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Fender Custom Shop”1960 Jazz Bass Journeyman Relic -Vintage Blonde -“について

みなさま、こんにちは。今回も当店オーダーのフェンダー・カスタムショップのベースを紹介します。

Fender Custom Shop 1960 Jazz Bass Journeyman Relic -Vintage Blonde-

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前回紹介のSuper Faded Shell Pinkの個体とほぼ一緒ですが、ボディ・カラー以外に変更点があります。

エレキギターから始まるフェンダーの楽器の中でも1950年のブロードキャスター、エスクワイヤーからボディにはアッシュ材を使用し続けていました。
ベースの世界でも1951年のプレシジョンベース(オリジナル・プレシジョン・ベース)でもアッシュ材が標準のボディ・マテリアルでした。
1954年のストラトキャスターも同様でしたが、1956年にギターもベースもボディ材がアッシュ材からアルダー材に変更になりました。
そして1960年にジャズベースが誕生しました。その後1974年頃にアッシュ材が復活します。
つまり1960年代のジャズベースのアッシュ・ボディは存在しないのでは?ってことですが、例外となることがあり、それが「ボディ・カラーがブロンドの場合はアッシュ材」ということでした。
「ブロンド」がどんな色かということですが、「木目が透けて見える白」が近いイメージかと思います。
前説が長くなりましたが、そんな歴史を踏まえた上でオーダーしたのがアッシュボディのジャズベースです。

フェンダー・カスタムショップのカラーチャートの中にも「White Blonde」はありますが、エイジングの仕上げがJourneyman Relicということもあるので「Vintage Blonde」でのオーダーとなります。ちなみに「Dirty White Blonde」というカラーもあります。もちろん着色層の上のトップコートを飴色にする「Aged」にすることもできますので「Blonde」のバリエーションは多彩です。

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ブロンドの楽器はヘッドトップにもボディと同色でペイントするマッチングヘッドは行わないことが殆どとなっていますので今回もマッチングヘッドは無しとなります。遠目にみると「オリンピック・ホワイトかな?」と思いますが近くで見ると木目が透けて見えます。
サウンドもアルダー材のそれとは違いレンジの広い輪郭のはっきりとしたサウンドになっています。

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その他のスペックはSuper Faded Shell Pinkの個体と同様です。スラブ貼りのローズ指板にハンドワウンドのピックアップ、スタックノブの2ボリューム、2トーンのコントロールです。
ネック材もフラット・ソウン(板目)のメイプルにしています。ボディがアッシュ材なので柾目ネックのジャズベースでは音が硬すぎるきらいがありますが、ボディ材とネック材の組み合わせにより重心低めなサウンドになっています。

1960年代のフェンダーのカスタムカラーは自動車用の塗料を使用していることが殆どなので、木目の見えるジャズベースというとサンバーストが一般的になっています。アメ車的なカスタムカラーの中では地味なカラーリングに位置付けられてしまいそうですが、1950年から続くフェンダーの歴史の中では一番歴史あるカラーリングになります。
戦後の経済成長の象徴ともいうべきテレビが普及してきており、当時の白黒の画面に映えるカラーがブロンドでした。白よりも黄色が画面映りが良いことからギブソン社でも「TVイエロー」というカラーも出てきています。ここでいう「TV」はもちろんテレビのことです。

いろいろと話が脱線しましたが、フェンダーの歴史、世界経済を意識した規模の大きい説明になってしまいました。つまりアッシュボディのジャズベースということを言いたいのです。
実在するはずだけど、めったにお目にかかれないシリーズのベースになります。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございます。次回もお付き合いいただければ幸いです。

八坂
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