窓枠の景色
私はある鍵を手にしていた
だけど開けたい鍵穴がみつからない?
探しても探しても
どこにも見つからなかった
あれ?そうか!
開けたつもりはなかったけど
扉の鍵をもう開けていて
この部屋にいつの間にか入っていたんだ
心が氷そうに冷たく
1人ぼっちで震えて歩く夜
真っ暗闇に暖かく光る
いくつもの窓枠の中の部屋に
狂おしく憧れて
遠くから眺めていた
あの日々
この部屋の中は余りにも現実で
ときおり騒がしく
ときおりめんどくささもあり
だからここが私が夢見ていた
場所だったと
気づかなかったよ
今、立っているこの場所を
私は愛しく、抱きしめ
体に染みこませる
この家の部屋の明かりが
いくつもの窓枠の景色
の一部として
いつまでも穏やかに
灯っていますように
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