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自己紹介:『弘学革命』を創めよう!

初めまして。弘学研(ぐがくけん)です。

私は『弘(ひろ)く学び、学を弘める』『弘学(ぐがく)』を目標に学問探究に取り組んでいます。
研究内容や学問論などを発信、共有するため、この度、noteにアカウントを開設しました。

他にも以下のウェブサイトやTwitterでも弘学の取り組みを発信しています。

Googleサイト『弘学と科学の間』

Twitter:弘学研(@gugakuken)

『弘学』は、専門分化する「科学」とは対となる、専門を持たない『無門』としての学問の在り方であり、学問を統合する役割を担います。
弘学者と科学者が協力することで、この21世紀に、異分野統合による科学革命『弘学革命』を実現できると私は考えています。弘学革命の実現によって学問も社会も大きく発展するでしょう。
この希望を人々と共有し、異分野の科学者やさらに現れてくるであろう弘学者の協力を促すため、私も一人の弘学者としてSNS等を使って発信や普及、交流に努めたいと思っています。

今回は自己紹介と弘学の取り組み、今後の目標などを書きたいと思います。非常に長くなりますが、ご容赦ください。

1.自己紹介

自己紹介をします。

私は大学の理学部化学科を中退し、在野研究者として独学で学問に取り組んでいます。研究分野としては、弘く学び、学を弘める『弘学』を目標に、専門分野を持たないで理論研究に取り組んでいます。現在は主に自然科学の各分野(物理学、天文学、化学、地球科学、生物学、脳科学)の問題を追究しています。数学や計算機科学等の形式科学にも興味があり、創薬研究を志していたこともあって応用科学への意識も高いです。科学史等の科学論や人文・社会科学等の文系分野も時々摂取しています。弘学者としてできるだけ広く開かれた心で学問の諸分野と向き合うことを常に心掛けています。広く学び考えているうちに、「自分の分野」という認識は消え、それに対する「異分野」という認識も無くなりました。そして、『広く』の先には『遍(あまね)く』があり、そこから『深く』に通じていて、分野を越えた普遍性が存在すると気付きました。さらに学問以外の人間の営為にも気を配らなければならないとも考えるようになりました。弘学を始めて、自然科学の各分野の科学革命のアイデアを連鎖して得たことで、異分野統合による科学革命『弘学革命』の可能性に思い至りました。他の研究者と協力し、科学革命のアイデアを発展させ、理論の完成と検証、応用と普及を進めるために、2年程前からウェブサイトとTwitterアカウントを開設し、研究の発信、共有に尽力してきました。今回のnoteアカウントの開設もその一環です。

研究内容は現在は全てウェブサイトやGoogleドライブ、SNS等でインターネット上に無料公開し、書籍の出版や学術誌への論文投稿はしない方針です。私はアマチュア研究者に徹することに決めており、自らの研究の先取権を放棄しています。したがって、自らの研究成果について経済的対価や社会的地位、褒賞や称号などは固辞し、一切受け取らないことにしています。代わりに、他者の研究の先取権を侵す心配は無くなるので、自己と他者の業績の線引きを厳密に行う必要はなく、網羅的な先行研究調査も不要となっています。アマチュア研究者は権利が少ない分だけ義務も少なくなり、職業研究者よりも自由なスタイルで研究に取り組み、発信することができます。アマチュア研究者は業績を度外視することができるので、未着手、未完成のアイデアも公開することができ、研究を結果だけでなく過程の段階から万人と共有することが可能です。私はポストには就かず、組織にも所属せず、個人の研究者として他の個人や組織と分け隔てなく協力する方針を採っています。プロの研究者は競争というルールの中で生きていますが、アマチュアの研究者は協力という生き方を模索しています。有限の予算の中で多額の研究費を要するプロジェクトを実施するには、研究費の配分を決めるための競争も必要であり、責任を持ってプロジェクトを遂行するためにプロの研究者という在り方も残るでしょう。しかし一方で、科学史家の中山茂さんが「パラダイム作りは、通例金はかからない」(『パラダイムと科学革命の歴史』p.319)と述べているように、研究費が無ければ本質的な研究ができないわけではありません。むしろ、アマチュアの研究者の自由度が科学革命という冒険的な試みを実践する上では利点になると私は考えています。

加えて、私は「平和でなければ学問はできない」という事実から、自らの学問を平和のために実践することを方針としています。そして、平和を実現するためには、貧困の問題を解決し、人々が「貧すれば鈍する」から脱して「衣食足りて礼節を知る」ことが必要条件となると考えています。それを達成する方策として、『世界一の大富豪でも全ての貧しい人々を救うことはできない』という現実認識から、発想を逆転し、『自分が一番貧しくなる』、正確には『自分以外の全ての人を今の自分の生活水準よりも経済的に豊かにする』ことを目指しています。その経済の仕組みを変える事始めとして、自らの学問や研究を富を対価として求めることなく純粋な知的探求と無償の社会貢献として実践することにしています。10年後にはベーシック・インカムの制度を実現することを目標とし、誰もが学問でも何でも自由に好きな活動ができる社会を理想としています。同時に、金銭や名誉などの外発的動機ではなく好奇心や探究心といった純粋な内発的動機で活動してこそ人間は最も創造的であれるということを自らの学問と人生を以て証明したいと思っています。

ちなみに、アカウント名を「弘学研(ぐがくけん)」としているのは『弘学』こそが私が最も世に弘めたい言葉だからです。私は執筆物には記名をしているので、このアカウントは正確には匿名アカウントではありません。ただ、私は自分の名前を隠したいわけではありませんが、自分の名前を売りたいわけでもないので、アカウント名という「看板」には私が世に広めたい『弘学』を冠しています。まあ、『弘学』という言葉の中に私の名前が含まれていますが、これは偶然と言いますか、弘学という概念が弘学という言葉で表されることになった日本語の歴史的経緯の必然性と比べれば、私の両親が私にこの名前を与えたことの方が余程偶然と言えるでしょう。また、末尾の「研」は一般に大学等で「〇〇研究室」を「〇〇研」と省略する慣習に倣ったものですが、敢えて省略形としているのはこのアカウントが『研究⇔研究者⇔研究室⇔研究所⇔研究会⇔研究界』と伸縮自在の存在であれるようにという願いを込めているからです。また、学歴も以前に出版した著書に記載した経歴を調べれば判るようになっていますが、アカウントのプロフィール欄等に書かないのは学歴主義に反対しているからです。学歴主義を批判する者が自身のプロフィールに学歴を記すのでは言行不一致となりますし、他者にも学歴で判断せず発言の内容を吟味してほしいと考えています。

付け加えておきますと、英語ではなく日本語で研究内容を発信しているのは「誰もが英語で話し、書くべきである」とする英語帝国主義に反対しているからです。対等で平等なコミュニケーションとは『相手の言語で理解し、自分の言語で表現する』以外にはあり得ません。互いに外国語を学んで相手の言語を理解できるように努めることは他者理解に繋がりますし、外国語を自国語に機械翻訳する技術も日々進歩しています。対して、自分の内にある意思を表現することは機械や他者に代替させることはできませんから、自分が最も表現しやすい言語、特に自国語で話し、書く自由は全ての人に認められるべきです。このコミュニケーションの理想を実現するため、私は英語帝国主義に屈することはせず、日本語で発信された研究も良いものは良いと英語圏の人々が認めるまで日本語での発信を続けるつもりです。また、私が英語で研究を発信して海外で称賛されてから慌てて日本人が私の研究を称賛するという展開も好みません。「外圧でしか変われない日本」ではなく、日本の中で良いものを良いと認めて世界に発信できる、そういう日本社会を望み、そのためにも日本語での発信を続けたいと思います。そもそも、過去の科学革命家は皆、その主著を母国語かヨーロッパの共通語であったラテン語で書いています。世界の本質に迫るためには深い思考が必要であり、母国語のような最大限に駆使できる言語によってこそようやくその思考の粋に到達できるのでしょう。一方で、英語圏の人々が日々新しい英語を生み出しているように、日本人である私たちには新しい日本語を生み出していく責務があります。江戸から明治に移る時代に西洋から学術の用語を輸入するに当たって西周を始めとする当時の日本人たちが新しい日本語を造ったように、私も21世紀の科学革命の研究に取り組む過程で新しい対象や概念を表す日本語を造っています。

なお、私がこのnoteやTwitter、ウェブサイト、Googleドライブ等で発信している内容(文章や画像等)は、第三者の著作物の引用部分等を除いて、ご自由に二次利用(引用、転載、コピー等)が可能です。商業利用でない一般の方の利用であれば、出典の明記等も省略して頂いても構いません。職業研究者の方が利用する場合は、盗用とならないよう、私自身のオリジナルであるか他の研究者が初出か等を先行研究調査で確認した上で、適切な形で引用することをお勧めします。

2.弘学とは何か

『弘学(ぐがく)』とは何かを説明します。

その前に「科学」という言葉を考えてみましょう。「科学」は「いろいろな〈科目〉に分かれた〈学〉」がその語源です(『百科事典マイペディア』「かがく【科学】」)。19世紀後半に西洋の"science"が輸入された際、既に多くの専門分野に分かれていたため、「科学」と翻訳されたようです。科学史家のトーマス・クーンも科学は革命によって「専門が枝分かれする」と指摘しています(『科学革命の構造』p.192)。科学には専門分化する性質があるのです。

しかし、scienceの原義は「知る」であり、「理性的あるいは知的な全学問」「体系化されたすべての知識」を指すものでした(『ブリタニカ国際大百科事典』「科学[カガク](science)」)。実際、西周が1870年に私塾で講義した内容をまとめた著作の題となっている「百学連環」とは英語のencyclopedia(百科全書、百科事典)を西周が日本語に翻訳した言葉であると、松尾義之さんが著書『日本語の科学が世界を変える』の中で紹介しています。この著書の中で松尾さんは「西周の翻訳がすばらしいのは、こうしたさまざまな学問すべて、つまり『百学』が、互いに補い合い、支えあって、大きな人類の知の体系が作られていることを、ずばり『連環』と喝破、表現したことではないだろうか。」(p.59)と語ります。"science"という言葉で表される『学問』には専門分化する側面だけでなく知の体系、連環という意味も含まれていたのです。この"science"の知の体系、連環という意味が「科学」という日本語に翻訳される過程で忘れ去られてしまい、専門分化する性質ばかりが日本人の『学問』に対するイメージとなってしまいました。

この専門分化する性質を持つ「科学」に対し、私が提唱する『弘学』は『弘(ひろ)まる学』という意味で、『弘く学問する、学問を弘める』という学問の在り方を表します。『弘学』は「科学」の対となる言葉として位置付けることができます。『弘学』は学問を統合する役割を担います。

また、私は「専門」の対義語として『無門(むもん)』という言葉も造りました。『無門』は『専門を持たない、専門に囚われない、無数のことに意識を向ける』という意味です。専門を持たない『無門』としての学問の在り方が『弘学』というわけです。専門分化する科学に対し、弘学は無門統合を目指します。

まとめますと、『学問』は、専門を深め分化を担う『科学』と、無門を広め統合を担う『弘学』の、二つから成ります。
学問 science=科学 deepening science+弘学 broadening science
となるのです。弘学の誕生によって科学は新しく位置付けられ、学問は進化します。

ちなみに、『弘学(ぐがく)』は当初は「広学(こうがく)」と呼んでいましたが、これだと「工学」と誤変換されてしまうので違う読みのできる字にしました(化学科だった私は「化学」が「科学」と誤解されないように「ばげがく」と言い換えなければならない煩わしさをよく知っていました)。『弘学』の『ぐ(gu)』と『科学』の『か(ka)』は母音・子音を入れ替えると『が(ga)』『く(ku)』=『学』になり、四つの音素で『学問』の全てを表せるという遊び心もあります。

専門を追究し学問の分化の役割を担う科学者と、無門を追究し学問の統合の役割を担う弘学者。弘学者が誕生し、科学者と協力することで、学問を大きく発展させることができると私は考えています。さらに、分野を越える弘学者・無門家は異分野を橋渡しするだけでなく、分断している人々を結び合わせ、社会を統合する役割も担うことができると信じています。人と人を結ぶこと、全人類の統合こそが『弘学』の最大の使命です。

3.弘学に至った経緯

『弘学』に至った経緯の概要を書きます(詳しい経緯は改めて書く予定です)。

私は大学の理学部化学科に進学しました。創薬研究を志しましたが、元々手先が不器用だったり、統合失調症という精神病を発症して認知機能が低下しているためか、実験が酷く苦手で、必修の学生実験の単位がなかなか取れませんでした。周りの学生が進級、進学したり、就職したりしていく中、私は専門の道に進めないことを思い悩んでいました。しかし、ある時、自分は逆に『専門を持たない』ことを強みにしたら良いのではないかと思い付きました。必修の単位が開講されていない学期中は休学していて、その頃に化学以外の分野を学んでみようと思い、生物学の教科書を読んで独学しました。化学科の私は物質が集まって複雑で精緻な振る舞いを見せる生命現象に驚くと共に、異分野にも面白い世界があると知りました。その後、3年越しに必修の学生実験の単位も修得し、念願の研究室配属が叶いました。しかし、研究室で行われる高度で危険を伴う実験を目の当たりにし、自分には無理だと悟りました。そして、自分は理論一本でやっていこうと決意すると共に、『広く学びたい』という思いが前面に全面に出てきました。

『弘学』を目標に掲げて学習計画を立て勉強を始めようとした矢先に、松尾義之さんの『日本語の科学が世界を変える』という本を見つけ、その中の「万有斥力」(p.94)という言葉と出会い、天文学の謎とされる暗黒エネルギーと暗黒物質の正体は負の質量を持つ物質(『負物質』)ではないかという着想を得ました。その後、学習計画を進めていましたが、高校の物理の参考書でニュートンの力学を学び直していて負の質量のアイデアの重要性を意識し始め、このアイデアで化学科で学んでいた量子力学の不可解な性質も説明できるのではないかと思索してみました。そうして、素粒子の内部構造として正と負の質量を持つ2種類の粒子を仮定する『正負根子モデル』を着想し、この理論を探究してみることにしました。1年後、2016年の末に理論研究の内容を『負物質の実在と正負根子モデル』と題して書籍として自費出版しました。

正負根子モデルを追究していて、根子が未来を選択するという選択論の洞察を得て、これが自由意志の根源であるという理解に到達しました。自由意志の問題から脳科学に興味を持ち、茂木健一郎さんの『クオリア入門』を読みながら、意識は脳からどのようにして生じるかという心脳問題について考えていました。選択論のアイデアから『意識の本体はニューロンではなくシナプスにある』という仮説を早くから持っていて、シナプスにおける神経伝達物質の動態を扱うために『物質系の化学』が必要だと気付きました。物質系が示す創発現象を表現する上で国語の勉強のつもりで学んだ論理学が使えそうだと着想し、正負根子モデルを基に論理学を0・1の二値から正・無・負の三値に拡張してダイアグラムと組み合わせた表現法『ダイアログラム』の開発に着手しました。ダイアログラムを使って脳の神経回路を考察すると共に、生物学の進化や生態系において『利他』が重要概念となると思い至り、生命の誕生を地球科学の問題と見なす『地学進化』のイメージも得ました。

以上の様にして『弘学』の実践で自然科学の各分野の科学革命のアイデアを連環させながら得て、人文学や社会科学への展開も見えてきて、異分野統合によって学問の全分野で同時多発的に科学革命を実現する『弘学革命』の可能性を着想しました。この弘学革命の構想を実現するために、2018年の終わり頃から研究内容や弘学の学問論をインターネットやSNS上で発信しています。

4.これまでにやったこと

これまでにやったことを紹介します。

まず、『弘学』を目標に、専門分野を持たないで広く学ぶことに取り組んできました。大学では化学を専攻していましたが、生物学、数学、物理学も独学で学んでいます。天文学や脳科学の問題についても学び考えてきましたが、具体的な知識はまだ少ないです。理系分野では地球科学や計算機科学はまだ学習が進んでいない分野です。文系分野も折に触れて学ぶようにしています。

また、思考法や研究哲学、学問論といったものも意識して学び考えてきました。研究の道を志した最初の頃に酒井邦嘉さんの『科学者という仕事』という本を読んで、その中の「何を研究するか」(what)の前に「どのように研究するか」(how)がより重要だ(p.45)という一節がずっと心に残っていて、研究の方法論も探究してきました。必修の単位が取れなくて留年を繰り返していた分だけ他の人よりも足踏み期間が長くなり、その間も色々な研究者の著書や伝記を読んでは自分でも研究哲学を思索していたことが弘学の学問論にも繋がったと振り返っています。科学史家のトーマス・クーンの主著『科学革命の構造』を読んで、それまでの科学教育で抱いていた科学のイメージがひっくり返り、衝撃を受けたこともあって、科学史を好んで学び、自身の研究や学問の参考にするようになりました。創薬研究のアイデアを自力で思い付いたことをきっかけに、アイデアを得るための思考法も志向するようになりました。アイデアの記録を付けるようになってしばらくすると、アイデアにも軽重があることに気付き、以来より良いアイデアを追求し続けた末に科学革命のアイデアを得ました。弘学の方針として学問の知識だけでなく方法論も広く学ぶことを実践した結果、『学問には多様な方法があり、万能の方法はなく、最善の方法は各人で異なり、その人に合った方法を模索すると共に、他者と協力することで、全ての可能性を追究するべきである』という結論に至っています。

これまでの研究や学問論についての発信内容を以下にまとめます(上述のウェブサイトやTwitterからも参照できます)。

論文『弘学 ~科学を進化させる≪統合≫の力~』(Googleドライブにて公開)

弘学の考えを最初に著した論文です。元々は両親や大学の担当教員の理解を得るために書いたもので、弘学の道を進むという決意表明と言った方が良いかもしれません。弘学や無門の概念や意義、弘学者の役割を論じ、弘学教育の提案をしています。

要約版『弘学の提案』(Googleドライブにて公開)

弘学・無門の構想をA4・2ページに要約したものです。A4用紙の表・裏に印刷すれば、弘学の広報用のちらしとしても使えます。

物理学研究論文『負物質の実在と正負根子モデル』(Googleドライブにて公開)

この論文は、暗黒エネルギーと暗黒物質の正体は負の質量を持つ物質『負物質』の万有斥力の効果であるとする仮説を提唱すると共に、素粒子の内部構造として正・負の存在質量を有する2種類の粒子を仮定する理論『正負根子モデル』によって量子論的・相対論的現象と物質の重力・運動を統一的に説明することを目指したものです。当初は書籍として自費出版しましたが、広く読んでもらえるように絶版させた上でネット公開しました。

物理学論文補遺『補遺A・B 選択論と正負宇宙の誕生・組成・進化』(Googleドライブにて公開)

先の物理学研究論文の補遺です。確率論と決定論が合わさった選択論の世界では因果の連鎖は分岐し、その中で自由意志も存在できるという考えや、宇宙は無から正・負の存在質量が連鎖生成することで誕生したとする仮説、正負物質の相互作用によってエネルギーが正・負に新生・増大するとすれば宇宙は終焉を迎えず進化し続ける可能性があるという仮説を提示しています。

※ 他にも『お絵描き(理論の描像の共有)』『数合わせ(理論の定式化の共有)』と題してTwitterで研究内容を公開しています。Twitterアカウントのメディア欄から辿って頂ければ参照できます。

連続ツイート『21世紀の科学革命のアイデア』シリーズ(全8回)
自然科学を中心に各分野の科学革命のアイデアを論じたものです。前置きから始まって、物理学編、天文学編、化学編、地球科学編、生物学編、脳科学編(前編・後編)、科学・学問総集編、弘学革命創始編の全8編をTwitterにて公開しています。
各編は以下の紹介ツイートから参照できます。ウェブサイトにも全文を転載しています。

前置き

第1回 物理学編

第2回 天文学編

第3回 化学編

第4回 地球科学編

第5回 生物学編

第6回 脳科学編(前編)

第6回 脳科学編(後編)

第7回 科学・学問総集編

第8回 弘学革命創始編

連続ツイート『アウトサイダー・サイエンスについて』
『アウトサイダー・サイエンス』、すなわち、学校や大学で教育を受けていない、受けられない人々にも『学問する』という選択肢を示そうという試みを呼び掛けたものです。
以下の紹介ツイートから参照できます。ウェブサイトにも転載しています。

最新の研究内容や学問論などは上述のTwitterアカウント(@gugakuken)でも随時発信しています。また、上述のウェブサイト『弘学と科学の間』にも発信内容をまとめています。今後はこのnoteアカウントでも発信していく予定です。ご興味があれば、フォローしてみてください。

5.弘学革命の目標

異分野統合による科学革命『弘学革命』の目標を示します。
(詳しくは連続ツイート『21世紀の科学革命のアイデア』の第8回 弘学革命創始編をご一読ください。)

『弘学革命』の意義を考えてみます。
21世紀に私たちが実現すべき科学革命は異分野協力によって実現します。この異分野協力を推進するのが分野を越える弘学者の役割です。ゆえにこれは『弘学革命』となります。人類初の同時多発的な科学革命です。
弘学革命は平和的革命です。今の世界も特に日本も希望がない、希望が見えないことが最も根本にある問題です。そこで、まず学問の世界から協力・共生の可能性を示し、希望を共有することが目標です。これが普遍を探究し未知へ挑戦する学問の役割であり、ゆえにこれを『弘学革命』と呼びます。
学問の世界における分野を越えた共創の実践、そしてそこから得られる学問的成果は、人々の希望となり、共創の取り組みは社会全体に拡がっていくでしょう。そして、全ての個人が協力して未来を創る指針となり、全人類の幸福と世界の平和の実現へと繋がるでしょう。『弘学革命』の意義はここにあります。

『弘学革命の6本の柱』を以下に示します。

弘学革命の6本の柱(括弧内はMarton CUDOSより、四番目は新たに追加)
①万人の科学:インターネット上で科学する(⇔公有主義)
②アウトサイダー・サイエンス:大学の外で学問する(⇔普遍主義)
③平和共創イニシアチブ:まず自らが競争から共創へと転換する(⇔利害超越)
④無門も含む個性教育:専門を持たない学びの選択肢も示す(新しく追加)
⑤葛藤的弘学:異分野の知が創造的葛藤を可能とする(⇔系統的懐疑主義)
⑥パラダイム・クロス:次の科学革命は異分野統合で実現する(⇔独自性)

第一の柱、『万人の科学』とは『科学は人類の共同事業であり、全ての人が自由・平等に科学に参加・関与でき、科学の過程と結果を共有でき、科学の成果から恩恵を享受できる』とするものです。この『万人の科学』を実現する場としてインターネットやSNSがあり、世界中と多対多・双方向で今を共有できる特性を活かして、研究を「結果」だけでなく『過程』の段階から公開・共有します。
第二の柱、『アウトサイダー・サイエンス(サイエンス・ブリュット)』とは『科学や学問に関する教育を受けていない者による科学研究・学問探究の活動』です。『アウトサイダー・サイエンス』は、学校や大学で教育を受けていない(受けられない)人々、不登校やひきこもり、障害者、経済的・社会的弱者が大学の外で学問の自由を得て、科学や学問の新たな可能性を開く試みです。
第三の柱、『平和共創イニシアチブ』とは『世界平和に向けて、国家よりもまず個人が他者と信頼関係を築くため、まず自らが他者への協力的な行動を実践するという試みを、まず学問の場で共創として実現しようとする運動』です。『平和共創イニシアチブ』は、学問を探究する者がまず競争をやめて他者と協力し、共創の実現によって希望を示して世界の平和を実現することを目指します。
第四の柱、『無門も含む個性教育』とは『学ぶ者の個性に合わせた教育「個性教育」を実現するため、学ぶ者の意欲と能力に合わせて学びの目標・内容・方法を選択できるようにし、その際、専門を持たない「無門」も選択可能とする』ものです。『無門も含む個性教育』は、一律の学習指導要領による教育を改め、多様な個性を尊重する教育を実現して、その中で弘学者や無門家も育てます。
第五の柱、『葛藤的弘学』とは『異分野の知を併せ持つ弘学者・無門家による内面での主体的な葛藤が、創造的な問題の発見・認識や判断・解決を可能とする』というものです。『葛藤的弘学』は、現実の問題が専門家の想定を超えて異分野と関係し合う状況を考慮し、広い知識と視野、バランス感覚を持つ弘学者・無門家が分野を越える問題に主体的に対処する役割を担うことを提案します。
第六の柱、『パラダイム・クロス』とは『21世紀の科学革命は異分野のパラダイムが交わる異分野統合によって実現する』というものです。『パラダイム・クロス』は、学問の細分化、科学文化と人文文化の断絶、基礎科学の停滞の状況を打開するために、知の統合に特化した弘学者の力を借りて、学問の各分野のパラダイムの間の矛盾を解消し、末節の融合を超えて本質から統合する試みです。

以上の『弘学革命の6本の柱』の実践と実現が弘学革命の目標の一つです。

note記事 自己紹介 図1 弘学革命の6本の柱 公開用 2020年12月24日

弘学者の可能性を示します。

弘学者の可能性は『結ぶ』ことにあります。弘学者はあらゆるものを結び合わせる『関係性』を志向し、弘学革命の実現によって学問と社会、人類の統合を目指します。
弘学者という『人』が大事です。弘学を実践しようとする『人』がいて、初めて21世紀の学問の統合が始まります。『人』にこそ『結ぶ』力があり、そこから始まるのです。
弘学者の『結ぶ』力を活かす道は、『場』を作り、まとめることと、『ネットワーク』を築き、担うことことです。前者が『弘学チームワーク』であり、後者が『弘学ネットワーク』です。

note記事 自己紹介 図2 弘学チームワークと弘学ネットワーク 公開用 2020年12月24日

『弘学チームワーク』は、弘学者・無門家が異分野の科学者・専門家たちと参加する場を作り、まとめることで、分野を越えた協力を実現します。
『弘学ネットワーク』は、弘学者・無門家が広く科学者・専門家集団に所属し、他の弘学者・無門家と交流することで、異分野を繋ぐネットワークを築き、担います。

弘学者の役割を六つ示します。

弘学者の役割
一、異分野の科学者を結ぶ(→パラダイム・クロス)
二、科学者と市民を結ぶ(→万人の科学)
三、大学と社会を結ぶ(→無門も含む個性教育)
四、学問と個人を結ぶ(→アウトサイダー・サイエンス)
五、人と人とを結ぶ(→平和共創イニシアチブ)
六、心と心を結ぶ(→葛藤的弘学)

弘学者・無門家は現代の学問が抱える問題を解決すると共に、分断した社会を統合する役割を担うことができます。

この21世紀に異分野統合による科学革命『弘学革命』を実現することで、学問の世界から人々に希望を示すことが私の目標です。
この弘学革命を和の精神の伝統を有する日本から発信したいと考えています。

6.これからやりたいこと

これからやりたいことを書きます。

まず、私個人としての独創の実践です。弘学者としてさらに広く学ぶことが今後の目標です。特にまだ学んでいない分野を学んでいこうと考えています。各学問分野の本質を考察し、科学革命のアイデアを追究していきます。同時に今後は各学問分野のパラダイムの連環を明らかにすることにも力を注いでいこうと思っています。これらの研究の結果はもちろん、過程もできる限り公開・共有していく方針です。また、これまでに探究と実践を重ねてきた思考法や研究哲学、学問論も随時提示していく予定です。今後も研究や学問の方法論を広く学び、引き出しを多くして、学問の道を志す人に選択肢を示したり、その人に合った方法をアドバイスできるようにしたいです。

次に、他者との共創の実践です。例えば、物理学の分野では20世紀の前半に量子力学が建設される際、何人もの物理学者がアイデアや実験結果を持ち寄って議論しました。21世紀の科学革命の理論の完成と検証も私一人では実現できません。全分野の専門科学者の協力が必要です。また、分野が多様に存在するということは分野の間の関係性も多様に存在するということです。それらの多様な分野や分野間の関係性の全てを一人でカバーできる弘学者や無門家は存在し得ないでしょう。したがって、学問の異分野統合や社会の課題解決には弘学者や無門家ももっと多く必要であり、これらの多様性も求められます。合わせて、弘学革命の実現に向けて、既成概念に囚われず純粋な眼と柔軟な頭と自由で開かれた心を持つ若い研究者や学生・院生、伝統的な科学教育に染まらず大胆に発想できて新しい学問のスタイルに挑戦できるアウトサイダー・サイエンティストの参加も期待しています。インターネットやSNS上で既存の大学の組織や制度や慣習や前例に囚われない自由で革新的な形で互いの所属や職位や世代や分野を越えた平等で対等な立場で繋がり学び合い教え合い協力して研究に取り組み切磋琢磨して学問を探究する学派『無門大学』の構想もあり、そこで私も自身の研究内容や弘学の学問論を共有することを通じて弘学教育や創造性を育てる教育を実践したいと考えています。

最後に、今後の展望と課題です。物理学では素粒子の内部構造を探究する正負根子モデルによって「万物の理論」の完成が叶うかもしれません。正負根子を使って新たにどのような科学技術が生まれるかはまだ全く分かりませんが、私たちの心の根源は無であるという洞察は私たちの世界観や人間観を大きく変えるものです。天文学では正・負の質量を持つ物質が実在するならばエネルギーも正・負に新生・創造できるかもしれず、人類はエネルギー問題を根本的に解決できる可能性があります。宇宙に生まれた私たちが神の如く万物を創造し宇宙の未来を選択する重大な役割を有していることを意味するのかもしれません。化学では物質系が示す創発現象を理解することで生命や意識の謎も解明できるでしょう。物質系を扱う技術の確立によって人工生命や人工意識を創造できるようになると、人工知能(AI)に肉体を持たせるなど新たな産業革命の可能性が開けると同時に、心の創造という神の御業はかつてない倫理的問題も生じます。地球科学では生命誕生の難問に挑戦する過程で環境問題の解決の糸口が得られるかもしれません。生物学では利他の概念が生命進化と生態系の新しい見方を示すと共にデザイナー・ベビーも含む倫理的問題に方向性をもたらすことが期待されます。脳科学では意識は脳からどのように生まれるかという心脳問題の解決に向けてまだまだやるべきことがありますが、それを通して人間の脳が持つ創造性の秘密にも迫りたいと考えています。「技術的特異点」の前にやってくると予想される『倫理的特異点』は科学技術の進歩によって各個人が全人類を滅ぼすほどの強大な力を手に入れても誰一人として全人類の破滅を選択しない倫理的な心を持てるかという問題であり、これを解決する方法は私にもまだ分かりません。しかし、自然科学の各分野の科学革命から始まり、それらを基礎として人文学や社会科学にも弘学革命の運動が展開していくことを目指しています。その過程で私たち人類の存在意義も自問することになるでしょう。心の時代と言われる21世紀に学問を探究する人々と力を合わせて全人類の未来を明るく照らす希望の灯火を高く掲げたいです。

結び 弘学革命を創めよう

長文となりましたが、ここまでお読み頂き、誠にありがとうございます。
結びの言葉として、私 弘学研からのメッセージです。

弘学で科学革命を実現しよう
弘学したい人は無門大学に集まろう
弘学革命で学問から全人類に希望を示そう

さあ、弘学革命を創めよう!

note記事 自己紹介 図3 弘学革命を共に創めよう 公開用 2020年12月24日