融解

気がつけば、黒い時間が私を包んでいた。
1日の懺悔を慟哭するような、そんな時間が。
これから激しい雨が降ると警告するような、
ひどい胸の奥の締まりを感じる。
蛙が天気予報を私に知らせ、
蚊は出番でないと眠っている。
窓の外を眺めながら酒を飲み、
自己陶酔を超える嫌悪感が躍る。
誰かがホームから僅かな空間を跨ぐ時間。
私は表情という表情を剥ぐ。
誰かが嘔吐きながら、ターミナルで横たわる時間。
私は、私の中にある私に嘔吐く。
梅雨前線が緯度線を平行に動き、姿を消した時、
この文章とともに私は融解するだろう。

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