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グアムの朝刊(2020.9.27):<エコノミスト>連邦援助13億6000万ドルがグアム経済復活の原動力

2020年9月27日朝刊 The Guam Daily Postより抜粋、要約

グアム大学の経済学教授であるロザンヌ・ジョーンズ博士によると、新型コロナウイルスのパンデミックがグアムを襲う中、16億3000万ドルに達する可能性のあるアメリカ連邦政府の救済は、少なくとも今のところ地域経済を維持する役割を果たしてきた。この資金注入がなければ、グアム経済は違った様相を見せ、現在よりも困難になっていただろう」と述べた。

米国中小企業管理(SBA)グアム支社の支店長によると、中小企業だけで5,000を超える会社が受けた連邦救済基金は2億7500万ドルに達している。グアムにおいて中小企業は経済安定の原動力であり、回復軌道への可能性と語った。また、グアムでSBAに参加している7つの銀行の強力なパートナーシップがなければ、私たちのコミュニティは経済的および社会的に悲惨な状況にあったかもしれないとも述べた。

そもそも財政難にあるグアムは、パンデミックの初期に苦戦したが連邦資金が入り行政機能や日常生活が安定した。連邦基金のおかげで、公務員の仕事が失われることはなく、病院は開いたままであり、水道と電力のサービスは中断されず、食料品店は活気に満ちている。職を失った、または賃金カットを受けた何千人もの民間労働者は、9億2400万ドルのパンデミック失業支援プログラムの対象となっている。1,200ドルの一時援助も受けた。

グアム州知事は追加の連邦資金の必要性を表明するために、財政聴聞会に関する議会委員会に参加し、追加の資金がなければ、教育、安全衛生機関の大幅な削減を余儀なくされると述べた。

非常事態
グアム政府の収入は連邦政府の援助により2020会計年度の最初の11か月で予測を2600万ドル上回り、目標よりも多くの収入を得て会計年度を締めくくろうとしている。承認済みの連邦資金は、グアム政府の年間予算を超えるだけでなく、グアム島の過去の大規模な台風や他の災害と比較して歴史上最大の救援パッケージでもある。今回の災害救援は、気象災害後の復興だけでなく、経済の構造的基盤を揺るがす全面的な経済災害であると米国中小企業管理(SBA)グアム支社の支店長は述べた。

有効に活用
中小企業救済基金の大部分を占めるPPP(Paycheck ProtectionProgram)と呼ばれるローンプログラムは約1億9,200万ドル。雇用主が給与に当て事業を継続することを助ける目的で実施された。米国中小企業管理(SBA)グアム支社の支店長は「PPPはグアムの中小企業にとって非常に有効に作用しています。わずか4か月で1億9,200万ドルを超える緊急救援資金に相当する2,200件以上の融資を承認しました」と述べた。連邦政府のデータによると、PPPローンを受けた中小企業に約32,000人の労働者を雇用されているという。また、PPPでカバーされていない費用をカバーするために、経済的傷害災害ローン(EIDL)などの長期融資オプションも利用できる。緊急救援資金として2,800を超える法人への8,330万ドルを超える融資が承認された。パンデミックの影響を受け続けているグアム企業は引き続き利用できる。

グアム知事はグアム経済開発局(GEDA)が管理するグアム中小企業パンデミック支援助成金を設立した。GEDAの管理者によると2,575件の応募の88%にあたる2,261件が支援を受けたという。290件の応募が不適格、24件が審査途中である。2000万ドルの予算のうち最終的に1608万ドルが支出され、400万ドル近くの未払いの助成金はホテル検疫施設の支払いに振り替えられた。

事業の撤退
しかし、パンデミックにより仕事を失った約3万人の民間労働者が観光業が来年以降も停滞し続けた場合、PUAを延長できるか不透明である。グアム政府の長期にわたるロックダウンや営業制限により、多くの企業が6か月間、閉鎖や制限下での営業を余儀なくされた。3月20日から数週間しか営業を許可されていないバーのオーナーは「知事の事業停止命令は違法であり、違憲であり、無効である」として最近グアム政府を相手に訴訟に踏み切った。

結局、PPPやその他の救済を受けた企業でさえ従業員を解雇するか、事業を閉鎖する必要に迫られている。長い歴史を持つ地元のレストラン、そしてチャックE.チーズやフォーエバー21などパンデミックで撤退した企業のリストは週ごとに増え続けている。

数字だけで判断しないで!
日本の友人などからロックダウンが長期化する中でグアムの人がどうして生きながらえているのか不思議で仕方がない、と言われることが多々あります。この記事はその内情がざっくり書かれているので取り上げました。つまり個人は失業給付金(PUA)で、企業は複数の支援金を利用して最初のロックダウンが始まった3月20日の時点の状況をかろうじてキープしているということです。しかし企業への支援金はすでに底をつき、持ち出しが嵩んでいる場合もあり、今後の展望が見えないことなどからリースが切れるタイミングなどで閉店したり、また従業員を一時解雇から解雇へ切り替え健康保険などの福利厚生費の負担を軽減する対応を余儀なくされている場合もあります。いずれにしても3月20日の時点の状況をキープする限界に近づいていることは間違いありません。
ただ、どの社会もそうでしょうが社会保障から漏れる人たちがいるのも事実です。たとえば短期のバイトを繋いでいたような人なら失業給付金の申請ができないかもしれません。法人でも申告を遅延していたり怠っていた場合は支援金がもらえないケースもあるでしょう。こんな背景が影響してか、最近になって強盗のニュースを頻繁に聞くようになりました。
また、経済が動き始めても解雇された人の就職先はみつかるのでしょうか?失業給付金が切れた後、大量の失業者はどうして暮らしていけばいいのでしょうか?そんな不安に駆られている人がたくさんいると思います。企業にしてみれば、以前のような収入が見込めない時期は最小限のスタッフでコストを抑えながらの再稼働となるでしょう。そう考えると経済再開後にさらに厳しい試練が待っているように思います。政府主導の新規産業で雇用を生み出す計画などがあればいいのですが、聞こえてきません。
現状が厳しくても人は希望があれば比較的お心穏やかに頑張れるのではないでしょうか?昨日はユナイテッド航空がサンフランシスコ発ハワイ行きの乗客に事前PCR検査を提供するというニュースを伝えました。その後ハワイアン航空もサンフランシスコとロサンゼルス発ハワイ行きの乗客を対象に類似のサービスを提供するという発表がありました。グアムにも希望の光が見えるニュースが早く届くことを願っています。


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