見出し画像

16タイプ分類が何の役に立つのか考えてみた

人間を16種類のタイプに分け、それぞれの特徴を整理することで、自分と他者の違いを説明しようとする試みがあります。

MBTI》や《16タイプ分類》と呼ばれています。
(自分の記事ですが《こちら》もご参考に)
アメリカでは最もメジャーな分類法のようです。

ハマってみると面白くて、2年ほど前からずっとこのタイプ分類のことを考えたり呟いたりしているんですが、ところで、

「これはなんの役に立つんだろう?」
「自分は何が面白くてこんなにハマっているんだろう?」

今回はそのへんのことを整理してみたいと思います。

====================
目次
①必要ない人間なんていないことがわかる
②他者を理解する補助線になる
③自分を理解する補助線になる
④プロフィールとして使える
⑤心の中の話題が話しやすくなる
⑥その他・まとめ
====================

◆◆◆◆
①必要ない人間なんていないことがわかる

まず、いちばん大事なのはコレだと思います。
16種のすべてのタイプには、それぞれ役割があって、どのタイプひとつ欠けても世界は回らないし、うまく立ち行きません。

16タイプ分類の中には「思考」「感情」「感覚」「直観」といったワードが登場しますが、それらのワードを使って表現すると、
世の中は
「思考」タイプの人たちによって、検証され、実行され、
「感情」タイプの人たちによって、共有され、行き渡り、
「感覚」タイプの人たちによって、実践され、定着し、
「直観」タイプの人たちによって、補充され、修正されて、
初めてうまく機能することになります。

大人しい人も口下手な人も、口達者な人もジャイアンみたいな人も、器用な人も不器用な人も、誰1人欠けても世の中はうまくいきません。
どのタイプも、それを必要とする別のタイプが必ず存在します。
「あなたさえいればうまくいく誰か」が必ず存在するということです。
ジャイアンを必要とする人もいるし、のび太を必要とする人もいるんです。

また逆に、世の中に特別必要なタイプ、というのも存在しません。
タイプ間に貴賤はありません。

そんなふうに、16タイプがじゃんけんみたいに円環構造になっているため、どんな人であれ、まずは論理的に「肯定」してくれます。

それこそが、16タイプ分類の最大の存在意義というか、役目だと個人的には思います。

「理論上、誰もが、あらゆるコミュニティにとって必要不可欠な存在である」

という理解は、素敵ですよね。

◆◆◆◆
②他者を理解する補助線になる

「どうしてそんな行動を取るのかさっぱり理解できない人」っていますよね?
意見が合わない人、言うことを聞いてくれない人、何考えてるかわからない人……。

人間を16タイプに分類したからといって、もちろんそういう人たちがいなくなるわけではないけれど、そういう人たちが存在する仕組みを説明してくれます。
そういう人たちが存在して当たり前なんだな、ということがわかります。

先ほど「思考」「感情」というワードが出てきましたが、16タイプ分類ではその2つがコインの表裏のようになっていて、おもに「思考」を使って判断する人は、おもに「感情」を使って判断する人の判断基準や行動原理が理解できません。逆もまたしかりです。

そのように、人によって「してほしいこと」「してほしくないこと」「やって当然だと思うこと」などが、ぜんぜん異なるわけですが、その理由を示してくれます。
理由がわかれば、必要以上に傷ついたり、傷つけたり、イライラしたり、衝突したりするのを防げますよね。

人間関係に悩む人はもちろん、大勢の面倒を見なければいけない先生のような立場にある人や、合わないからといって切るわけにもいかない親子関係や家族関係に向き合わなきゃいけない人なんかに、とくに有用ではないかと思います。

◆◆◆◆
③自分を理解する補助線になる

「自分を理解する」なんていうのは誰にとっても究極の難題だと思いますが、16タイプ分類はその難題を解決するための補助ツールとして有用です。

自分が、何が得意で、どういう努力が必要で、何が苦手で、何が見えていないのか。

自分のタイプがわかれば、そのようなことがわかります。
とくに「何が苦手か」というのは自分ではなかなか気づけないものです。
本当は苦手なことなのに、周囲の人たちと同じようにできなきゃいけないと思い込んで、頑張りすぎて、疲れてしまう、なんてのはよくある話です。

そんなときは、とりあえず自分のタイプのせいにしてしまいましょう。
「どうやら自分はコレが苦手らしいので、できなくてもしゃーない」
と、いったん諦めてしまえば気持ちがラクになります。

私自身、周囲の外向的な人たちみたいに上手く人付き合いができない自分をずっと責め続けていたけれど、「あ、できなくてもしょうがないんだ」とわかって、肩の力が抜けました。

それが良いか悪いかはわかりませんが、でも、苦手なことは、焦らずゆっくり、それこそ一生をかけて少しずつ得意になっていけばいいと思うんですよね。
私は「じいちゃんになったとき、人から信頼される人間になれていればそれでいいや」というふうに設定してしまいました。それまでは周囲の、それが得意な誰かに任せてしまえばいいと思うんです。

 ※

また、前述の通り、自分が苦手なことだけでなく、得意なこともわかります。
なので、それを参考に、自分に適したライフスタイルを設計することができます。

得意な能力をまったく生かせない環境はキツいし、
努力が必要な能力を、常に高い水準で要求される環境はキツいし、
自分にとっての盲点であり、見えていない何かを指摘され続ける環境もキツいから、
なるべくキツくならないよう、できる範囲内で調整することはできると思います。

◆◆◆◆
④プロフィールとして使える

自分のプロフィールにたった4文字のアルファベットを載せておくだけで、簡潔にある程度のパーソナルデータを表現してくれます。
私のように、自分のプロフィールをどう書けばいいかわからない人にとっては、とても役に立ちます。
肩書きなんかなくても、実績や資格なんかなくても、とりあえずタイプを伝えるだけで最低限の自己紹介が済めば、どんなにラクだろうと思います。

余談ですが、タイプをプロフィールに使ってもいい、ということになると、それまで発言しなかった人たちが、なぜか発言するようになります。
私しかり、SNSのプロフィールにタイプを載せている人たちは、どちらかといえば世の中ではあまり目立たない、大人しめのレアキャラが多いです。
タイプ分類には、そんな不思議な副作用があるようです。

「タイプ分類をすると、大人しい人たちも、自分の意見を述べることができる」。

それまではサイレントだった意見が可視化されるのだから、これはとてもいいことだと思います。

 ※

また、そのタイプを示す記号は、タグにもなります。
たとえば16タイプなら当然16種類しか存在しないので、タグとして機能させることができると思います。
タイプでタグ検索して、一覧で表示して、それぞれのタイプの発言の傾向や行動の傾向を見つけることができたらおもしろいし、その傾向を人工知能に機械学習させていけば、人格という未知のものについて、新たな発見に繋がるかもしれません。
あるいは、プロジェクトやコミュニティにとって「不足している人材」を、計算で割り出すことができるようになるかもしれません。

◆◆◆◆
⑤心の中の話題が話しやすくなる

人間の心の中の話題って、ナイーブだし抽象的だし、なかなか避けがちになりますが、そこに「INTJ」やら「Se」やら具体的な記号が与えられると、なんだか話しやすくなる気がする。
というか、人の心の中の話が、理解しやすくなる。
タイプ分類が、心の中を語る際の「共通言語」として機能しているんだと思います。
「公共の場で騒ぐヤツらがマジで理解できない」
と言うより
「Se盲点なので騒がしいヤツらが理解できない」
と言ったほうが、なんだかカジュアルでとっつきやすい感じがしませんか?

心の中、という未知は広大なので、話せる、話してもいい、となったら、話題は尽きません。
タイプ分類は、頭に入れなきゃいけない基本情報はわりと少なめです。でも、それによって語れるようになる範囲は無限大です。

話せる話題の種類が増える、というのは、とてもいいことだと思います。

◆◆◆◆
⑥その他・まとめ

そのほか、ビジネスや商品企画にも役立ちますよ。
「売れる商品」というのは「思考」「感情」「感覚」「直観」各タイプのニーズを満遍なく満たしたものか、どれかひとつに特化したものなのだから、自分たちの商品に何が足りないのかは16タイプ分類を勉強すればわかります。ビジネスマンにもオススメ!

また、自分で人を集めてプロジェクトを立ち上げるときなんかは、これを知っているかどうかでプロジェクトの寿命に大きな差が出てくると思います。

もちろん、16タイプ分類は理論としてふわっとしている部分がけっこうあるので、信じすぎるのも、アテにしすぎるのもよくないとは思いますが、日常生活の中に使える場面はたくさんあるので、今後少しずつでもユーザーが増えていけばいいな、と思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?