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所作がダメな人はダメ

進次郎感のあるタイトル。
どういうこっちゃ?

麻雀の所作が正しくない人は、だいたい麻雀において大事な知識を欠いているケースが多いんだよね。

「所作なんか細けぇこと言うんじゃないよ!まったく!」

そうそう。私も基本的にはそっち派。楽しければよくね?

そのけんさんの最高位戦の所作解説動画見たらさ、
「すげーところまで定めてあるんだな!」
って思ったもん。
「定めすぎじゃね?」
って気がしないでも無かったけど、誰の目にも分かる公平さを担保するためにはあれくらい定める必要があるんだね。

麻雀の所作についてアレコレ言うのは、いわゆるマナー警察みたいでイヤだよね。
私もキライ。

でもね、大事な所作とマナーはあるんだよね。

リーチ発声

前にMリーガーが炎上していたけどさ、
「打牌完了後にリーチ発声をする」
って人は本当に多い。

愚兄「細けぇこと言うなよ!」

って昔は思ってたのよ、私も。若い頃はそれなりに尖ってたからね(笑)
なんなら私自身も、若い頃は打牌してからリーチ発声することなど余裕であった。

でも、ある人に色々教えてもらえたから、打牌の前にリーチ発声するというのは、大事な所作なんだって分かったの。
便宜上、ある人を所作男(しょさお)さんと呼ぶことにしよう。

所「でもね愚兄、色々問題があるんだよ」

愚「どんなもんじゃい!言うてみんかい!」

危険その1「ポンが無いからリーチ」が選択できちゃう

所「危険なドラ役牌が浮いた一向聴からさ、ドラ切ってのリーチ赤赤聴牌がとれるとするじゃん?そりゃリーチしたい。だけどドラがポンされるかどうかだけは確認したい。そんな局面あるよね。」

愚「よくあるわい!いわゆる味見、テイスティングってヤツやな!」

所「ドラを縦置きすれば良い話なんだけど、縦に置いて、曲げていればパッツモでした!なんてのもできれば避けたいよね。」

愚「そんなもん死ぬわい!」

所「そんなときに、ドラを縦っぽくアバウトに河に置いて、誰からもポン発声が無いことを確認してから、牌を曲げてリーチ!って言えば、ポンされるかどうか確認した上で即リーが打てるんだよね。」

愚「!!そんなインチキできるんか?」

所「やる人がどれくらいいるかはさておき、リーチ発声を後回しにすると、『やろうと思えばこれができちゃう』ってのは間違いないよね。」

愚「でもよ、牌自体が曲がっていれば、発声が後回しでも見れば分かるから良いじゃねぇか!」

所「確かに牌の向きだけでも分かることがあるのはそのとおりだね。でも次の問題もあるんだ。」

愚「どんなもんじゃい!言うてみんかい!(2回目)」

危険その2 他家のポンと被っちゃう

所「他家のポン(チー)発声と、リーチ者のリーチ発声がほぼ同時だった場合が問題だよね。」

愚「あん?別によくね?リーチ宣言牌を鳴いただけじゃろがい!」

所「違うんだ。リーチなのか否かで、選択って変わるでしょ?特にポンなんかはすごく変わるよね。
リーチ者の安牌2つを消費する行為だから、『とりあえず鳴いとくかぁ』みたいな選択はできなくて、『ここは腹括ってポン』という選択になるんだよね。」

愚「まぁ、リーチ後のポンはそうやな。」

所「それなのに、リーチなのかどうなのか分かってない状態で選択を強いられることになっちゃうんだよ。リーチならポンしないよ~みたいなことって多々あるよね。」

愚「そりゃそうだけど。・・・だから、発声が遅くても牌が曲がってれば分かるじゃねぇか!」

所「でも、牌を切るときって、リーチするつもりが無くても間違えて横向きになっちゃうことってない?」

愚「そりゃたまにはあるわい!」

所「となると、牌が横向きになってるけど、リーチではない、ってこともあるし、それは許されてるよね?」

愚「まぁそやな。」

所「となると、ポンする側が、『この曲がり具合は、リーチなのか?それともただの置き間違いなのか?』ってことを判断しないといけなくなるよね?さらに、ポン発声は直ちにしないといけないよね?ポン優先ルールでも、発声優先ルールでもそうなるはずだ。直ちに発声しないといけないのに、曲がり具合だけからリーチか否かまで判断しなければいけないなんて面倒じゃない?」

愚「それは鬱陶しいわ!でもよ、リーチならポンしないわ!って場合はポンを取り消しオッケーにすれば良くね?」

所「良くないよね。対子があることがバレちゃうじゃん?バレた対子落としを狙われて脇に放銃したらキレちゃわない?」

愚「そりゃキレるわいな!」

ツモ動作

3月26日の最強戦チラ見したらさ、プロが、ツモ牌を自分のお腹あたりまで引きつけてから手牌の横に置くという所作をしていたのよ。

愚「そんなのどうでもよくね?好きにツモらせてやりぃや!」

所「あんまり良くないんだ。愚兄は『握り込み』って分かる?」

愚「知るかいや!」

所「左手にいくつか予備の牌を仕込んでおいて、ここぞという時に、右手でツモった牌と、左手に隠した予備の牌をすり替えるというインチキのことだよ。もちろん左手に握り込んだ牌は、自身にとって有用になるだろう牌だね。」

愚「そんなインチキあるんか?」

所「3mを握っていたとして、首尾良く36m待ちの聴牌になったら、一発でツモってきた牌と左手に握り込んだ牌をとりかえて、元気よく『いっぱ~つ!』とツモるだけ。ね?簡単でしょ?」

愚「ふざけるな!!」

所「このインチキをするためには、必ずいったんツモ牌を卓外に出して、お腹のあたりで左手に握り込んだ牌と取り替える必要があるんだ。」

愚「そやな。さすがに卓上でやったらどんなアホでも気付くわ。」

所「だから、普通は、雀卓のフチの外までツモ牌を出してしまうのはダメなんだよ。そういったインチキの隠れ蓑になるからね。そもそも、卓外に出すような動きをしたら、手が滑ったときに牌が床まで落ちちゃって牌を傷つけるかもしれないだろ?」

愚「せやな。じゃあなんでそもそも一回卓外に出してツモるなんてややこしいことするんや?」

所「必要性は無いよね。盲牌と一緒だね。時間もかかって無駄だし。こういう所作でオリジナリティを出そうとするのは、見る人が見れば非常にダサく見えるから気をつけよう。」

入れ切り

ツモった牌を手牌に入れてから不要牌を切る行為のことだね。

愚「別によくね?これもダメなんか!」

所「基本的には良いと思う。メンチンとかややこしい牌姿になることもあるし、特に初心者のうちは、ちょっとした複合形も分かりにくいからね。いったん手牌に入れて、カチャカチャ並び替えてから切る牌を決めたいってことあるよね。」

愚「せやで!こちとら形に弱いんや!」

所「初心者さんがこれをやることに文句言ってくるような人はほとんどいないと思う。楽しく打てるようにするのが大事だね。
だけど、一応、入れ切りがゲーム性を壊しかねないということは認識しておいた方が良いと思うよ。」

愚「どういうこっちゃ?」

所「ツモった牌を手牌に入れちゃってから不要牌を切ると、その不要牌が手出しだったのかツモ切りだったのかが、他家から分からなくなる。
つまり、手出しツモ切りが見えなくなるから、ゲーム性が壊れちゃうんだよね。」

愚「いやいや、手出しツモ切りなんか俺は見てねぇよ!見たいならアンタが注意して見てればええやないか!」

所「仮に、手出しツモ切りを分からなくする行為を正当なものとするとどうなると思う?
みんなが手出しツモ切りを隠すようになるんだよね。当たり前。自分だけ素直に手出しツモ切りの情報を出すなんてのはバカバカしいからね。」

愚「別にそれでええで!俺はそもそも見てねぇしな!(笑)」

所「じゃあ隠すためにはどうする?ツモってきた牌を手牌の中に入れた上で、両手で14牌すべてを隠してガチャガチャ混ぜるんだ!こうすると、他家からは手出しなのかツモ切りなのかは絶対に分からなくなる!」

愚「せ、せやな。」

所「でもさ、それを毎巡全員がやりだしたら、ゲーム進まなくない?1時間経っても半荘終わらないよ。だから、手出しツモ切りを明確にするのは、大事なマナーなんだ。
小手返しなんていう技がカッコイイと思われてた時代もあったけど、麻雀について正しい理解が広まった今はインチキの代表格的な技だと認識されているよ。」

所作がダメな人はダメ

という進次郎タイトルに戻るけど。

仲間内のセットとかで、所作についてうるさく言うのは良くない。
不慣れな人もいるからさ。
楽しくやれる最低限度で良いと思う。

特に初心者さんは、まずは麻雀の楽しさを味わって欲しいから、あまり細かいことは気にしないで良いと思う。
周りの人も、初心者さんが入れ切りしようが、7枚切りしようが、なんなら「ちょっと待って!戻して良い?」と言おうが、すべて認めてあげよう(笑)

だけど、プロを名乗る人が、正しい所作をできないってのはどうなの?って思う。

上に挙げた人も最強戦に推薦されるような人なんでしょ?
まったく知らんけど、きっと団体内では実力者扱いされてるんでしょう。
リーチ発声遅れるMリーガーももちろんトッププロと扱われているはず。

正しい所作には、麻雀を楽しむためのそれなりの理由があるんだよね。
間違った所作には、麻雀が楽しめなくなる原因が含まれているんだよね。

所作の間違いを知らないとすれば、圧倒的に経験不足だし、知っていながらやっているとすればプロ意識に欠けるんじゃないかな?

プロを名乗るからには、

正しい所作を広めること
間違った所作を広めないこと

のどちらも意識してほしいなと思った次第でした。

長かったね。

おしまい。

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