ぐりげ

趣味で書き殴ります。

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きっとずっと、哀しいほどに元気な彼女

こんな僕にも、守ろうとしていたものがあった。 *** あまり笑わない人だな、というのが、彼女の第一印象だった。 大学に入ってすぐ、とあるサークルの新入生歓迎会で初めて目にしたその子は、喧騒に覆われるその会の中でただ、座っていたように見えた。 綺麗な人だ、と思った。 そのサークルは学内でも有名ないわゆる『飲みサー』で、そんな中笑顔1つ見せずそこにいる彼女は、新入生の僕にとっても明らかに浮いていた。先輩たちに話を伺う限り、どうやら同じ新入生らしい。 「可愛いから声かけ

    • さよならだけが人生だって話

      小学校の同級生。在学当時はそんなに深く太く仲が良かったわけではないが、卒業後も年に何度か何となく会うような。保護者なしで行けるようになったカラオケにふと行ったり、覚えたてのお酒をさも当然のように飲んだり、どうせ吹かすだけの煙草の火を2人で恐る恐る点けてみたり。 今の生活の基盤となっている事柄の黎明を共に歩んだ戦友、有り体に言えば腐れ縁の女子が、この4月から西の方へ引っ越すことになった。将来を約束したと言うパートナーと共に。 冗談半分で語っていた"送別会"が本当に開催される

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