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ノルディックカール:膝を守りたいアスリートのための究極のエクササイズ

はじめに

僕のパーソナルジム「Quest」には前十字靭帯や後十字靭帯の再建手術後、競技に復帰したアスリートや、膝の故障やハムストリングの肉離れなどを防止したいアスリートやスポーツ愛好家の方がたくさんいらっしゃいます。

そんな膝の負荷が大きいスポーツや、膝の怪我から復帰を目指すアスリートにとって、ハムストリングスの強化は非常に重要です。

ハムストリングの強化のための多くのエクササイズがある中でも「ノルディックカール」は、そのようなアスリートにとって効果的なエクササイズであり、またその独自の方法により他にはない効果があるものです。

このnoteではノルディックカールの効果や具体的な方法、実際の成功事例について詳しく解説します。

ノルディックカールとは?

1 定義

ノルディックカール(Nordic Hamstring Curl)は、主にハムストリングスをターゲットにしたエクササイズで、膝の安定性と筋力を向上させることを目的としています。
どのような動作のエクササイズかはまずこの動画をご覧ください。

2.効果と目的

上の動画を見ていただければ分かるように、ノルディックカールは股関節の伸展位を保ったまま膝関節の屈曲を行います。

これはシートに座って行う「レッグカール マシン」でのエクササイズでは得られない筋収縮の方法です。

ハムストリングは以下の4つの筋肉で構成されています。
1.大腿二頭筋 短頭
2.大腿二頭筋 長頭
3.半腱様筋
4.半膜様筋
このうち大腿二頭筋 短頭を除く3つの筋肉は股関節と膝関節を跨ぐ二関節筋です。

つまりハムストリングが完全収縮する関節の動きは「股関節伸展位での膝関節の屈曲」(もしくは膝関節屈曲位での股関節伸展)です。

シートに座って行う「レッグカール マシン」でのエクササイズは股関節屈曲位での膝関節屈曲に限られています。
ですからハムストリングの筋力発揮は膝関節屈曲のみに限定することができるため、ある程度の重量を扱うことができ、膝関節屈曲の筋力強化と筋肥大には効果的です。

しかし限定的な条件のもとで得た筋力は他の条件では弊害になることもあります。
例えばそれはハムストリングの筋膜断裂などの形で発生するかもしれません。

以上の考え方から股関節伸展位で行うノルディックカールが重要なのです。

ノルディックカールには、以下の効果があります。
これらの効果についても上記のハムストリングとノルディックカールの特性を踏まえた上で考えていただければ理解していただけると思います。

1.ハムストリングスの強化

ハムストリングスの筋力を大幅に向上させ、スポーツパフォーマンスを高めます。

2.膝の安定性の向上

ハムストリングスが強化されることで、膝関節の安定性が向上し、怪我の予防につながります。

3.リハビリ効果

膝の怪我からの復帰を目指すアスリートにとって、リハビリプロセスをサポート重要なエクササイズです。

4.パフォーマンス向上

スプリントやジャンプなど、ハムストリングを用い膝に負荷がかかる動作において、そのパフォーマンスが向上します。

3.ノルディックカールの具体的な方法

1 準備

・開始位置
膝を床につけ、足首を固定します。
パートナーが足首を押さえるか、重りや専用器具を使って固定します。

・姿勢
耳から膝関節までの側面の外部標識を一直線に保ち、股関節や脊柱を曲げずに上体を前傾させる準備をします。

2 動作

①エキセントリックフェーズ
ゆっくりと体を前方に倒します。
ハムストリングスが伸長性収縮され、強い負荷がかかります。
最後に手をついて体を支え、うつ伏せの状態になります。

②コンセントリックフェーズ
ハムストリングの筋力によって膝を曲げ元の位置に戻ります。
初心者の場合、ボトムの位置から手を使って押してスタートポジションに戻るか、コンセントリックフェーズを省略しても構いません。

4.ポイントと注意事項

1.姿勢の維持

胴体を真っ直ぐに保ち、腰を曲げないようにします。

2.ゆっくりとした動作

エキセントリックフェーズは特にゆっくりと行い、ハムストリングスに最大の負荷をかけるようにします。

3適切なサポート

足首をしっかりと固定し、強度が高すぎる場合はバンドを使うか、後述する専用マシンなどで傾斜角度を変えて、強度を下げて行います。

5. ノルディックカールの効果的な活用法

1 トレーニングプログラムに組み込む

ノルディックカールは、通常の筋力トレーニングプログラムに組み込むことでその予防効果を最大化できます。
週に2〜3回、他のハムストリングスや下半身のエクササイズと組み合わせて行うと良いでしょう。

2 リハビリプログラムとして活用

膝の怪我からの復帰を目指すアスリートにとって、ノルディックカールはリハビリプログラムの一環として非常に有効です。
まずは強度を下げて適切な負荷と頻度で行い、徐々に強度を上げていくことが重要です。

6. 実際の成功事例:クリスチャン・マカフリー選手の場合(NFL選手)


NFLのトップランニングバックであるクリスチャン・マカフリーは、ノルディックカールをトレーニングに取り入れており、ハムストリングスの強化と怪我の予防に大きな効果を上げています。
マカフリーは、ハムストリングスの強化により、スピードと敏捷性を高めることができ、膝やハムストリングスの怪我からの早期回復にも寄与しています。

7.ノルディックカールを最適な強度で行うための専用器具

それがFreak Athlete社の「Nordic Hyper GHD」です。

このマシン、実は昨年11月ににアメリカで発表されたのですが、事前にそのニュースを聞きつけて先行販売でゲットし、昨年末からQuestに導入して多くのクライアントのみなさんからご好評をいただいています。

このマシンでノルディックカールを行う最大の利点はベンチの角度が変えられる点です。

下の画像にあるように初心者向けの45°から上級者向けのマイナス15°まで5°刻みで角度を変えることができ、それによって微妙な強度変換が可能なのです。





またこのマシンはノルディックカール以外にもさまざまな形状に変化させることができ、それによって10種類以上のエクササイズを1台で行うことができる「マルチマシン」なのです。

日本でもこういった器具がもっと普及して、多くの膝やハムストリングに不安のあるアスリート・スポーツ愛好家の方の悩みが減ってより良いパフォーマンスを発揮していただけたらと心から願っています。

8. 結論

ノルディックカールは、膝に負荷のかかるスポーツのアスリートや、膝の怪我からの復帰を目指すアスリートにとって非常に効果的なエクササイズです。

ハムストリングスの強化と膝の安定性向上を目的としたこのエクササイズを、ぜひトレーニングプログラムに取り入れてみてください。

ノルディックカールを継続的に行うことで、怪我の予防やリハビリ、そしてパフォーマンス向上に大きな効果を期待できます。

もちろんノルディックカールだけで膝が守れる訳ではありません。

個人個人の状況やレベルに合わせて、さまざまなエクササイズを効果的に組み合わせて、トレーニングプログラムを組むことが重要です。

まず低強度からノルディックカールを試してみたい方、膝を守るためのご自分に最適なトレーニング方法を知りたい方は1度メールでご相談ください。

もちろんメールでのご相談や初回の体験トレーニングは費用はかかりません。

メールアドレス=
quest.traininglab@gmail.com

一人でも多くの悩める方が、安心してスポーツやフィットネスに取り組めますように!

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!

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