「形而上の女の子」についてのセルフライナーノーツ

作り手は多くを語らずに受け手の解釈に委ねる、というのがクリエイターとしての理想的なあり方かもしれませんが、自分としてはとにかく作り手に種明かしをしてほしい(現行のアーティストが曲単位でインスパイア元などを語るのはあまり見たことがありません)タチなので、誰にも求められてないかもしれませんが、、ライナーノーツ的なものを書いてみようと思います。

まず曲の発端は2023年の5月(GW中)に出来たものです。一年かけてじっくり作り上げたとかではなく、ただ単に仕上げるのが面倒くさくて置いていただけです…総作業時間は実質去年の2日間と、今年の3日間程度なので、4-50時間といったところでしょうか。
たかが3分の曲にそれだけ..と思われるかもしれませんが、私も一番そう思っています。自分の効率が悪いのか、平均的にそれくらいかかるのかは分かりません。ただ一度作業を始めると平気で6時間ほど経ってしまうというこの沼性質により、なかなかまとまった時間が取れないと作り始められなかった..というのが正直なところです。

言い訳はそれくらいにして、まずサウンド面でどんなものが作りたかったのかを何とか思い出してみたんですけど、一番はTHE 1975の「Tonight ( I wish I was your boy)」という曲が死ぬほど好きで、あんな曲を作りたいと思ったのが最初だったと思います。本人たちの解説を読むと、バックストリート・ボーイズをイメージして作ったとのことなんですが、僕は全く通っていないので完全に二番煎じならぬ三番煎じです。
イントロのコードは完全にこの曲から拝借させて頂きました。
ルートは「G→Em→C#→C」の繰り返しなんですけど、Cの前に半音高いC#がワンポイント的に挟まれてるのが面白いですよね。

あとは、当時めちゃくちゃ聞いてたのがHope Talaの「Leave it on the dance floor」という曲で、ミディアムテンポでコード感はオシャレ、でも何となく踊れる感じの曲が作りたかったんですけど、それにはあまり近付かなかったかな〜っていう印象ですね。ビートの組み立て方は参考にしたと思いますが。いつかリベンジでしたいです。

これ、最後の展開をどうしようかっていうのをずっと悩んでた結果放置しちゃってて、結果単純なサビの繰り返しにしちゃったんですけど、ブラスの音色が入ってくるところで大サビ的なのを作ろうとしてたんですよね。本当は大サビでクワイア的な多重録音をして、ゴスペルっぽい大団円で終わる形にしたかったけど、どうしても上手いようにいかず…チャンスザラッパーみたいな雰囲気はやはり人工では作れないんでしょうか、残念です。
ボンイヴェールが使ってるようなプリズマイザー?的なやつで声を重ねようかとも思ったんですけど、元の雰囲気と合わなそうなのでやめました。結果的に、ブラスだけ残して、サビの繰り返しにしたっていう感じですね。ブラスに関してももっとBrasstracksみたいな音が出したかったんですけど、これくらいが今できる限界かな、って感じです。

サウンド面だけで長々と書いてしまいましたが、歌詞についても少し。
まず「形而上の女の子」っていうのは何年も前からタイトルに出来そうと思って温めていたもので、元は村上春樹の「1963/1982年のイパネマ娘」という短編小説に出てくる言葉です(正確に言うと「形而上学的な女の子」と記載されているのですが、気持ちコンパクトにしました)
あらすじはwikipediaとかでも読めると思います。とても短いお話ですが、村上春樹作品の中で何故か一番記憶に残っているんですよね。

今回の歌詞は割とイメージ先行で書いているので、それほど直接的な影響は無いんですが、やはり「ドントウォーリーダーリン」ですかね(笑)
特にこの主題とも関連しない作品ですし、何故思いついたのかは不明ですが、語呂が良かったので入れてみました。元ネタは言わずもがなオリヴィア・ワイルド(ハリー・スタイルズの元カノ)監督の映画(この映画きっかけでハリー・スタイルズと交際)なんですが、特に好きでも嫌いでもありません(笑)前作「ブックスマート」の方が出来は良かったと思います、、

とまあこんな感じで、、もうちょっと歌詞に固有名詞入れたかったなあとか、ベースラインもっと凝ったものに出来たんじゃないかとか、色々反省はありますが、一度出してしまったらおしまい、という訳でもなくいくらでも引っ込められるかつ修正できる時代なので、それほど気負わずにいきたいと思います〜
他にも同時並行で色々作りかけのものはあるので、また完成したらお知らせします!

https://www.youtube.com/watch?v=OIwVBEtt4DU&feature=youtu.be

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