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ありがとうを伝えるために、1冊の本をつくりました

4/1より休業している暮らしを紡ぐ宿えのん。

コロナの影響を受けている他の宿のみなさんも、未来の宿泊券やオンライン宿泊やオンラインストアなど色々な取り組みをされていてすごいなぁと日々勉強させてもらっています。

そんな中、うちの宿でも何かできないかなともやもや考えていましたが、やっぱりえのんらしく、これまでのご縁に感謝し、ありがとうを伝えるために何かしたいと思いました。

そうして思いついたのが、これまでのご縁を1冊の本として目に見える形で残すことでした。

まず今回は、開業した2019年(1月-12月)のことをまとめました。

・開業までにDIYお手伝いしていただいたみなさん
・クラウドファンディングで支援してくれたみなさん
・遊びに泊まりに来てくれたみなさん
・イベントでお世話になったみなさん
・飲みに来てくれたみなさん
・取材していただいたみなさん

あらためて振り返ると、こんなにもたくさんの方とご縁ができました。
感動で枕を濡らした日々を思い出しました。

これまであまり表には出してこなかった部分も含め、「暮らし」を中心にしたえのんの想いから、これから目指していきたいところまで書いてみています。

今のところ冊子として販売したりする予定はありませんが、みなさんにありがとうの気持ちを込めて冊子データを公開します。

pdfだと見づらい方は、下記noteでも同じ内容をご覧いただけます。

「縁が繋がり、恩が循環する」

2020年も残り半年。まだまだ先はどうなるかわかりませんが、わたしたちらしく等身大で暮らしていきたいと思います◎

「縁が繋がり、恩が循環する」
暮らしを紡ぐ宿えのん ANNUAL REPORT  2019

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■はじめに
この土地を選べたこと、わたしたちはとても嬉しく、そして奇跡のことのように思っています。毎日外を一歩歩くたび、この町が好きになります。えのんへの路地を夜歩くたび、そこから見える星空にうっとりします。なんでこんなにこの町は気持ちがいいんだろう。

「阿武町って何があるの?」

移住を決めた当初は、何も知らず何となくで答えてしまっていましたが、今は紹介できるところが増えました。

それはありきたりな観光スポットではなく、「この海の砂利の音」とか、「この路地をくぐり抜ける瞬間」とか、それは写真では伝わらない、この音と、気持ちのいい匂いと、すれ違う町の人と交わす挨拶と、ここに暮らさなければわからなかったことばかり。

そんなまちに自分たちの拠点ができる。こんな幸せはないなと思います。どうかここが、訪れる方のもう一つのふるさとみたいになれたらな。気持ちがよくて、優しく時間が流れるまちです。

この家の玄関の戸と縁側の窓を開け放った時の気持ちのいい風。こんなふうに優しく、私たちの想いが届いていきますようにと願うばかりです。

どうかこれからも、えのんを一緒に育てていっていただけたら嬉しいです。

はじめに

VISION|えのんの目指すもの

わたしたちは、偶然の様な奇跡の様なそんなご縁の積み重ねにたくさん救われてここまできました。

だからこれまでつないでもらった縁の恩返しをしたい、そしてこれからも新しい縁を繋いでいきたい。

そんな場所に育つようにこの名前をつけました。

「縁+恩=EN+ON=ENON=えのん」

これまでの出逢いに感謝し、これからの出逢いに期待して。

■コンセプト

コンセプト

・コンセプト「縁が繋がり、恩が循環する」
・キャッチコピー
「おかえり、かんぱい、ありがとう」

■大切にしたい10の価値観

01|SMALL / SLOW
×もっと速く、遠くへ、大きく、効率よく、たくさんが豊か
○ゆっくり、手の届く範囲、小さく、手間をかけ、少なくが豊か

02|RECYCLE / REUSE
×不要・壊れたらすぐゴミとして捨てる
○あらゆるものを無駄にせず、再利用の価値を見出す

03|COMMUNITY / FAMILY
×家族・友人との時間を犠牲にして働いた先に幸せがある
○家族・友人との時間を最も大切にする。幸せはすでにあるもの

04|SHARE / GIVE
×競争でひとりが勝ち、稼いだお金で買う
○縁を繋ぎ、共生してみんなで分け合う

05|CREATE / DESIGN
×欲しいものは買えば済む
○必要なものは自らの手で創り出す

06|SUSTAINABLE / CIRCULATION
×資源を消費し尽くし、地球を破壊する
○循環させ、未来の世代へ繋ぐ

07|DIVERSITY / OPEN
×壁をつくり、分け隔てて管理する
○開かれた心で多様性を受け入れ、すべての生を豊かにする

08|ENERGY / OFF-GRID
×サービスに依存し、有事にも対応できない
○自分でエネルギーを獲得する、蓄える

09|FOOD / CULTIVATE
×誰がどう作っているか知らず、遠くから運ばれたものを買う
○土に触れ、旬のものを顔の見える生産者から買う

10|FLEXIBLE / CHALLENGE
×成功しか認めず、偏った方法・考え方しかできない
○失敗から学び、常に価値観を更新し成長し続ける

PROJECT|えのんの活動について

おかえりの言葉に、人生が豊かに彩られる。
かんぱいをきっかけに、ご縁はどこまでも広がる。
ありがとうを合言葉に、暮らしはより楽しくなる。

「おかえり、かんぱい、ありがとう。」

えのんではキャッチコピーにちなんで、3つのプロジェクトに取り組んでいます。

お互いがお互いを思いやる、そんな豊かな未来を夢見て。

■3つのプロジェクト

3つのプロジェクト

○おかえりプロジェクト
「ありのままでいられる場所で、のんびり過ごし地域に触れ合う」

○かんぱいプロジェクト
「普段と異なる出会いから、人生の気づきを得る」

○ありがとうプロジェクト
「無理をせずいつも楽しく、お互いに助け合う暮らし」

■PROJECT 01| おかえりプロジェクト
「ありのままでいられる場所で、のんびり過ごし地域に触れ合う」

いつでも帰ってこられる、誰でもありのままの自分でいられる居場所。のんびり時間をを過ごし、まちのファンになる。

おかえりの言葉に、人生が豊かに彩られる。

おかえりプロジェクト

○GUESTHOUSE ENON|ゲストハウスえのん
港町の風情の残る路地裏で、いつでも「おかえり」と迎え、誰でもありのままの自分でいられるえのんの拠点です

○ABU PICNIC|あぶのまち歩き
「“余計なものが” 何もない」とでも表現すべき、圧倒的な風景の美しさと暮らしの中を、のんびりとご案内します。

○GEO PROGRAM|ジオ体験プログラム (※地元事業者と連携)
町全体がジオパークにも認定されている雄大な自然が織りなす景観と、その地形が生み出す新鮮で豊富な食材の数々を体験できます。

■PROJECT 02| かんぱいプロジェクト
「普段と異なる出会いから、人生の気づきを得る」

みんなで同じ時間・空間を共有し、色々な人と一緒に笑い合う。多様な価値観との出会いが、人生の気付きになる。

かんぱいをきっかけに、ご縁はどこまでも広がる。

かんぱいプロジェクト

○BAR ENON|バーえのん
地元のお酒も取り揃えたバーカウンターでは、宿泊のお客さんだけでなく、地元の方とも「かんぱい」を通してご縁が広がります。

○POT LUCK|みんなでシェアご飯
みんなで同じものを食べながら、一緒に食卓を囲んで笑い合う。暮らしの中心にはいつも「食」があります。

○EVENT ENON|イベント
イベントを通しての、アーティストや地元の人など普段関わらない人との出会いは、きっと何か人生のヒントが詰まっています。

■PROJECT 03| ありがとうプロジェクト
「無理をせずいつも楽しく、お互いに助け合う暮らし」

自分のできること・使えるものはシェアし合う。みんなでできることを増やすために、何でも一緒にやってみる。

ありがとうを合言葉に、暮らしはより楽しくなる。

ありがとうプロジェクト

○EDIBLE GARDEN|食べられる庭
生きることは、食べること。自分が食べるものがどうやって作られて、どうやって成長するのか。自然や農家さんへの感謝を込めて。

○WORKSHOP|なんでも手作り体験
昔ながらの知恵をみんなで教わり、自分ができることを増やします。教えられるものがあるときは、誰だって誰かの先生になれます。

○SHARE ENON|えのんでシェア
使えるものはどんどんシェアします。例えば古本をシェアすれば、あっという間に阿武町にはない本屋さんだってできるはず。

COLUMN1|コラム1

■1人目の奇跡

コラム1

本オープンの宿泊第1号のお客さんとして遊びに来てくれたゆうちゃんは、イベントで出会って以来会うのはこの時が実は2度目。でも全然そんな気がしなくて、車でドライブしたり、一緒に海に飛び込んだり、いろいろな人を紹介したり。のんびりと阿武や萩の時間を楽しんでくれました。

夜は宿泊のお客さんだけでなく、地元の漁師さんもうちのバーに飲みに来てくださってみんなでわいわい。ちょうどその漁師さんの誕生日で、みんなでお祝いしたり乾杯したりと賑やかな日になりました。

そんな中、いつのまにゆうちゃんと漁師さんがなにやら仲良くなっており、

「僕、漁にちょっと興味あって、船乗ってみたいんですよね~」

「そうか!じゃあ明後日船出すけど来るか?朝5時に港集合だぞ!」

「本当ですか!行きます!!」

なんとバーでのたまたまの出会いから、本当に漁に出かけて行ったのでした。そして帰ってきたと思ったら、しっかりとその手にはお土産のハマチを携えていました(笑)

宿に泊まる人だけでなく、地元の人も遊びに来てくれて、さらに両者の出会いがある場所になったらいいなあ。そんな想いで、ゲストハウスにバーを併設したわたしたち。

その理想そのものみたいな光景を宿泊第1号から見せてくれて、わたしたちも本当に嬉しくて。

たぶん、えのんがなかったら紡がれなかったご縁。きっと、これからもたまに思い出す素敵な出来事。

「宿をはじめてよかったな。」

心からそう感じ、とても幸せな気持ちになりました。

そしてゆうちゃんは次の目的地に向けて、なんとヒッチハイクで出かけて行きました。また新たなご縁をつぎつぎと紡ぎながら。すごい人です。

「観光地を見に行く旅行ではなく、人に会いに行く旅をしよう。」

ご縁を紡ぐ旅というカタチを教えてくれたゆうちゃん、本当にありがとう。
またいつでも遊びに来てね

ARCHIEVES|2019活動ハイライト

激動の1年でしたが、「縁が繋がり、恩が循環する。」のもとに、たくさんの出会いと感謝の輪が広がりました。

その数なんと、約800人。

少ないと思われるかもしれませんが、ここが人口3000人の小さい町であることを考えると本当にすごいことです。

その中から5つをピックアップして振り返ってみます。

すべての出会いと再会に、心からのありがとうを込めて。

■主要な数字

主要な数字

・ご縁がつながった方:約800人
・DIYお手伝い:110人
・クラウドファンディング支援:129人
・ゲストハウス宿泊:73人
・バー来店:250人以上
・イベント集客:200人以上

■2019年のハイライト

ハイライト

○準備・営業
・1月1日:りゅう移住
・2月15日:初めて友人来る
・4月28日:千穂移住
・6月1日:バープレオープン
・7月31日:クラウドファンディング達成
・8月10日:宿プレオープン
・9月14日:えのん本オープン
○イベント
・1月20日:オープンDIY開始
・3月26日〜:千穂マスヤ修行
・5月18ー19日:あぶのべっぴん市(2019春)
・8月11日:OPENING LIVE
・10月5日:あぶのべっぴん市(2019秋)
・11月11日:和気優Live tour
・12月6日:こどもらぼワークショップ
・12月24−25日:クリスマス市

■PICK UP 01| オープンDIY

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「人がたくさん来てくれる場所をつくるなら、たくさんの人でつくったほうがきっといいものになる」という想いですべての作業をオープンにし、お手伝いしてくださった方は延べ110人にものぼりました。

手を入れるごとに、家がふっと命を吹き返すような感覚になることがあります。素人仕事でやっているので、多少不格好なところもあります。ペンキが養生をはみ出したり、漆喰がうまく塗れていなかったり。柱が曲がったり、下地の板にちょっとの隙間ができたり。少し床板に段差ができていたり、それを手仕事でなんとかしたり。

でも、なんだかそれがすごくいい。

一つ一つ、ここは誰々がやってくれたところだと、見るたびその人のことを思い出します。ここをやった時、こんな気持ちだったなあ、こんな話をしたなあと思い出します。そしてここにどんな人が足を踏み入れてくれるんだろうと思います。

部屋が出来上がる度にそこに愛着が湧いて、わたしたちはいつしかこの家が大好きになっていました。恩を返すために始めたつもりが、ここでもまた助けられてばかりでした。

■PICK UP 02| クラウドファンディング

クラファン

「顔が見える繋がりを紡ぐ、新しい関係性づくりのかたち」だととらえて挑戦したクラウドファンディング。はじめは「こんな金額、本当に集まるのだろうか」と不安もありました。そして何より、今までの自分たちとこれからの自分たちのやろうとしていることが試されているようなそんな感覚すらありました。

それでもプロジェクト開始から毎日、少しずつ少しずつ増える支援の数。金額や動機にかかわらず、本当にお一人お一人へ感謝の気持ちでいっぱいの毎日でした。最終的には129人もの方とご縁をいただくことができました。とてもたくさんの方に応援いただけたこと、あらためてこの場を借りて御礼申し上げます。

また今回は「ローカルクリエイター交流会-Guesthouse Caravan-」の一環として、『ゲストハウスガイド100』で知られるダリさん&Motion Galleryモコさんのご協力をいただき実現いたしました。

そして東京で圧倒的にお世話になっているハンドメイドブランド「HI-CONDITION」長田さんにリターン製作を協力いただきました。

さらに、移住ドラフト繋がりで出会った保村さんがコンセプトムービーを作ってくださいました。本当にありがとうございました!

■PICK UP 03| ゲストハウス

ゲストハウス

久しぶりの友人から、ふらっとひとり旅の方、家族やグループで来てくれる方まで、ご縁が繋がったたくさんの方が遊びに来てくれました。

わたしたちがゲストハウスをやりたいのは、その偶然の出会いに救われたという経験があるからです。普段なら絶対に出会わない人と出会える宿。それがゲストハウスの魅力です。

みんなで海に行って、帰ってきてゆっくりご飯を作って、お酒を飲みながら話して、唄を歌って、お皿を洗って、お風呂に入って、虫の声を聞きながら蚊帳の中で寝る。

魚をさばいたことがないという方には、一緒に買い出しに行ってから三枚おろしに挑戦してもらうことも。みんなで食べる新鮮な海の幸は格別です。

そうして帰る頃には、どなたも口を揃えて「いいところだね」と言ってくださいます。

そんな風に当たり前の暮らしを大切に紡ぐこと。非日常ではなく、もうひとつの異なる日常を過ごす中で、季節を感じながら、手間をかけ時間をかけただみんなとのんびりする暮らし。人とご縁で繋がって、ありのままの自分でいられる居場所。

忙しく観光地巡りに追われる”旅行”ではなく、のんびりと人の暮らしに出会いに行く”旅”へ。

「ずっとここにいたくなる」「こんなにたくさん寝たの久しぶり」「もう一泊すればよかった」。

そんな風に言ってもらえることが、わたしたちにとって最高の褒め言葉です。

■PICK UP 04| バーえのん

バー

バーえのんはもともと、『下請酒場BARフジヤマ』という別のバーでした。わたしたちよりも前に阿武町に移住した鍋倉さんという方が、今まさにえのんに生まれ変わった場所で始められました。

自分が時間もお金も費やしてきた物件を、わたしたちの想いに寄り添って引き継いでくれた鍋倉さん。その粋な計らいに感動し、わたしたちはこの物件に即決したのでした。

こんな風にすべてご縁とタイミングが重なった結果であり、縁もゆかりもないわたしたちが阿武町のこの物件にたどり着いたのです。

実際にバーを開けてみてからも、いつも帰りに一杯飲みに立ち寄ってくれる方、帰省ついでに同窓会を開く方、職場の飲み会をされる方まで、ここでもいろいろな出会いがありました。

冬におでんを食べに集まってくれた子どもたちの中には、ここをおでん屋だと思っていつも「おでん食べたい」と言ってくる微笑ましい勘違いまで。

当たり前みたいな、でも当たり前じゃない平凡で豊かな愛おしい毎日。

えのんがこの地に根付くことで身近な存在となり、気軽に地元の方と繋がれる場所に育っていくと嬉しいです。

■PICK UP 05| イベント
2019年はえのんで6回のイベントを開くことができました。そのほとんどが、みなさんにお声がけをいただいたところから始まりました。

たった1回わたしたち自身で企画したイベントでさえも、ご縁があった出店者さんのご協力がなかったらできないことでした。そして何よりも、来てくださった方のたくさんの笑顔のおかげでそれぞれ無事に終えることができました。

「ご縁を紡ぐ。」

結局いつだって、わたしたちがやってきたすべてのことはこの一言に尽きるのかもしれません。

○ENON  EVENT  01|あぶのべっぴん市(春・秋)

・日時:春)2019/5/18-19、秋)2019/10/5
・共催:奈古5(春秋とも)、福賀キッチン(春のみ)

べっぴん市

玄関側では奈古5(なごご)さんによる機織り体験、わたしたちは福賀キッチンに協力してもらっての初めてのバー出店をした、一日限りの町のお祭りの日。

「ここで昔おままごとをしていた」「このお庭はこうだった」といらした方の昔の思い出を聞けたり、イベントをきっかけに久しぶりに顔を合わせた人々がいたり、子どもたちが集まって「おいしい!」とおでんを食べたり。家がかつての面影を取り戻しつつ、たくさんの笑顔に囲まれて新しい場になっていくことができるのではと幸せな時間でした。

何よりも奈古5さんのものづくりをする手が本当に美しく、わたしたちのことを町のみんなに紹介してくれる場面もあり本当に温かい気持ちになりました。

○ENON  EVENT  02|赤須翔 & Man-bow  Special Live

・日時:2019/8/11
・演奏:赤須翔、Man-bow
・協力:山口移住計画

赤須さん

移住ドラフトつながりで出会ったミュージシャン赤須翔さんと、大好きな地元バンドMan-bowによるスペシャルライブ。赤須さんはなんと”えのんの歌“を作って披露してくれました。

「漁港を歩いていたら、初めましてのおばあちゃんに『今日は何曜日?あそこのお店はやってるんだったかいね?』と聞かれたけど僕にはわからないよ」みたいな歌詞があって。この町の人の優しさがよく表れていて、それを感じ取って歌に乗せてくれたこと、そんな風にこの町がみんなに愛されたら嬉しいなと胸がいっぱいでした。

普段とてもお世話になっている方たちもみんな集まって、わたしたちの大事なスタートを一緒に切ってくれたことが、本当に幸せで涙と笑いが溢れました。

○ENON  EVENT  03|和気優Live Tour2019「月の蛙」

・日時:2019/11/11
・演奏:和気優
・共催:みなと自動車

和気さん

農民ロッカー和気優さんによる、全国ライブツアーin阿武のこの日。ロックな見た目とは裏腹にとてもエンターテイナーで、みんなを巻き込んでの会場の雰囲気もとても楽しく心からみなさん喜んでいただけた素敵な時間でした。

人がたくさんでてんやわんやの私たちを見かねてみんなでおにぎりを握ったり、差し入れを持ってきてくれたり。いつも通り助けられながら、思いがけず豪華な交流会まで心温まる夜となりました。

「こういう顔の見えるゲストハウスがあるといいよね」「観光とかじゃなく、直接ご縁で繋がった人を大切にするだけでいいんじゃない」。会って間もないのに、私たちの想いをすくいあげるように言葉をかけてくれた和気さんとのご縁が何よりも嬉しかったです。

○ENON  EVENT  04|アドベントカレンダーを作ろう!

・日時:2019/12/6
・共催:こどもらぼ

こどもらぼ

クリスマスの楽しみな気持ちを共有したくて、町の子どもたちとアドベントカレンダーを作りました。

折り紙を使って袋を作って、中にお菓子を入れたりメッセージを書いたり。子どもたちひとりひとりの個性が出ていて、あっという間に時間は過ぎていきました。とても楽しんでくれたようで、作ってる時から「来年もやりたい!!」とキラキラの笑顔で言ってくれたことがとても嬉しくて。

その後まちでばったり会った時には、その子どもたちが駆け寄って声をかけてくれたり、わざわざお手紙を送ってくれたり。こちらから楽しみを届けるつもりが、むしろ一足早いクリスマスプレゼントをもらったような、とても温かい気持ちでした。子どもって本当に宝です。

○ENON  EVENT  05|えのんクリスマスマーケット

・日時:2019/12/24ー25
・演奏:Man-bow
・出店:ツムグお台所、としまんの木工屋、みなとまちのお菓子屋さん、無人駅をめぐる本屋、奈古5
・協力:久原さん

クリスマス

「クリスマスが好きだから」という気持ちひとつだけで動いたこのイベント。わたしたちが移住を決めてから出逢ったたくさんの人たちを出展者としてお招きして、とてもキラキラ温かくて優しい二日間でした。

まだ来たことはなかったけど来たいと思ってくれていた方、また今度は恋人を連れてこようと思いますと言ってくれた方、一人で勇気を出して来てくれた方。「ずーっと気持ちがほかほかしてます」という言葉もいただき、この空間を楽しんでもらえたんだなぁと思うととても温かい気持ちで胸がいっぱいでした。

お昼のゆったり流れた時間も、24日のライブも、25日のプレゼント交換会もその場にいた皆さんが作り出したとても温かい空気に終始包まれていました。

COLUMN2|コラム2

■おすそわけの輪

コラム2

この土地ではじめて迎えた夏はなかなかの暑さでした。

それでも地域の方々が差し入れてくださるスイカ、サザエ、あわび、きゅうり、ピーマン、いんげん、ナス、トマト、玉ねぎ、にんにくなど。本当にたくさんいただきました。

新鮮な食材を身体に取り入れていたからか、扇風機のみでも夏バテせず過ごすことができました。そしてもらいすぎて食べきれないので、またさらに周りの人に配り歩く日々。

この町へ暮らすようになって一番魅力的だと感じること、それは「暮らしている人の顔が見えること」です。

通りですれ違う人と挨拶を交わしたり、そのままふらっと道端で立ち話をしたり。塀の向こうから「中村さん、これ食べんかね?」と声がかかって間引いた大根をいただいたり、開け放した玄関から「みんなでBBQするんやったらどうぞ~」と畑で採れたばかりのキャベツをおすそ分けしてもらったり。

そして秋にはさつまいも、椎茸、柿、なし、ゆず、お米など。春にはたらの芽、うど、タケノコ、わかめ、びわ、スナップえんどう、新玉ねぎ、クレソン、梅など。たくさんの季節のおすそわけ地のものが我が家の食卓には並びました。

またそれだけではなく、なんと泊まってくれた方がダンボールに色々なものを詰めて、さらに御礼のお手紙を添えてわざわざ郵送してくださったこともありました。さらには別の旅行先からその土地の特産物を送ってくれた方もいました。親から仕送りが届いたようで、そのお心遣いがとても嬉しくて。

ここに暮らし始めてから、こうやってなんだか親や親戚のように思える心地よい距離感の人がどんどん増えていくような、そんな不思議なありがたい感覚になることが多くなりました。

「おすそわけ」という文化は、えのんがコンセプトとしている【恩が循環する】の部分をそのまま表したような、お金を介さない豊かなやりとりです。

わたしたちはゲストハウスがやりたいというより、こういう人との繋がりを大切にする暮らし、助け合う暮らしがしたくて、そして阿武町ならそれができるのではないかと思って移住したところがあります。

この町に暮らしていると、そういう温かい光景が当たり前のように毎日繰り返されていること、それだけで都会にはない豊かさを覚えます。

FUTURE|これから

まだまだやりたいことはたくさんあります。

おかえりと気持ちよく迎えるためのお散歩マップやレンタサイクル。
かんぱいが広がるフェスや映画鑑賞会。
ありがとうを伝える手紙屋さんや種と道具の図書館。

妄想は尽きません。

でも本当に大切なことは、「やりたくないことをやらない」ことかもしれません。
心の声に耳を澄ませて、普遍的な豊かさに気づける人でありたい。

ここは暮らしを紡ぐ宿です。

当たり前を当たり前と思わず、このかけがえのない暮らしを大切に続けていきます。

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APPENDIX|参考資料

えのんはまだまだ始まったばかり。
だけどお礼を言いたい人は他にもたくさんいます。

ここには、本編には載せられなかったありがとうを載せておきます。

最後まで読んでくれたあなたにも、精一杯のありがとうを。

まだ見ぬあなたには、いつかありがとうを言えると信じて。

■えのんの概要

概要

・事業名:暮らしを紡ぐ宿えのん
・事業種別:旅館業法(簡易宿所)、飲食店営業(一般食堂)
・代表者:中村龍太郎
・所在地:〒759-3622 山口県阿武郡阿武町奈古2691
・電話:050-3188-7112
・メール:abu.guesthouse.enon@gmail.com
・HP:abu-guesthouse-enon.com
・料金:女性専用ドミトリー¥3,700、男女混合ドミトリー¥3,500、個室¥6,000/1人~
・SNS:Facebook、Instagram

■メディア取材等

○山口放送 ニュースライブ「東京から移住 阿武町の活性化を」2019.8.9放送
わたしたちのゲストハウスについて、テレビ局が取材してくださいました。ゴールデンタイムのニュース番組の中で4分間の特集を組んでくださり、改修工事中の宿の様子やインタビュー形式でのやり取りなどを放送いただきました。
○山口新聞 「阿武のゲストハウス」2019.9.17発行
えのんのオープンについて、真っ先に記事にしていただきました。
○はぎ時事新聞 第526号「奈古にゲストハウス 「えのん」オープン」2019.9.20発行
ゲストハウスオープン直後に、町長と並んで玄関の前で撮影した写真とともに掲載いただきました。
○山口トライアングル 2019.10月号 「NEW OPEN/阿武・奈古にあるヒトの生活。異なる日常を実感する宿。」2019.9.28発売
山口県の若者にとって「山口観光情報バイブル」とも言われている雑誌に、1ページ特集を組んで掲載いただきました。記者さんが本当に良い方で、トライアングルさんはそれ以来欠かさずチェックしています。
○毎日新聞「ゲストハウス「えのん」経営 中村龍太郎さん(30)「ありえない出会い」作る場に/山口」2019.10.6発行
毎日新聞地方版にて、ゲストハウスオープンについてインタビュー記事を掲載いただきました。
○北浦うぇぶ 第287号「移住し任期中に開業!阿武町の地域おこし協力隊に注目!」2019.11.7発行
長門・萩・阿武町からなる「北浦地域」についての情報を集めたフリーペーパー内にて、ゲストハウス開業への想いなどを長文で掲載いただきました。全文がWEB上でご覧いただけます。

■クラファン支援者一覧(順不同)

道海 梨乃、辻村健太、北澤 幸絵、鬼塚 愛、澤田 みちる、伊藤 進一、美樹、こうすけ、Ai Furukawa、Nanako Kataoka、沙野香、Yugo Honda、たむ@京都移住計画、Yo Nakahara、大内亮、Ryoya、にょろ、Naru Tashiro、あーさん、阿部 篤、ヒデちゃん、一木望美、まさと、おにちゃん、まがら、本名 静菜、あい、WATARU ISHII、内田 真奈美、Hideaki Hayakawa、Kosuke  Fukada、水津 はるみ、湯浅 洋子、やすむろ ヨシヒサ、Koyuki Kiyonaga、和気 徹也、てんちゃん、Naoya Suzuki、Marie Fujibayashi、垰山桂子、うめちゃん、Fushino Yoshioka、梅田 萌子、Asahi Nabekura、aiko、てっちゃん、Masatoshi Fukui、ねね、たいきぱぱ、かえ、Hikari Nishikawa、Kahori Shibanuma、もなかみむら、Ayumi、小野 竜也、ysk、ふじもと ゆみ、あちゃこ、ito akiko、増田 盛男、Shohei Komatsu、大村卓央、ユウコ、おだ、たかこ、Shunta Toya、ごえもん、Beteru Yonekawa、澤野 友哉、内山 健太、長山達哉、Sungmun Ko、Toshimaen、KOTARO、Shuji Yasumura、いとら、金田 浩祐、海江田 健宏、いのとよ、だんごむしお、TatsuyaTsuka、オスイチロウ、Michio Yunoki、Tomohiro  Yoshida、藤村憲司、廣瀬 拓也、さっこ、無人駅をめぐる本屋、宮本 麻衣、Rie、y_yatsuzuka、やまちゃん、轟木 徳八、近藤翼、黒木真由、Yudai Sasaki、mako、Rie  adachi、高橋銀針、Yasutoshi Kami、カズキタ、高村 真、Ryo Ohshima、広野山田、キタモト、Aya Asai、Kenjiro Watanabe、Taro  Shimomura、星川 亮太郎、タケル、ナウなヤング、Naruko Nagasaki、きょん、やす、目良 篤哉、Kei Nomura

■DIYお手伝い一覧(順不同)

ふーちゃん、小野さん、うっちー、くろっきー、たかちゃん、宮武さん、石井達矢、シェンさんとご友人、高田さん、としまん、つじむー、横木さん、たまちゃん、ゆべし、井上さん、たいせい、がもと、ゆみ、くっしー、県庁の方、大戸さん、とみいくん、中野さんとお友達、とみーさん、矢次さん、ながいさん、ぞの、えみこ、りょうへいくん、せんとくん、ひろなり、かいさん、圭さん、ちづる、りさ、あきほ、かずくん、とーりん、ちゃんゆき、うえぽん、かなえさん、ちひろ、しんじ、すずちゃん、さんたさん、杉村さん、しほさん、しゅんた、ささぴょん、伊藤さん、下田さん、日本一周のみなみさん、ぐっさん、北倉さん、みなみさん

■イベントspecial thanks 

福賀キッチンさん、赤須翔さん、Man-bowさん、山口移住計画さん、和気優さん、みなと自動車さん、こどもらぼさん、ツムグお台所さん、としまんの木工屋さん、みなとまちのお菓子屋さん、無人駅をめぐる本屋さん、奈古5さん、久原久美子さん

■著者プロフィール

○中村 龍太郎(りゅうたろう)
1989年栃木県宇都宮市生まれ。
東京都内でインテリアデザインの仕事をしたのち、2019年より山口県阿武町地域おこし協力隊着任。
仕事のしすぎでの失恋を機にそれまでの働き方や生き方に疑問を感じ始める。傷心旅行で初めて訪れたゲストハウスにて、仕事・肩書・年齢・性別などを越えて人々が繋がる光景を見て救われる。その時の出会いをきっかけに千穂とも出会ったことから、自分もゲストハウスをやりたいと考えるようになる。
これまでの縁に感謝し、自分が救われた恩を返せる居場所を作るべく奮闘中。
○中村 千穂(ちほ)
1992年北海道札幌市生まれ。
大学卒業までを札幌の実家で過ごしぬくぬくと育つが、就職で東京に出てきて自分が井の中の蛙だったことに気づく。
もっと色んな世界を見たいと思っていた頃に出逢った、高円寺のcafe&bar Smile Earthで様々な出逢いと経験を経て愛を知る。
そして龍太郎と結婚。

■本の概要

「縁が繋がり、恩が循環する」
暮らしを紡ぐ宿えのん ANNUAL REPORT  2019
2020年6月18日発行

・執筆:中村龍太郎、中村千穂
・編集:中村龍太郎
・デザイン:中村龍太郎
・イラスト:中村千穂
・題字:中村千穂
・発行者:中村龍太郎
・発行所:暮らしを紡ぐ宿えのん
〒759-3622 山口県阿武郡阿武町奈古2691

ありがとうございました


最後までご覧いただきありがとうございました。
冊子データを再度掲載しておきます。


よろしければサポートいただけると嬉しいです。いただいたサポートは、大切な人のために大切に使わせていただきます。