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不器用な人たちの話

2023年2月12日に山口県のライブハウスで起こった出来事
この日のことをいくら語っても語りきれないけど、言葉を尽くせば尽くすほど、あの空間で見たこと感じたことが陳腐なものになってしまいそうでこわいなとも思うのです。

でも、忘れたくないことなので、こうやって記録に残しておこうと思います。

DEAR IDOL ACT3

福岡からオタクを連れて向かうRISING HALL
こうやって車で山口に行くのも最後なのかもしれないな。

いつものところ

1部

2023年初のjubilee jubileeからスタート
いちばん好きな衣装で勝ち確
「Lonely Sunday Night」でペイ
いきなり最前のオタクが「ぁいぁいぁいぁいあいか~」ってやり始めてゲラゲラ笑ってしまった。
その場のノリでこういうの生まれるのめっちゃ好き。

そして、フロアにも役者が揃って声出し解禁本番って感じのfeelNEO
演者もオタクも嬉しそうでよかった。
あと、山口のオタクも「さーかわ」って言い始めたんやが…
いずれすべての言語は「さーかわ」に集約され、辞書は「さーかわ」と書かれた1枚の紙となる。

RISING HALLの後方で、楽しそうにしてるオタク越しに見るライブが好きなんだよな。

そんな後方ほのぼの観覧を決め込んでいる推しメン不在のオタクたち(通称「遺族」)を一気に現役に引き戻してくれるYamakatsuさん
初手「長州SEVEN」でバキバキに目がキマっちゃう遺族たち
バカでかいオタクをリフトしたり、RUN!のイントロで、「もう今日ははるの口上でいいか」となるけど口上入れるタイミングがフワフワな遺族たち

この3マンだからこそ、大人げないYamakatsuが見たかったんだけど、オタクも大人げなく大はしゃぎしてしまったな。

今や岡山預かりだったり山陰預かりだったりしますが、機会あるごとにこうやって山口でキャッキャできる人たちに出会えたことに「愛と感謝」(©️IsTaR SOくん)

全員遺族

2部

jubilee jubileeがMCで「Yamakatsuさんが色々な縁を繋いでくれた」って言ってたけど、ほんとそれで、Yamakatsuがいなかったら中国山地の向こう側なんて知ることもなかっただろうし、山口よりもさらに不利な環境で真摯に音楽に向き合ってるアイドルを好きになって、年に8回も行くようになる世界線はなかっただろうなって思います。
山陰の人も食べ物も空気感も好きになっちゃったので、大分に帰っちゃうと車で8時間かかっちゃうけど、年に3回を限度に行きたいなって思ってます。

もう今日は、feelNEOの「あの日の向こう」で号泣するために来たようなもんだったんですが、その前の「キミライズ」から「hand」の流れの時点でヤバかった。

正直「hand」は今までハマってなかったんだけど、さーちゃんの“強い風が吹いて それを楽しもうとする 君が好きだよ”って歌詞が突き刺さってボロボロ泣いてしまった。
そして、“当たり前をなくさないように”で堪えきれなくなった姫を見て2回目の崩壊
強火過ぎるMCからの「あの日の向こう」はズルいし、嗚咽混じりで振り絞るように歌う「haribote」にも心を揺さぶられる。

(feelNEOさんサイドからだと、この記事が熱量あって良いです。)

そして、大トリのYamakatsu
転換ゆっくりめだなーと思ってたら、ライブ終わりのあゆりちゃんとあやポンさんがフロアに下りてきてスタンバイ

1部終わりの時点ではセトリ考えてないみたいな話だったんだけど、feelNEOさんの「haribote」に応えるかのような「IDREAM」始まり。

カタチあればいつか壊れ新しいものに変わる
記憶を焼き付けるようにこのすべてを
君は僕に、僕は君に伝えたいことがあるんだ

IDREAM

「haribote」も「IDREAM」もいつか来る“終わり”に触れながらも、“今”をどう生きるかみたいな曲だと思うけど、起承転結の“承”か“転”あたりにいるfeelNEOと、“結”にいるYamakatsuのリスペクトとアンサーが交差する良い流れだったなと思いました。

そして、そこから続く、feelNEOさんとjubilee jubileeさんに何かを伝えようとするかのセトリ

最後のMCで、「同じ中国地方で頑張るfeelちゃんとjubileejubileeちゃんに私たちから最後のエールを送ります」からの「ONE」は最高(語彙力0)だったし、「ソラノシタ」で過去イチの「ヤッター!」出ちゃったな。(ONEソラは神、はっきりわかんだね)

強く思い描いた夢ならば
確率なんかじゃ決まらないだろう 
不可能を可能に出来るのは
諦めず立ち向かった人だけだから

ソラノシタ

2部はどうしてもセレモニー的になっちゃいそうで、ライブ的にはどうなのかって思ってたけど、3組とも自分達らしいパフォーマンスをしながらも、ひとつの物語を紡ぎ上げるような素敵な空間でした。

こういう“文脈”ありきのライブは、結局内輪ノリなので、是としない人もいるだろうし、それが正常なのかもしれません。
それでも私は、田舎でアイドルという生き方を選んだり、コスパもタイパも度外視で山口くんだりまでやって来る不器用な人たちが大好きだし、不器用な人たちしかいないあの空間で繰り広げられる最低で最高の内輪ノリが忘れられない大事な思い出になりました。

Yamakatsuという“場所”はなくなってしまうけど、feelNEOやjubileejubileeにも、そういう“場所”を作ってくれるアイドルになってほしいなと陰ながら期待しています。

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