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真宗法語カレンダー 2023年7月 法語「正しいものに遇って 正しくない自分を知らされている」

7月のカレンダー 法語
「正しいものに遇って 正しくない自分を知らされている」

というおことばは、浄土真宗本願寺派の利井明弘先生がお話されました。この方は私が行信教校(大阪・高槻)時代に下宿していた「常見寺」というお寺の住職様のお父様です。

「正しいものに遇って 正しくない自分を知らされている」というのは、南無阿弥陀仏のお念仏の教えを通じ、この私かいかに煩悩を抱えたおろかな存在で、わがままに自己中心的なふるまいをしているのか、知らせて頂くという事です。

この私は自分の価値観や一般社会の常識などにより、自分の判断基準を持っていて、そして自分自身の判断基準は間違いのないもの、正しいものだと思い込んでいます。ですが時と場合によって自分自身の判断基準は変わることもあり、そんなぶれぶれの自分自身の判断基準に頼って生活をしようとしているのがこの私です。揺るがない仏様がいらっしゃるのにも関わらず。


そして自分の判断基準が正しいと思い込むことは、お経にも驕りであると書かれており、驕りの心で人や社会の出来事を判断していくことは、誤った見方であるといえます。

阿弥陀如来様のお慈悲のおこころにふれることにより、「自分の判断基準が正しくはなかったのではないか」と気づかされ、この私自身が変わっていきます。阿弥陀如来様はいつだって自らが生み出した煩悩に振り回され、とても自分の力では救われることのないこの私に、南無阿弥陀仏となって届いてくださっているのです。

「あなたがいいときもわるいときも、どんなときでも見守っている。私か必ずあなたを浄土の仏へとすくいとるぞ」と南無阿弥陀仏の喚び声となってくださっているのです。

この私はいつも自分に都合のよいことばかりを口にし、不平不満を垂れる、この私の口からお念仏がこぼれ出てくださるのは、なりふり構わず自分勝手な生き方をしているこの私を、「何としても浄土に生まれさせたい」と誓われた、如来様のはたらきをお頂戴しているからです。

仏様の前でお念仏させて頂く時はもちろんのこと、「いつでも仏様のお慈悲のお心が届いて下さっているんだな、いつでも私のことを見てくださっているんだな」ということを、お念仏を通じて味わわせて頂きましょう。

南無阿弥陀仏


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