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妻に宛てた読書感想文、または交換日記のようなもの

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妻が2020年3月〜4月の毎週土曜日に、山口新聞朝刊にて全8回で連載したコラムに対して、夫から感想を綴ることで「暮らし」の幸せについて考えたこと。
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記事一覧

04|そこに正解はない、という優しさ

この文章は、妻が週1回地方新聞で連載しているコラムに対して、夫であるわたしが感想を書くというものです。 それも妻に見つからないよう、隙間を縫ってこっそりと、愛を込めて。 今回のテーマは「優しさ」。 縁側という空間まずは例のごとく、新聞に連載された妻のコラム第四回目の文章をそのまま掲載します。 「縁側のある暮らし」  「なぜそんな都会から阿武町へ?」と、よく移住の理由やきっかけを聞かれます。ありがたいことに、一言には答えられないほど幾重にもご縁が紡がれてここにたどり着いた

03|時間を盗まれないために

この文章は、妻が週1回地方新聞で連載しているコラムに対して、夫であるわたしが感想を書くというものです。 それも妻に見つからないよう、隙間を縫ってこっそりと、愛を込めて。 今回のテーマは「時間」。 「時間」というものについてまずは例のごとく、新聞に連載された妻のコラム第三回目の文章をそのまま掲載します。 「時計のない暮らし」 私たちの営むこの宿には、あえて時計を置いていません。でも、なんとなくの時間の感覚を持つことができます。というのも、町のチャイムが1日4回決まった

02|「ただ同じ場所にいる」ことのかけがえのない価値

この文章は、妻が週1回地方新聞で連載しているコラムに対して、夫であるわたしが感想を書くというものです。それも妻に見つからないよう、隙間を縫ってこっそりと、愛を込めて。 今回のテーマは「家族だんらん」。 家族だんらんの豊かさまずは例のごとく、新聞に連載された妻のコラム第二回目の文章をそのまま掲載します。 「家族だんらん」 私は今、小さな宿のおかみとして暮らしていますが、そんな日々の中に好きな時間があります。それはみんなでちゃぶ台を囲んでご飯を食べている時間です。普段は

01|「幸せ」はなるものではなく、気付くもの

この文章は、妻が週1回地方新聞で連載しているコラムに対して、夫であるわたしが感想を書くというものです。それも妻に見つからないよう、隙間を縫ってこっそりと、愛を込めて。 今回のテーマは「幸せとは何か?」 妻から見た「幸せ」というものについてまずは新聞に連載された妻のコラム第一回目の文章をそのまま掲載します。 「幸せは気付くもの」 「~だったらいいのに」。そんなことを、最近は言わなくなった気がします。昨年の春に東京での生活を離れ、阿武町に移住してあっという間の1年間。流

00|妻に宛てた読書感想文、または交換日記のようなもの

山口県阿武町という人口3300人に満たない小さな町に移住して、早1年が過ぎました。 その間にゲストハウスを開業し、運営し、妻が妊娠し、この5月に出産を控える中での今回の騒動。 日々心配事や悩みは尽きませんが、コンビニもないこの町での暮らしは都会にいた時とは違う「豊かさ」を教えてくれることが多いです。 妻が新聞で連載することになりましたこの町には若者がとても少ないので、若い夫婦が移住してきたというだけでニュースとなり、ありがたいことにこれまで何度か取材の機会をいただくことが