見出し画像

Kempa_WING LITE Performance Review

5足目のパフォーマンスレビューになります。
レビューはこちらのフォーマットに沿って行っています。
5足目にして現行モデルでなくなっておりますが、細かいことは気にせず今回もレビューしていきます。

色使いがかわいいですね。

ケンパは大きくスピード軽量系モデルのウィングシリーズとパワー安定系モデルに分かれ、こちらはそのスピード軽量系モデルの中でもさらに軽量化に特化したウィングライトというモデルになります。その名の通りですね。

現行モデルでない事と、あまり日本への流通は多くないことからか、公式の商品紹介の情報が見つけられませんでした。
記憶を頼りに書きますので正しい情報がありましたらご指摘ください。

ソールにはあのタイヤなどでお馴染みのブランド、ミシュランと共同開発したラバーを使用。グリップ性と耐摩耗性の両立を図るようなことを謳っていたかと思います。

アッパーは軽量化と耐久性の両立のためメッシュに樹脂を圧着したものになっています。


1.重量スコア:5/5

軽い!

サイズはウィメンズサイズの26.5cm片足で260.6g。
ハンドボールシューズの中でも最軽量の部類かと思います。
今のところ所持している様々なシューズの中でもコンマ数グラムの差で2番目に軽いです。
私のサイズくらいだと300gを切ってくると最軽量級といった感じですが、260g台は頭ひとつ抜けて軽いです。
後継のwing lite 2.0 はもっと軽くなっていたりするのでしょうか。気になりますね…。
当然履いた印象としても非常に軽いです。

2.グリップ

2-1.摩擦係数:4/5

つま先にうっすらミシュランマンとロゴがいますね

結果は摩擦係数μ=0.99。
さすがミシュランさんといったところでしょうか。

ソール形状はつま先側が反り上がりのある形で白く見えているところが屈曲溝になった部分です。
踵側もけっこう強めに丸みを帯びて反り上がっていることがわかります。
アウトソールもその上のミッドソールも柔らかめで体重をかける全体的に柔らかく変形し、コートを面で捉えられるつくりです。

2-2.対ホコリ性:3/5

パターンはハニカムパターンをベースに母指球・小指球エリアにサークルパターン、土踏まずから前足部にかけて屈曲溝が6つほど入るパターン。屈曲性をかなり意識したつくりのようです。

ほこりのつき具合は平均レベルか、ややつきやすい程度といったところです。
履いた印象としてはそこまでこりがつきやすい印象ではありませんでした。


2-3.体感スコア:3.5/5

実際に履いてプレーした印象としては、なんとも不思議な感覚でした。
綺麗な体育館ではものすごく良くグリップしてくれる一方で、少々フローリングの状態が悪かったり埃っぽいコートでは滑るほどではないですが、良いグリップのときと比べるとちょっと不安な感覚になりました。
ホコリはそれほど拾っている感じもないのですが、おそらく屈曲溝の多さから実際にコートに接する面が少なく、その少ない面がグリップしきれないときに若干ずれながら止まるような動きになっているのではないかと思いました。
ソール幅もやや狭め程度でエッジも丸みがあるため上記を補うほど安定感が得られる感じではなかったです。

3.フィッティング:3/5

シューレースホールは7つで1番下のホールが小指の付け根のやや前方あたり位置にきます。
幅は中足部あたりは気持ち狭めですが、つま先部分はラウンドした形状でそれほど尖っていなく狭くはない感じです。高さはやや低めといったところでした。

シューレースホールの数こそ多いですが始まり位置がわりと上に来ているのでつま先側はあまりホールドできる感じではないです。
シュータンは薄めですが紐のあたりを感じるほどではなかったです。
このあたりはシューレースホールの数が多く紐ひとつひとつにかかる圧力がうまく分散されることが効いているのかもしれません。

パディングは標準レベルで入っています。
かかと部分はライニングの素材が切り替えられていて、かかとが抜ける方向に対してはザラついて抵抗するような生地になっていました。
ジャストサイズで履ければ踵側に抜けを感じることはないかと思います。

4.クッショニング:3.5/5

クッションは個人的に今回1番驚いた部分で、軽量モデルながらかなり厚みのあるしっかりとしたクッションでした。
衝撃吸収性も反発性もそれ単体で見ると特段優れているわけではないのですが、軽量モデルの場合重さ自体のトレードオフとして薄くなっているであろうことに加え、素早い動きを優先するとクッション量は少なめのモデルが多い中、それらの軽量モデルをはるかに上回る重量でありながらクッションも両立している点が非常にバランスの良さを感じました。
このあたりはドイツブランドであるケンパの基本的な耐荷重設定が、日本人よりも体が大きく平均体重が重いであろうドイツ人向けに設計されている背景などが予想されます。

5.ムーブメント

5-1.前後方向のムーブメント:4.5/5

とにかく軽いことと、ソールが柔らかく屈曲性が高いこともあり前後方向は動きやすさには優れていました。
少し曲がりすぎなくらいで、ねじれ防止や土踏まず側のシャンクプレートなどがあればより良いと感じましたが、ここまで軽量なシューズに求めることではないかもしれないですね。。

5-2.左右方向のムーブメント:3.5/5

左右方向のムーブメントは幅がタイト目なサイズ感も手伝いアッパーはあまり伸びずこれほど軽量なつくりでありながらしっかりとしている印象でした。
つま先はあまり締められませんがそこの影響はさほど感じませんでした。
ですがこの項目でもなんともいえないグリップがやや気になる感じでした。
wing lite 2.0はソールユニットから屈曲溝・サークルピボットが消えたアップデートになっているのでそのあたりは改善されているように思われます。

ソールの横方向の張り出しは控えめ
アウトソールは幅の広いところで10.3cm程度。若干狭めです


まとめ

とにかく軽い、軽い。
そしてそのための犠牲をなにも払っていない、ハイパフォーマーなシューズかと思います。
比べるのが可哀想になりますが、スカイハンドやstabil next genは片足だけで100gくらい重さが違うわけなので、1試合通しての疲労感や毎日の練習でのパフォーマンスの維持には体感以上の差が出ていたりしそうです。
シューズに何を重視するかは人それぞれですが、軽さを重視する人にはこのシリーズはおすすめです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?