解できること
「非常口」「禁煙」マークなどの標識(ピクトグラム)、音の出る信号機等
⑤うっかりミスや危険につながらないデザインであること
倒れたら自動的に電気が切れる電気ストーブ、使用中に開けると止まる電子レンジ等
⑥無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
タッチパネル式案内、センサー式蛇口、取り出し口が中央の自動販売機等
⑦アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること
幅広い改札口、優先駐車スペース、多機能トイレ等

Webサイトにおけるユニバーサルデザインも考え方は同じです。「すべての人がウェブサイトで提供される情報を利用できるようにすること」が、Webサイトのユニバーサルデザインです。Webにおいては、「アクセシビリティ」と呼ばれることが一般的です。

インターネットは、家にいながらにして、情報を好きなときに入手できるという、とても便利な手段です。そして、外出するのが難しい障害のある方やお年寄りにとっては、インターネットは欠かせない、貴重な情報源になりつつあります。
ところが、インターネットによる情報収集やショッピングをしようとしても、文字が小さかったり、使いづらかったりして思うように使えないサイトが多いのが実情です。

これから先、インターネット人口はさらに増えていくことは確実です。より多くの人が快適に見られるWebサイトにするためにも、Webデザインを考える際には、アクセシビリティへの関心を持っていただき、どんな人にも伝わるやさしいWebページ(ホームページ)を目指すことが必要です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?