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【軍儀・ルール解説③】小と砦


『小』の動き

小(小将:しょうしょう)は将棋における金に近い動きをします。
対戦開始時には手持ちに2個あります。

小の動き:1段目のとき

他の駒同様にツケの状態では移動距離が伸びます。

小の動き:2段目のとき
小の動き:3段目のとき

『砦』の動き

砦(とりで)はあまり他に類がない、独特な動きをします。
対戦開始時には手持ちに2個あります。

砦の動き:1段目のとき

他の駒同様にツケの状態では移動距離が伸びます。

砦の動き:2段目のとき
砦の動き:3段目のとき

詰軍儀 練習問題

ルール理解や駒の動きに慣れるために簡単な詰軍儀を解いてみましょう。

第1問

小の基本問題


第1問 解答・解説

図1-1:敵駒に”ツケる”のが正解

解答:〇5-2-2小 まで1手詰め

将棋における、頭金のような詰みです。
軍儀なら他の味方の駒がなくても成立します。


第2問

砦の基本問題

砦の特殊な利きの範囲に慣れましょう

第2問 解答・解説

図2-1

解答:○2-1-2砦 まで1手詰め

砦は斜め前や後方にスキがあり、単独で詰めるのは得意ではありません。
今回は兵に後方のスキを補ってもらい、詰みになっています。


第3問

持ち駒に小
1段目には兵がいます

砦の利きをよく考えて、小の使い所を見極めましょう。
どこに小をアラタすればいいでしょうか。


第3問 解答・解説

図3-1:いわゆる頭金

解答:○1-3-1小新 まで1手詰め

将棋でいう頭金です。
砦が2段目にいるため、ヨコと斜め後ろの利きが2マスに伸びています。
帥に逃げ道はなく、小を取ることもできません。

小の使いどころを間違えると逃げられます。図3-2、図3-3

図3-2
図3-3:小のせいで、砦の利きが途切れている

第4問

アラタできる範囲の制限についての問題
1段目は両方とも兵

また、小アラタで詰ます問題です。
問題としては簡単。アラタができる範囲の制限についての解説用です。


第4問 解答・解説

図4-1:いわゆる頭金

解答:○1-3-1小新 まで1手詰め

前問と同様に敵帥の目の前にアラタするのが正解です。

○2-3-1小新などだと、●同兵ととられてしまうため詰みません。(図4-2)

図4-2

出題図に戻ります。

出題図を再掲

軍儀では、一番奥に進んでいる味方駒より奥にはアラタができないというルールになっています。
将棋のように好きな場所に打てるわけではありません。
第4問では、図4-3の青で示した範囲にしかアラタできません。
そのため、○1-1-1小新(図4-4)という手は反則になります。

図4-3:アラタ可能な範囲を青で示す
図4-4:反則手

おまけ

第5問

小と砦

帥と小と砦だけをフル活用して詰軍儀を作成しました。
途中の2回の2択がキモです。


第5問 解答

図4-1:詰め上がり図

解答:○2-4-2砦、●2-5-1帥、○3-5-1砦左、●3-6-1帥
   ○4-6-1砦、●4-7-1帥、○5-7-2砦、●3-6-1帥
   ○4-6-1小新、●2-5-1帥、○3-5-1小 まで11手詰め


第5問 解説(有料)

出題図

初手は○2-4-2砦くらいしか有効手はなさそうです(図4-2)。

図4-2

ここで●1-3-1帥と上に逃げると、○1-4-1小新から早詰みです(図4-3)。
ですので、逃げる手は●2-5-1帥(図4-4)となります。

図4-3:上に逃げたら早詰み
図4-4:下に逃げて分岐点

ここで2択です。
初手と同様に○3-5-2砦左(図4-5)とツケで迫る手を指してみたくなります。どうなるでしょうか。

図4-5

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