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完全に雑記

2022/04/13

昔使ってた単語帳をカテキョの子にあげようと思って実家から送ってもらった。ついでに読み直したい本も送ってもらったら、なんか他のものまでいっぱい送られてきた。ドライパインぜったい家の誰も食わんからくれたな。ドライじゃないパインの方が圧倒的に美味しいけどまあくれたから食べる。食べた瞬間一瞬だけ干し芋食ってる気分になる。

『すきになったら』は何回読んでも良い。『パスタマシーンの幽霊』は「銀の万年筆」を読み返したいと思っていたけど、読んでみると『森へ行きましょう』を感じたくらいで求めてたのとはちょっと違った。それより「銀の指輪」がめちゃめちゃ良い。
今ちょっとこれらの作品についてなにがどう良いか書き記そうとすべきか迷う。大河ドラマもおもしろいから、おもしろいポイントを忘れちゃうのがもったいなくて書いておきたいけど、書いた途端に何かを逃しそうな気がする類のおもしろさってあるから迷ってる。
ここ2年ほど、なにがどう良いかをちゃんと論じる訓練を積んできて、だいぶできるようになってきたんじゃないかと思う。かといって頭だけで読んでるかと言われれば、私はちゃんと心も動かして読んでる(ぜったいそう!)と思っているけど、「頭だけで読んでるかんじがする」って先日言われたばっかりなので気にしてる。

やっぱりちょっとだけ書いとく。

川上弘美,2010,「銀の指輪」『パスタマシーンの幽霊』新潮社,26-36.
「三木さんの言う『しあわせな女』の定義は、ちょっと不思議なものだった。お金は、あるに越したことはないけれど、あんまりなくてもいい。恋愛も、まあ適当にあればいい。健康はけっこう大事。友達は、いてもいなくても大丈夫。なにより一番大切なのは、『揺るがないこと』なのだそうだ。」(p. 30)
私は、友達はぜったいマストで必須だからそこだけ違うけど、ちょっと前の自分的にはほぼ全くこれと同じ価値観だったかも。最近はちょっと違うかも。でも根っこは結局同じかも。

川上弘美,2005,「狐塚」『龍宮』文藝春秋,63-91.
この話に出てくる正太もまたニシノユキヒコなのでは?と思って確かめるために読み返した。しかし目次を見ると年末の私がすでに「ユキヒコ」ってメモしてておどろいた。全く同じこと思ったことにも、それを完全に忘れていることにも、忘れるだろうからとしっかり書き留めていることにも、全部おどろいた。
「タツ子はしまいまで、一言も口をきかなかった。口をきかないものに変化してしまったのかもしれない。それはきっと、とても柔らかなものだ。苔とか、降り始めの淡雪とか、春昼のかすかな風とか。」(p. 78)
これ良い。すてき。あこがれる。私はしかし口を開かないと窒息して死ぬから観念してその路線で生きていくけど。
「人間以外のものになりたがる人々」っていう文学の授業を取ろうと思うのでたのしみ。川上弘美だとやはり「蛇を踏む」になるのかな?しかしこのテーマなら『龍宮』こそじゃないかって思うよ。

夏目漱石,1951,『三四郎』KADOKAWA.
裏表紙から引用。
「いわゆる『無意識の偽善』という問題をめぐり愛そうとして愛を得ず、愛されようとして愛を得ない複雑な愛の心理を描く。」
最近読んだ小説でなんとなく三四郎を思い出しただけだったけど、意外と近くて「なんとなく」もばかにできんなと思った。中学校の夏休みの宿題で読んで以来なので全然覚えてない。あらすじからもう大変いかめしいけど、読んでみたらけっこうバカっぽいらしいのでイカ東のユーモアに期待。

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