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【CLE】ドラマチックだったポストシーズンを振り返る。

 今年最初のnoteということで、遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。Windiansです。旧年中、皆様には大変お世話になりました。本年も宜しくお願い致します。

 さて、今回はガーディアンズのポストシーズンを振り返ります。シーズン開幕前の周囲の予想を覆し、見事地区優勝を果たしたチームのその後を見ていきましょう。

レギュラーシーズンの振り返りはこちら!



1. 試合の振り返り

 全試合振り返っていると長くなりすぎるので、シリーズごとに分けています。

1-1. ALWC vs Tampa Bay Rays

 シーズン中、レイズとは6戦行い、4勝2敗と勝ち越してはいました。ただ全試合で3点差以内、特に9月末のホーム3連戦では全て1点差だったので、勝敗の如何にかかわらず全く気の抜けない試合になると予想していました。
 結果は予想通り大接戦でした。1戦目は失点直後に我らが神様José Ramírezの逆転2ランで2-1、2戦目は両チームとも投手が尽きかけた15回裏にルーキーÓscar Gonzálezのサヨナラホームランで1-0と、2試合とも勝利!見事レイズをスイープし、ヤンキースの待つALDSにコマを進めました。

🔼1戦目の逆転2ラン🔼
🔽2戦目のサヨナラホームラン🔽


1-2. ALDS vs New York Yankees

 ア・リーグ東地区のヤンキースとは1勝5敗と、シーズン中はほとんど歯が立ちませんでした(😩)。しかもポストシーズンでは直近5年ずっとカモにされていたこともあり、相性は非常に悪かったと思います。ただ、レギュラーシーズンの6試合は全てヤンキースが絶好調だった前半戦だったので、そこからヤンキースは調子を落とし、ガーディアンズは調子を上げていたところに希望を持って挑みます。
 結果はALWCに続き、こちらも大接戦でした。初戦は元気なく落とすも、続く第2戦第3戦は終盤にテキサスヒットから畳み掛けて逆転勝ち!試合終盤の勝負強さを見せつけましたが勢いは続かず、残りの2戦を落とし、2勝3敗で敗退となりました。先に王手をかけていただけに、悔しさも一入です。

元々歪な日程+雨天延期×2でできたカオスな日程
(紺地はホーム、白地はロード)


1-3. ALCS vs Houston Astros

 という夢を見ました。


1-4. WS vs Philadelphia Phillies

 世界一だ!(記憶改竄)


2. 反省

 年が明けても思い出す度に悔しさが込み上げてきますが、負けたからにはその原因があるはずです。ここでは数字を交えつつ、見ていて感じた点をいくつか挙げていきます。

2-1. ポイントゲッターが機能せず

 レギュラーシーズンは1,2番のSteven KwanAmed Rosarioが塁に出て、3~6番のRamírezGonzálezJosh NaylorAndrés Giménezの4人が繋いで点を取っていました。ただ、ポストシーズンはRamirez以外でなかなか得点を稼げませんでした。以下のデータは、ランナーが1人以上塁にいたときの成績です。9番のMyles Strawを含めた、前を打つ3人が俊足なので、ランナー1塁でも得点を入れられる可能性を考慮してこのソートにしています。

3番 José Ramírez 14-6 1二塁打 1HR 4打点
4番 Óscar González 11-2 2打点 3三振
5番 Josh Naylor 13-3 1二塁打 2打点 2併殺
6番 Andrés Giménez .111(9-1) 1打点 7三振

出典(Baseball Savant)

 GonzálezはALDSでセンセーショナルな活躍を見せたものの、ランナーがいる時のヒットはその2本のみ。NaylorGiménezも奮わず、3人ともレギュラーシーズンとは程遠い成績に終わりました。特にGiménezは7三振と、完全にブレーキがかかっていました。シーズンとプレーオフは別物であると改めて思い知りました。
 

2-2. 延々と残塁を重ねてしまった

 個人的に、これが一番の敗退要因だったと考えています。

 前の章で中軸がいい場面で打てなかったと書きましたが、チーム全体、全場面で見ればよく打っていました。ヒットを重ねて塁上を賑わせたのはいいのですが、点が入りませんでした。
 7試合で57本ヒットを打ち、73出塁しましたが、17得点、53残塁です。レギュラーシーズンからバットに当てて繋ぐ打線で戦ってきたので、ホームランが少なく残塁が増えてしまうのは仕方のないことです。が、レギュラーシーズンと比べると明らかに得点効率が悪くなっています。
 以下のデータは、ランナーが得点圏にいる状況での打撃成績です。

レギュラーシーズン: 1440-373 .259 536打点
  ポストシーズン:  51-12 .239   10打点

(ポストシーズンの打点は1試合ずつ数えました)

 打率も落ちていますが、注目は安打打点の関係です。ポストシーズンでは12安打放ちましたが、ヒットでは9打点しか入っていません(1点は犠飛)。バットに当て、ヒットで繋ぐことはできたのに、得点だけがなかなか付いてこないという歯がゆくもどかしい状態に陥っていました。
 点を「取られなければ」負けませんが、点を「取らなければ」勝つことはできません。ポストシーズン7試合で17点、1試合平均2.4点はどう考えても少なすぎるので、強豪チームを相手にしてももっと点を取れるようになることが今年の課題になりそうです。


2-3. ホームランが止まらなかった

 ALDSの全5試合で喫した失点は、「ホームラン9発で16点」、タイムリーヒット2本で2点、犠牲フライ2つで2点の計20失点でした。ホームランの内訳は先発陣が計7本、リリーフのSam Hentgesが2本です。
 先発陣はレギュラーシーズンからよくホームランを打たれていた+相手はホームラン数がMLBトップのヤンキースということで、相性は悪かったと思います。とはいえ、さすがに被弾し過ぎですね。良い投手をどんどん投入するポストシーズンではロースコアの試合が多くなるので、そのなかでこれだけ打たれてしまうと致命傷になってしまいます。
 特に、ALDS 第3戦で2ランホームランを2本食らったTriston Mckenzie(5回4失点)は、失点が全て被弾だったという試合がレギュラーシーズンから何度もありました。ここを改善して球界のエースへと駆け上がって欲しいところです。


閑話休題

 ちょっと長いので、このポストシーズンで起こった箸休め的なエピソードを紹介します。

Óscar González、ベルトを壊すが…?

 場面はALWC 第2戦の7回裏無死ランナー1塁。ランナーのGonzálezは3球目に盗塁を仕掛けます。ヘッドスライディングで二塁に飛び込むも、ファウル判定のおかげで徒労に終わりましたが、その際にベルトの金具が壊れてつけられなくなってしまいました。ここは一塁コーチのSandy Alomar jr.が咄嗟の機転で自らのベルトを貸し、そのまま付けてプレーを再開します。
 ここまでならただの珍プレーで終わりますが、ここからが本番でした。Gonzálezはこの試合で価千金のサヨナラホームランを打ち、ALDS進出を決めました。そして、第1戦直前に流れてきた番記者からのツイートがこちら🔽

 この試合もコーチのベルトを付けて出場するという情報が飛び込んできましたそれは本当にimportant newsなんですかねぇ…。多分験を担ぎたかったGonzález。第1戦は4打数ノーヒット2三振とさっぱりでしたが、第2戦、第3戦はチームの勝利に導く活躍を見せました!Alomar jr. コーチのベルト万歳🙌


3. 収穫

 個人的に昨シーズンは得たものが非常に多かったと考えています。ただ挙げるとキリがないので、今回は大きく三点に絞って見ていきます。

3-1. 投手陣が実力を発揮した

 先ほど被弾について述べましたが、それ以外については本当に、本当によく頑張りました。ホームラン以外の失点は7試合で僅か「4」でしたし、被打率も.159と相手打者を手玉に取ることができていました。特に、ここまでほぼ触れてこなかったリリーフ陣は、9人で計33.1イニングを僅か4失点に抑え、レギュラーシーズン以上の力を見せてくれたと思います。中でもALWC 第2戦の9イニング継投は圧巻でした。

 2020年のポストシーズンでは、ヤンキースを相手に2試合で21失点という悪夢のような結果を残して敗退しました。投手陣にはその時を経験した選手がそれなりに残っていましたが、彼らがその経験を引き摺らず、成長した姿を見せられたのはとても嬉しかったです。親バカかな?


3-2. 若手たちが経験を積めた

 昨年のガーディアンズは、ルーキーが19人もメジャー初昇格を果たしました。そして、ポストシーズンではその中から8人がロースター登録され、レギュラーまで登り詰めたKwanGonzález、ファーストで出番をもらったÁrias、代打待機だったWill Brennanの4人が結果を残しました。

  • Steven Kwan .300(30-9) 2四球 1HR 2打点

  • Óscar González 勝利打点「3」

  • Gabriel Árias .273(11-3) 1二塁打

  • Will Brennan ALDS第3戦 代打タイムリー

 2016年のワールドシリーズを経験した選手は、Bryan ShawのDFAによってとうとうRamírezしかいなくなってしまいました。そして、直近のポストシーズン(2020年)を経験した選手も、今回ロースターに入った28人(ALWCとALDSで2人入れ替え)中9人(うち投手6人)と、圧倒的にポストシーズンの経験が不足したメンバーでの挑戦でした。その中で上記のルーキーを含むプレーオフ初出場の選手たちが経験を積み、結果を残したことは、今年以降の戦いに繋がることでしょう。


3-3. 「自分達の野球」を貫けた

 去年のガーディアンズは、強豪チームに対してなかなか大量点を取ることができませんでした。そのため、勝率6割以上を残した相手に対しては「とにかくロースコアに抑える」ことで、ほとんどの勝利をもぎ取ってきました6勝10敗で負け越したけど

5/23 vsアストロズ 6-1 ソロHR, 逃げ切り
6/17 vsドジャース 2-1 ソロHR,10表勝ち越し
6/19 vsドジャース 5-3 適時打×2, ソロHR
           8表同点, 9表勝ち越し
7/2   vsヤンキース 2-0 完封
8/6   vsアストロズ 4-1 適時打, 逃げ切り
8/7   vsアストロズ 1-0 完封

レギュラーシーズンの失点方法と勝ち方

 そして、この戦い方はポストシーズンでも相手に強いることに成功していました。

ALWC 第1戦 2-1 ソロHR, 6裏逆転
   第2戦 1-0 完封, 15裏サヨナラ
ALDS  第2戦 4-2 2ランHR, 10表勝ち越し
   第3戦 6-5(例外) 2ランHR×2, ソロHR
           9裏逆転サヨナラ

ポストシーズンの失点方法と勝ち方

 ガーディアンズの強みは、投手育成の巧さによって有望投手を自前で揃えられるところです。その強みを最大限発揮することで、打ち合いという最も勝てる見込みの薄い展開を避けることができました。加えて昨年は、試合終盤での勝負強さで多くの勝利を拾ってきました。今年は一歩前進し、アストロズに勝った2試合のような先行逃げ切りをできるといいですね!(完封は出来すぎなので望みません)


おわりに

 ガーディアンズは、2017年(当時インディアンス)もALDS突破まであと1勝と迫りましたが、同じくヤンキース相手に敗退しました。そこから続くヤンキースへの挑戦のなかで、去年のシリーズでは光が見える戦いができたと思います。
 今オフは早くからFA市場に顔を出し、チームの穴を埋めることに成功しました。さらに強くなったガーディアンズに期待しつつ、このnoteを終わりにします。


サムネイル:
https://twitter.com/CleGuardians/status/1581489591537770503?s=19 


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