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「エドワード・ゴーリーを巡る旅」

2023/5/6
@松濤美術館

おもしろかった!おすすめしてくれた友だちありがとう。
なんだろね、ちいかわを酷くしてヒグチユウコ的なタッチで描いたかんじ。不条理、ダーク、ナンセンスで、いたいけな子どもが酷い目に遭う話が多い。
『うろんな客』はウサギにみえたし、『音叉』はでかつよにみえたし、『狂瀾怒濤』は4匹の奇妙な可愛い生物たちが戯れる様子がちいかわたちにみえた。

『敬虔な幼子』はねえ、、ちょっとわかるなあ、、。きもちわるいくらい清く正しく信心深い子どもが早死にするってだけの話やねんけど。いるよこういうひと。私にも似た性質があるよ。精神的潔癖と名づけました。
行き過ぎた正義感は暴力になる、みたいな定説はあるし、その幼子もよく見たら不自然な場面でトンカチ持ってたりするから狂気的なんだけど、この子の信仰心は他者に対する暴力となる前に自分をすり減らして死んじゃった。過剰な正義感から生まれる暴力が、他者に向かうか自分に向かうかは、その人が力を持っているかどうかで分かれるのだと思った。敬虔な幼子は幼子だから、自分へと跳ね返ってくる世界との軋轢に負けちゃった。

『優雅に叱責する自転車』、よかった。『むしのはなし』はなんか、そうだよな、歴史ってこうやって生き残ったマジョリティによって語られるんだろなと思った。『不幸な子供』はほんとうに救いようがない。各ページに隠れている魔物を探すのが楽しかったけど、暗かったし絵が細かいので目が痛くなった。もろもろで消耗して、『キャッテゴーリー』がお口直しの癒しだった。ねこサイコー!

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