理菜は中学受験に合格してからというもの、勉強をひたすら怠ってきた。やる気が出ないのだ。成績は当然下降する一方で、中2の夏、期末試験の順位は160人中148位まで落ち込んだ。 当然、その状況をいつまでも看過する理菜の両親ではなかった。 「いい加減勉強しなさい」 「わかってるよ」 「分かってたらこんな順位にならないでしょ!数学赤点じゃない」 「わかってるって…」 こんなやりとりは日常である。 そしてついに、母は実力行使に出たのである。 「え?」 理菜は耳を疑った。 「
愛理は中学校1年生の女子である。長い髪が密かな自慢である。 「お風呂がめんどくさいだけだよ」 などと、普段クラスメイトたちには、謙遜のような自虐をしているが、内心では自分の髪には自信があった。愛理は毎朝学校に行く前、髪の手入れに1時間はかけていた。 ある日。 クラスメイトの陽菜が、突然ベリーショートに髪を切ってきた。愛理はその変わり果てた姿に驚き、そして心の奥で小さな嬉しさを感じた。同じロングヘアの陽菜に対して、ちょっとした疎ましさを感じていたのだ。彼女はこの機会