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ダニエル フレドリッシュ フラメンコ 松 シープレス No.240

ダニエル フレドリッシュの超珍しいフラメンコギターをアウラさんで弾いてきました。

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ダニエル フレドリッシュというと杉 ハカランダ/インドローズの組み合わせの大音量のギターを思い浮かべますが、これは松を使った時代のものに相当します。

この個体もフラメンコですが、いい音でした。フラメンコなのに少しスペイン的な音から外れるような印象でした。

生粋のフラメンコギタリストはあまり好きではないかもしれません。

でもフラメンコも今やスペインだけでなくワールドワイドですからね。

このようなギターもアリだと思います。

ちなみに私が弾いているギターは基本、全て購入前提です。

たま~に手の届かない、トーレスやブーシェはお店のご厚意で弾かせてもらうことはありますが。

これはフレドリッシュとは言え、フラメンコだし、220万という価格はなかなか手が出ないものでした。この価格帯だと伴奏にも使いにくいですしね。

他の方が購入されて終わりとなりました。

しかし音色は良かったなぁ。少しフランス的な鼻の詰まったようなエレガントな音でした。なかなかこういったギターはないと思います。


--以下 アウラHPより引用

[製作家情報〕
1932年 フランス、パリに生まれる。ロベール・ブーシェ以後のフランスを代表する名工であり、奏者そしてその後の製作史における深く広範な影響力という点でも20世紀屈指の製作家です。

家具職人のドイツ家系で、祖父母の代にリュクサンブ―ルからパリに移住。フレドリッシュは13歳で家業の見習いとして働き始め、木工技術を習得してゆきます。1954年、同じフランスの名ギタリスト イダ・プレスティの実演に感動した彼は自らもギターを弾き始め、音楽学校でクリスティアン・オーバンに演奏を師事。製作技術も持っていたオーバンの薦めで翌年の1955年に彼は自分用に第一号となるギターを完成させます。その後も製作を継続し、1959年に完成した15本目のギターはロベール・ブーシェに激賞され、これをきっかけに彼は本格的に製作家としての道を歩み始めることになります。その後もプレスティとの二重奏で知られる名手アレクサンドル・ラゴヤからのより実用的な面でのアドヴァイスとアメリカ市場への紹介、そして取り分け1967年にベルギー、リエージュの製作コンクール(審査委員長はイグナシオ・フレタ)での受賞などでその名声は一気に国際的に高まります。

彼は大変な研究家としての側面も持ち合わせ、パリ大学の音響研究所でより高度なギター音響を達成するための研究に没頭した時期もあります。その成果はもちろん彼のレギュラーモデルにも反映されていますが、ミーントーン(中全音律)音階に対応したフレッチングを考案したり、現代的な音響を達成するためカーボンファイバーの表板を採用したりなどギターの別の在り方を果敢に模索した楽器も製作しています。そして彼は常に自ら製作した1本1本のギターのデータを詳細に書きとめ、自らの製作を文字通り洗練し熟成させてゆく作業を生涯にわたり行いました。

あらゆるギタリストの高度な要求に応えうるようなギターを模索し続けたフレドリッシュですが、本人自らが最も好むギターの音は「濃密で、音楽的な魅力と深さをもった、ハープシコード的というよりはピアノ的な」音であったそう。

プレスティ=ラゴヤをはじめ、アルヴァロ・ピエッリ、ロベルト・アウセル、エドゥアルド・フェルナンデスら現代屈指の名手たちが彼の楽器を愛用しています。


[楽器情報〕
ダニエル・フレドリッシュ製作の「Flamenca」松・シープレスモデル。1969年製(No.240)の 非常に珍しいフラメンコモデルの入荷です。1960年代当時の彼の最上位機種であった「Concert」と同じく、ラベルにシリアル番号が記載されていることからもこれがハイスペックのモデルであることが伺えます。クラシックモデルで採用されている、彼自身が考案した複雑で美しい力木配置とは異なり、トーレスを規範としたオーソドックスな構造を採用。サウンドホール上下のハーモニックバー、その間をホールの高音側と低音側に1本ずつの短い力木が横板のカーブ沿うように設置、そして左右対称7本の扇状力木とその先端をボトム部で受けとめるように設置された2本のクロージングバーという配置。レゾナンスはGに設定されています。

極めてフレドリッシュ的な独特な音響で、撥弦の際の反発感や粘り、そしてその音色はスペイン的な感触とは異なり、やはりフランス的と言いたくなるきわめて個性的な、ある暗さを含んだ魅力を備えています。しかしながらその反応の俊敏さ、各音の粒立ち、適度なサスティーン感などはフラメンコモデルとして不足なく、オーソドックスなフラメンコサウンドとは異なるニュアンスを求めている方にはぜひおすすめしたいモデル。

今回入荷時に、フレドリッシュが愛用していたパリの美術用品店 Laverdure で販売されているオリジナルセラックをOrfeo Magazine のAlberto Martinez 氏のご厚意で譲って頂き、傷みが目立っていた表面板を全面再塗装。オリジナルのシープレス製ゴルペ板もそのまま再接着し、美しく再生しています。表面板はその他指板脇の割れ補修履歴があります。横裏板はオリジナルのラッカー塗装ですが、年代考慮すると傷も少なく良好な状態。ネック、フレット等演奏性に関わる部分は全く問題ございません。ネックは薄めのDシェイプ仕様。糸巻きはフステロ製。

※1960~70年は彼のハイエンドモデルとなる「Concert」とよりリーズナブルな「Recital」「Arpege」、そして唯一のフラメンコモデルとなる「Flamenca」をカタログにラインナップしており、このうち「Concert」と「Flamenca」にはシリアルナンバーが付されていました。1970年以降は「Concert」モデルのみ製作となります。

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