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いまお気に入りの戦法

長らく居飛車メインで指してきた私だが、ここ最近原点回帰をして再び振り飛車を指し始めた。
居飛車の将棋だとどうしても研究勝負になりやすく、序盤からワンサイドゲームになることもしばしばある。
相掛かりや角換わりの先手番は比較的得意で、隙あらば速攻をしかけ短手数で決着という展開もよくある。
それで快勝できる良さもあるといえばあるのだが、だんだんと将棋を指している実感というか充実感が薄れてきた印象もあり、ちょっと趣向を変えてみたいと思うようになった。

そこでいまは振り飛車を主戦場とし、三間飛車+穴熊をメインで指している。
もともと穴熊の戦いが好きで居飛車穴熊もよく指すので、振り飛車でもやってみたいと思っていた。
三間飛車の場合、左銀を6八~5七~4六とスムーズに右辺へ繰り出していけるのが長所で、個人的にはその後3八飛と振り直して3六歩~3五歩と3筋から早めに動いていくのが好きだ。
また居飛車穴熊に比べて短手数で組みやすいのと、▲2八銀とハッチを閉めるところまで指せれば穴熊特有の“遠さ”は確立できるので展開しだいでは金の位置はそのままで仕掛けていっても比較的強い戦いができる。
そのような観点でいえば、振り飛車でも居飛車に似た感覚で自分から攻めていくのが好きな私好みの将棋にしやすい。

対抗形における振り飛車の囲いは美濃囲いか穴熊がメインだと思う(近年は金無双やミレニアムなど新しい形もある)が、それぞれ特徴はまったく違う。

美濃囲い、特に高美濃の場合、囲いの厚みや広さによって粘りが利く強さがある。
もともと金銀の連結が良く何かを剥がされても形よく取り返すことができ、一手余裕ができて持ち駒の金銀を打ちつければ硬い囲いが再生される。
そして囲いが崩れ始めても場合によっては端に逃げ込んでまだ耐久できるということもある。
“銀冠の小部屋”などが良い例である。
なので手厚く、粘り強く、負けにくい将棋が好きな人に向いているのかなと思う。

対して穴熊の場合、玉の位置は美濃よりもさらに端にいるし、盤上に攻め駒がいなければ王手がまったく掛からない形なので、囲いが崩れるまでの瞬間的な硬さ、遠さでいえば美濃よりも優れている。
ただし、玉の遠さというのは狭さにも通ずる。
難点は囲いが崩れ始めてからで、金銀を剥がされて一度囲いが弱くなってしまうと玉の狭さだけが残り、そうなると粘りが利かずいっぺんに必至が掛かってしまう。
これは居飛車穴熊においても同様にいえるが、振り穴は歩が伸びていないことが多く、その分さらに受けるスペースが少なく囲いの再生が難しい。
というわけで粘るのには不向きであり、その前に攻めきる、一手勝ちする力を要されるため攻めが得意な人に向いているであろう。

私は斬り合いの将棋が好きで終盤も基本的には速度勝負をしたいと考えるので、速度計算のしやすい穴熊戦は比較的向いているのかなと分析している。

振り飛車穴熊はプロ棋士では現在だと菅井先生や青嶋先生がよく指されていて得意としている印象だ。
彼らの棋譜をたくさん並べて、穴熊戦の感覚を磨いていきたいと思う。

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