漫画の構図力はショートフィルムで学ぶ
漫画って勉強することがイッパイでとにかく難しい。
が、それは上手い漫画を描こうとした時の話である。
要するにインターネットで上げるためのちょっとした漫画の中には、凝った構図が必要ないのである。
凝ってない構図
例えばこちら、製作中の漫画のワンシーン(ネーム状態)。
これだけでも十分漫画として成立している。
なぜならコマがあって、キャラクターが喋っているからだ。この三要素さえ満たせていれば漫画を描くことは誰にだってできる。
こんなのじゃ満足しないって・・・
しかしいくら漫画を描いていると言い張ったところで、見応えに欠けるのは一目瞭然。
それも当たり前の話、このネームは読者に伝えたい印象のための効果や工夫などといった技術をいっさい考えずに、会話や物語を進ませるためだけに3秒で用意した脳死ネームだからだ。
俺はもっと・・少年漫画が描きたいんだよ!
逆に言えば、しっかり技をインプットすれば理想の構図やコマ割りの漫画が書けてしまうということなのだ。
いくらかマシになった構図
まずは構図から
個人的な勉強法として、カメラの意識という考え方がある。
どんな切り取り方をするのか、どんなカット(コマ)が必要か、どこをアイレベルにするか、キャラクターにどのくらい近づくか、逆にどのくらい遠ざかるか・・・
これらを勉強するには映画をよく見ればいい。
映画には様々な技法が凝らされている。プロが大金を叩いて作った作品だからだ。絶対に学びになるノウハウが盛りだくさんである。
が!普通の映画じゃ見入って勉強にならないマヌケなので、たいていはショートフィルムから学ぶ。
・日常会話をする漫画 ⇨ ヒューマンドラマのカメラを意識
・アクション漫画 ⇨ アクション映画のカメラを意識
・ホラー漫画 ⇨ ホラー演出の豊富な映画からカメラを意識
etc…
ショートフィルムなんかどこにあんだよ
おすすめはサマンサ。サブスクなので月額400円ほど。安すぎないか?ラキスト一箱にもならない値段だぜ。
『ザ・フェイク』ってやつが面白かった。
無料がいいならブリリアなど。
こっちはWEBマガジンなのでバックナンバーはないが、定期的に配信されるので勉強用にはもってこい。
で、いいと思った構図はとにかくメモ!
カメラの角度やカットや構図にどんな役割があるのか徹底的に考察し、ノートにメモしまくる。いつか自分の漫画で使えそうな工夫としてストックしておく。
ちょっと小粋なものから、日常会話の漫画でコマを切るのに迷った時まで、あらゆる場面で使える構図力が鍛えられる。
あくまで工夫や技法をストックしておくのみで、構図やカットの一連を丸パクリは意味がない。気をつけてね。
コマ割り練習法
の1つに、好きな漫画のコマ割りをひたすら勉強するっていうのもある。
でもあれって塩梅が結構むずかしくて、勉強すればするほどもうその漫画の雰囲気に染まってっちゃう。
つまり自分オリジナルの味を損ねてしまうということだ。
基本的なことを描いている漫画技法の本は、正直調べればいくらでも出てくるような知識しか得られないし、漫画初心者はみんな前ならえだから揃いも揃って同じような味わいである。
漫画が書けりゃあなんでもいいならそれで十分なんですけど、自分だけの漫画に固執するような描き手は絶対に良くないだろう。
詰まるところ漫画の勉強とは取捨選択です。
自分の作風にあった情報の取捨選択の連続。そのためにはいろんな方向性の本を読んでみるだとか、いろんな勉強法を視野に入れるだとか、とにかくインプットする情報が多ければ多いほどいい。
あとは個人が選んでいくだけなのだ。
この記事もそんな選択肢の一つに過ぎない。いろんな世界を見て焦らず漫画を上手くしていこうね。約束だよ。愛してるぜ。
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