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「Chim↑Pom展」

2022/04/24
@森美術館

チンポムがやろうとしてる内容に興味はありつつ、過激さにあてられないかがちょっと心配で尻込みしてた節があり
フェミニズムがやろうとしてることはわかるけど、フェミニストからは距離を取りたくなるみたいな

しかし
空間の使い方がとてもよい
アスレチックてきな
廃墟、ジオラマ、階段、マンホールから出てみると足元には先ほどまで自分がいた地下空間

人々の俳句を集めるとかレジャーシートに集うとかも含め、イデオロギー以前、取り組みが演劇的でよかった
わくわくします

で、一旦わくわくさせといてからの、ヒロシマ、震災、女性、などなど社会的メッセージが強く出てくる展示
順番が逆だったらけむたくて内容入ってこない恐れあり
なので全体の構成の仕方が巧いと思った

ただ、手放しに絶賛するかといえば、やはり過激さが世間にどう処理されるか、それを見越したチンポムの自己演出の仕方は
うーん
適当であるが好みではない
というかんじ

たとえばヒロシマの空をピカッとさせたり、「明日の神話」に工作をしたり、まあ物議を醸しますね
pcにいっぱい新聞記事のpdfが入っていたけど
「犯人はアート集団か」で始まる記事、「〜はたしかに問題だが、彼らの取り組みには検討の余地がある」で終わる記事
見出しだけでその記事の立場、賛否が見える

というか、否応なく賛か否かの二元論に振り分けられてしまう
(賛でも否でもない、一概に評価はしないが一概に否定もしない、という言い方をした時点で賛の側に振り分けられます)

体制に風穴を開けたい、ゆえに物議を醸すこと自体に意味がある、それはわかる
2019年東大入学式の上野千鶴子の祝辞もおなじ
だが
その物議を醸すこと自体に意味があって、賛否両論が出ることも含めて作成者の意図どおり、というところから
我々もうそろそろ、新しいところへ行きたいな〜と思う

2021年東大入学式の総長式辞でもあったように、学問の人々は対話が大事と言いますが
政治は、込み入った話は聞いてもらえないことを前提にどうパフォーマンスするかが鍵になるので、どうしてもパワー勝負的にならざるをえないのだな

余談ですが、出たところにある金氏徹平の展示が『コンビニ人間』やん!!ってなりました
こんなところで小説の表紙の元ネタにお目にかかれてうれしいでした

あとこれ行く前に岡本太郎記念館に寄ってきたので「明日の神話」などタイムリーだった

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