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思想(哲学と宗教)

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価値観の学問そのものといって良い哲学、価値観そのものといってよい宗教を勉強する事で「価値観とは何か?」に迫りたいと思っています。
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2021年5月の記事一覧

古代は「仏教」、現代は「啓蒙主義」

古代史の勉強をしたり、実際に奈良のお寺を回っていると、奈良時代の社会を支える虚構(=社会を成り立たせる物語)は仏教(今は啓蒙主義)だったんだな、と改めて感じます。 (薬師寺:2021年春、以下同様) 今に生きる我々がお寺を訪れるのは、多くの人は観光資源としての建築や仏像など、芸術鑑賞やちょっとしたお願い事をするためだと思います。しかし当時の人にとっては、芸術体験やちょっとしたお願いのためために訪れたのではなく、病気や貧困などの真剣な悩みを解消するために訪れていたでしょうし

「読み解き古事記 神話編」 書評

<概要> 古事記上巻を中心に、日本の神々から皇統に至る神話の数々を、丁寧に解説した新書。 <コメント> 古事記の専門家、三浦佑之さんの著作は、1年前に読んだ「古事記神話入門」以来。 最近は、ギリシャ神話と日本の神話をパラレルで勉強しているので、その類似性について一度整理してみたいと思っています。 そして最近感じるのは、神話というのは、全てがフィクションというわけでもなく、過去にあったエピソードを面白おかしく整理して、誰もが楽しめるよう編纂されたもの、つまり今でいえば歴史

「判断力批判:序論」に基づくカント哲学の図解

ドイツの哲学者カントに関しては、哲学勉強には必須の哲学者らしく、数年後ぐらいに取り組もうと思っていたのですが、現在受講している講義の課題として「判断力批判」の序論の箇所が取り上げられたので、その全体像の図解を試みました。 同じ課題でヘーゲルも取り上げられたのですが、双方とも一般に我々が使っている言葉の意味と文章の意味が違っているらしく大変読みにくい。 特にヘーゲルの方は半分も理解できず。哲学者平原卓によれば、ヘーゲル語をまずは理解した上で取り組まないといけないそうですから