マガジンのカバー画像

政治経済と価値観

130
フリードリヒ・ハイエク「古くからの真実を人々の心に留めておきたいなら、世代ごとにその言語と概念で語り直さなければならない」。この精神で近代市民社会の原理をベースに記事を展開しよう…
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

「アフリカの風土」なぜアフリカはアジアより発展が遅れているのか?「その3」

これまで(サハラ砂漠以南の)アフリカはなぜ、アジアよりも発展が遅れているのか」について、 第一の仮説:建国がアジアよりもおおよそ15年ほど遅かったから 第二の仮説:アフリカには、もともと国家的政治体制の伝統がなかった、あったとしても脆弱だったから ということでしたが、最後の仮説=第三の仮説について、以下書籍を参照しつつ、アフリカはなぜアジアより発展が遅れているのか、考えてみました。 著者の武内進一によれば、南アフリカ・ナミビア&小国家除くサハラ以南のアフリカ諸国(以下ア

「アフリカの風土」なぜアフリカはアジアより発展が遅れているのか?「その2」

「仮説その1」では単純にアジアに比して国の歴史が新しいから、ということでしたが「第二の仮説」として考えられるのは、歴史上、特にサハラ以南のアフリカ大陸には、もともと国家的政治体制の伝統がなかった、あったとしても脆弱だったから、ではないかということ。 このために植民地主義から脱却して独立しても、国家的な統治機構の経験が既存の文明としてほとんど持ち合わせていないために、国家的な統治機能がなかなか発揮できない。 つまり「人的資本の最大化」としての適材適所や優秀なエリートによる近

「アフリカの風土」アフリカの宿痾とは?

社会起業家、平原依文がクーリエ・ジャポン「今月の本棚」で紹介している『国際紛争を読み解く五つの視座「戦争の構造」』の中にアフリカに関する項目があったので、さっそく拝読させていただきました。 やはり、著者の篠田英明のアフリカに対する考察は、私がこれまでアフリカ関連の著作や実際に訪問して感じた印象と同じものでした。 それは「アフリカの宿痾」です。 ⒈サッカー各国代表の伸び悩みが象徴するアフリカの宿痾黒人系サッカー選手は、各国代表の貴重な戦力。 現代においてもフランス代表エ