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Momose “MJB1-STD/NJ CTM”について

みなさま、こんにちは。今回は国産ブランド「Momose」に特注でオーダーしたジャズベース・モデルを紹介したいと思います。
日本が世界に誇る名ルシアーの一人となる「百瀬恭夫」は20歳からギター製作会社(富士弦楽器製造株式会社)に入社したことから楽器製作に携わるようになりました。国産アコースティックギターのブランドとして根強いファンを持つブランドである「Headway」のブランド立ち上げから製作に携わり40年以上も第一線で活躍しています。もちろん現在も現役で楽器製作をしており後進の育成にも力を注いでいます。そんな百瀬氏の名前を冠したブランドが「Momose」です。トラッドなスタイルを基にしながらも国産ブランドらしい作りの良さとコストパフォーマンスの高さから老若男女、幅広いプレイヤーから絶大な支持を得ています。

今回のオーダーモデルのベースとなるモデルはトラッドなジャズベを基にして製作されている「MJB1-STD」です。アルダーボディにメイプルネック、マダガスカル・ローズウッド指板のいわゆる60年代仕様のジャズベースです。そんなモデルをベースとして細部にこだわってオーダーしました。

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まず、ボディのアルダー材はそのままにしながらもカラーをオリンピックホワイト、エイジド・アイスブルー・メタリック、バーガンディ・ミスト・メタリックの3色でオーダー。塗装最終工程で行われるバフ掛けを行わないことでヴィンテージ風の半艶な仕上げになっています。ネック、指板はレギュラー通りとなるメイプルネックにマダガスカル・ローズウッドです。指板に採用しているマダガスカル・ローズウッドはワシントン条約の規制から価値の高まっているハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)に音響特性が近いことから人気の指板材です。一時期はフェンダー・カスタムショップのベースでも使われていましたが、今ではそんなマダガスカル・ローズウッドも少なくなってきたからか使用されず希少材の仲間入りをしてしまいました。

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ヘッドにはヴィンテージ感を意識したブランド・ロゴをデカールで貼り付けています。通常モデルのヘッドロゴであるレーザーの掘り込みも格好良いですが、ヴィンテージテイストには違和感があるのでデカール・ロゴです。当たり前ですが音には影響ありません。どうせなら見た目にもこだわりたいという見栄です。

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また、通常モデルはフレット数が現代的な仕様の一つとなるつば出し21フレットの仕様ですが、20フレットの仕様でのオーダーです。1フレット短くなることで使える音域は半音少なくなりますが、スラップ時のサウンドへの影響は半音以上あるかと思います。つば出し仕様のスラップサウンドの切れのあるシャープなサウンドも魅力的ですが。サムピングの低音の出方を重視した重心の低いベースサウンドを求めると20フレット仕様は外せない仕様です。

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ピックアップはレギュラー通りとなる「GROOVE60 JB」です。サウンドに定評のあるモデルなので心臓部ともいえるピックアップには手を加えませんでした。また、トーンポットを引っ張り上げることで2基のピックアップを直列配列とし、疑似プレシジョンベース・サウンドとなる「ターボ・スイッチ」は搭載しています。パッシブベースながら2種類のサウンドキャラクターを切り替えて使うことができますので汎用性の高いサウンドに仕上がっています。

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半面、ブリッジは従来の「GOTOH/203B-4」からスパイラルサドルのブリッジへ変更しました。サドル部分のみの変更のように思えますがブリッジプレートも従来よりも薄くなっています。弦の振動をブリッジで止めるのではなく、極力ボディへと伝えることで弦の振動だけでなくボディ、ネックも振動させたい狙いがあります。これにより楽器の振動はプレイヤーの体へも伝わります。

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サウンドに対するこだわりと同じくらいこだわったのが演奏性です。中でもライブでの演奏性にもこだわっています。ライブプレイヤーの悩みの一つに挙げられるのが暗転したステージでのポジションの把握ではないでしょうか。暗いステージ上では何フレットを抑えているのかの確認が難しい状況が多々あります。ベースプレイヤーたるものプレイに集中してこそと思っていますので、演奏以外に集中力をそがれることは避けたいと思うはずです。そんなプレイヤーの為にサイドのポジションマークを蓄光素材に変更しました。指板表面のドットと大差ないように見えますが暗い場所では光りますので視認性が上がっています。

サウンドへのこだわりとルックスへのこだわりを追求しながらも値段を極力抑えたオーダーモデルです。人気の高い「Momose」のベースですが一味違った「Momose」を求める人や、国産ブランドに苦手意識を持っている方、他人とは「少し」違ったベースを求める方まで幅広い人に手にしていただきたいベースに仕上がっています。
是非一度試していただければと思います。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございます。次回もお付き合いいただければ幸いです。

八坂
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