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もう雰囲気でエスパーミッドレンジを使うのはやめにしないか?

自己紹介

筆者は主に関西でプレイしているカジュアルプレイヤーです。
カラデシュからMTGを始め、特筆出来るような戦績は特にありませんが、
直近だと日本選手権DAY2に進出しました。
「オタクカード研究会」というソリューションを探し求める集団の会長です。

背景

世はまさに<<放浪皇>>バブルであり、クソ高い単価のカードを買ってスタンダードのデッキを組んだ人も多いかと思います。

そんな白熱の今期スタンダードの筆者の戦績がこちら。
使用:エスパーミッドレンジ

  • 09/18 TC大阪 BOX争奪 6-0 優勝 BOXゲット

  • 09/23 TC大阪 ラストサン予選 6-0 優勝 権利ゲット

  • 09/25 ブラフロゲームデー 3-0 優勝 プロモゲット

  • 10/02 TC大阪PWCS 6-0 優勝 放浪皇ゲット

  • 10/07 晴れる屋日本橋PWCS 0-1 DROP

  • 10/09 ブラフロPWCS 5-1 準優勝

  • 10/10 TC大阪プレミアム予選 6-0 優勝 権利ゲット

7日稼働のうち優勝5回。
準優勝1回。
1負即DROPが1回。
サンボマスターもにっこりの優勝具合。
集計すると、32勝2負であり、これは「運が良かったな」のレベルではなく、洗練されたデッキとそれに噛み合った戦術があればこそだと確信しています。

その「洗練されたデッキ」に今回はフォーカスし忘備録もかねてセルフ考察してみようと思い記事を書きました。
(各アーキタイプ別のサイドボーディングなどの戦術面も記載するつもりでしたが、直近の禁止改訂により情報価値が無くなったため見送りました)
<<食肉鉤虐殺事件>>は禁止になったとはいえ、エスパーミッドレンジはまだ健在だと思いますので、これからの誰かの構築に役立てれば幸いです。

デッキリスト考察

リストはこちらです。

メインカード

わかりやすいように、エスパーベイスターズで打線を組んでみました。
①番 セカンド <<しつこい負け犬>>くん
②番 ライト <<勢団の銀行破り>>くん
③番 キャッチャー <<婚礼の発表>>くん
④番 サード <<策謀の予見者、ラフィーン>>くん
⑤番 ショート <<放浪皇>>ちゃん
⑥番 センター <<夜明けの空、猗旺>>くん
⑦番 ファースト <<黙示録、シェオルドレッド>>ちゃん
⑧番 レフト <<かき消し>>くん
⑨番 ピッチャー <<敬虔な新米、デニック>>くん
守備要員 <<邪悪を打ち砕く>>くん
代走 <<漆月魁渡>>くん
代打 <<食肉鉤虐殺事件>>くん

それでは、各選手について言及していきます。

◇①番 セカンド <<しつこい負け犬>>くん
他のエスパーミッドレンジのデッキでは大体4積みされていますが、3枚に留めました。理由は、同じマナ域である後述の<<敬虔な新米、デニック>>よりも特定のケース外で明確にキャスト優先順位が下位であり、試合通して1枚見ればブリッツ込みで仕事するためです。元々2枚採用でしたが、後述の<<勢団の銀行破り>>をメイン3枚にした関係上、素で搭乗出来る人員を最低限確保したくなったため3枚にしました。
その3枚目が生きた試合が何回かあったかと思います。
ちなみに、グリクシス対面では全てサイドアウトします。

◇②番 ライト <<勢団の銀行破り>>くん
3枚採用。元々2枚採用であったがエスパー人口増加の雰囲気を感じ取り3枚採用にしました。実はエスパー対面先手をとっても後手の<<かき消し>>でひっくり返ることはまあまあ発生します。2ターン目に<<勢団の銀行破り>>を置くと相手はクロックをしかけないと負け必至なため、<<かき消し>>を構える事が出来ず、こちらのメインアクションが通りやすくなります。(相手が<<かき消し>>キープであれば、そのままカードを引いて大体勝ちます。)
ミラー戦で<<勢団の銀行破り>>合戦になった際は、操縦士を早く出すことにマインドを置くと、盤面は良い雰囲気になりやすいと思います。(打ち消しするかドローするかなどの選択で)

◇③番 キャッチャー <<婚礼の発表>>くん
ここからクリーンナップなので4枚採用です。
打席に立てばとにかく塁に出る事でお馴染み。
ドローモードとトークンモードどちらを誘発させるのか、判断が必要な場面がまあまああります。

◇④番 サード <<策謀の予見者、ラフィーン>>くん
エスパーの勝ちパターンに直結くん。
ミラー戦で、後手時サイドアウトするなどの話を聞ききますが、基本そんなことをしてはいけません。(ラスゴ全開なんですみたいな話を除く)
ですが、ヴェールのリリアナを採用したデッキに対して、後手時にキャストをするとどつぼにハマる可能性があるので、サイドアウトすることはあります。

◇⑤番 ショート <<放浪皇>>ちゃん
大体センター前ヒットを打てます。
4ターン目フルタップキャストすることに基本リスクを感じないカードであり、持っている全てのモードが強いです。
エスパーの持つカウンターを入れた戦略とも噛み合っており、婚礼ドローモードでエンド時に引いてもそのままキャストできます。すごい。
最近、3枚採用が多いが何故ですか。WHY。WHY JAPANESE PW。

◇⑥番 センター <<夜明けの空、猗旺>>くん
2枚採用。mtg界のシェンロン。
死亡時に「ギャルのパンティをくれ」と願った結果、何もめくれず「さらばだ」と言われる事もあります。
前述の<<放浪皇>>ちゃんによって相手のマナを動かした際の、強いメインアクションが欲しいため複数枚採用にしています。
5マナフルタップをやすやすと出来る場面がはあまり無いため、3枚以上の採用はしずらいです。なので、2枚がちょうど良いと思います。

◇⑦番 ファースト <<黙示録、シェオルドレッド>>ちゃん
2枚採用。4ターン目フルタップぽん置きはやりたいくないアクションであり、大体2マナ除去の的でテンポを損ないます。
6ターン目に2マナアクションと引っ付けながら出す、もしくは8ターン目に後述の伝説土地<<英雄の公有地>>を立たせながら出したいカード。
前述の<<夜明けの空、猗旺>>から出てくるとホームランであるため、期待したいがキャストターンを考えると2枚採用が適正と考えます。

◇⑧番 レフト <<かき消し>>くん
3枚採用。4枚採用したい気持ち、わかります。
でも3枚採用です。
後手2ターン目に最も欲しいカードではありますが、先手では複数枚は必要ないカードであり、犠牲能力があるとはいえやはり賞味期限のあるカードです。また、環境的に最も警戒される打ち消し呪文であり、相手次第ではケアされた動きをされて、うまく機能しない事もあります。それが手札内で複数枚発生すると地獄です。
さらに、サイド後否認が2枚入ると合計打消しが5枚となります。6枚は過剰だと感じます。なので3枚です。

◇⑨番 ピッチャー <<敬虔な新米、デニック>>くん

  • 2マナクロック。

  • 貴重なライフリソース源。

  • マナベース補完。(後述する土地、<<英雄の公有地>>との関係)

  • 墓地対。

  • 裏面による継戦能力。

と、いたせりつくせりなこのカード。
全試合通して安定したパフォーマンスを発揮します。
伝説クリーチャーを4枚取るのは流石にリスクを感じたため、3枚に留めていますが4枚採用の可能性は十分にあります。
1000枚買え。

◇守備要員 <<邪悪を打ち砕く>>くん
4枚採用。<<黙示録、シェオルドレッド>>、<<婚礼の発表>>、<<鏡割りの寓話>>。今環境のヘイトカード全てに当たる万能カード。3枚以下はありえません。パンツみたいなもんです。

◇代走 <<漆月魁渡>>くん
ミラー先手EAZYWINくん。他対面ではあまり要らない。忍者が強いので、忠誠値3の時は基本忍者を出しましょう。マナフラ時と、明確に必要なカードがない時以外は、ドロー1枚より忍者の方が良いと思います。

◇代打 <<食肉鉤虐殺事件>>くん
禁止された可哀想な人。1枚は回答として用意しておきたい。

メインの呪文は終わったので、土地基盤に行きます。

土地基盤

まず土地は26枚以上必須です。
毎ターン土地を置いて伸ばしていきたいデッキなので、26枚は用意したいです。

各土地について
◇<<ラフィーンの塔>>
4枚採用。パンツみたいなもんです。

◇<<英雄の公有地>>
4枚採用。このカードは後半呪文一枚分の役割になる上に、序盤は大体全色出るような土地です。
ミシュランがいない環境で、よそのデッキでは特別な仕事をできる土地はサイクリングぐらいしかいないにもかかわらず、エスパーは最大4枚も採用可能です。じゃあ採用するしかないでしょう。<<英雄の公有地>><<黙示録、シェオルドレッド>>が揃うと大体勝ちます。

◇ダメージランド
4枚採用。絶望将来など直接ライフリソースを狙ってくるスペルがある環境で、下手にペイし過ぎるのは危険です。なので枚数調整が必要です。初手に1枚あって欲しい程度の解釈なので4枚。5枚はギリセーフ。6枚はアウトです。

◇スロウランド
8枚採用。このカード以外が<<ラフィーンの塔>>を除きアンタップインなので、安心して採用できると思います。初手に2枚ある場合のみリスクと考えると、それに見合う以上のリターンがあるので8枚採用が塩梅と考えます。

◇基本土地
各種1枚ずつ。どんな時でもアンタップイン。かつ、色を出すのは無料。こんな土地、3枚採用するしかないでしょう。

◇各神河土地
採用しない手はないので採用しましょう。伝説のクリーチャーが多いこのデッキでは、とんでもないテンポを生み出す事があります。

計26枚スロットの上記が主観黄金率と考えます。
実際34戦やって違和感に感じたことや、困ったことは極めて少なく(ある時はある)、安定して戦えました。理論値を追えばもっとやりようがあるかもしれませんが、その辺は賢い人に任せました。(感覚派)

サイド

お次はサイド。

◇<<切り崩し>>
4枚採用。対アグロ専用カード。滅多に使いません。34戦中使ったのは1戦だけだと思います(対青単)。生命保険みたいなもんです。

◇<<強迫>>
2枚採用。後手時のみ使用。対ジャンド、対グリクシスには2枚使いますが、エスパーには現場判断で1枚だったり2枚だったりします。

◇<<魅せられた花婿、エドガー>>
2枚採用。おじいちゃん。
出番は基本ありません。対黒単、対赤黒の場合のみ登板します。

◇<<否認>>
2枚採用。最速<<鏡割りの寓話>>を通してはいけないため必要です。

◇<<軽蔑的な一撃>>
1枚採用。対エスパー、対グリクシスには使いません。
対ジャンドや対白単、対招来リアニには使います。
※ここだけの話ですけど、エスパー相手にはサイドインしない方が良いです。

◇<<勢団の銀行破り>>
1枚採用。先手時に4枚目が必要です。
カードをいっぱい引きたいので。

◇<<漆月魁渡>>
対エスパー先手時にもう一枚必要です。

◇<<忘却の儀式>>
<<魂転移>>で使われがちなスロットにこちらを採用しました。
<<魂転移>>の仮想相手が<<夜明けの空、猗旺>>であり、出てくるかわからない相手に対して3マナソーサリーを握りしめるのにストレスを感じていました。サイドインすら怪しいと思います。
そこで、<<策謀の予見者、ラフィーン>>で捨てても打点に変わり、墓地にあるだけで、相手の<<夜明けの空、猗旺>>に牽制できるためこちらの方が理にかなってると考えます。
表と裏で<<魂転移>>2枚分のバリューも期待できます。
また、仮想相手が中盤以降にキャストされる想定であるため、こちらにもそれなりのパーマネントがあることを想定しています。
サイド後であれば<<勢団の銀行破り>>が出した宝物をコストにする事も期待できます。
実際このカードは気軽に裏目を気にせずサイドインできたので、感触が良かったです。

◇<<食肉鉤虐殺事件>>
アグロや寓話待ち相手に追加します。

以上75枚に対するセルフ考察でした。
この構築に紐づく戦略や、対戦内でのミクロな挙動が今期の勝利をもたらしたんだと思います。

おわりに

約5000文字にわたる長文をお読みいただきありがとうございました。
途中野球ネタが挟まりましたが、筆者は特に野球が好きではありません。
ミスフルは好きです。

今期環境は先手環境だと言われがちですが、筆者は予選ラウンドでは後手の方が体感多かったです。先手3ターン目のアクションに対してテンポを取れる(打ち消したり、<<婚礼の発表>>に<<邪悪を打ち砕く>>を打ち込んだりなど)と、結構な頻度で先手がひっくり返りますので、ダイスの目でマインドが揺さぶられないようにしましょう。平常心です。

よく「TC大阪」や「カードショップふらっと」に出没するので、対戦する際は宜しくお願いします!
お読みいただきありがとうございました!


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