なりたくない私。

友達に誘われて、映画『青葉家のテーブル』を見てきた。
軽く調べると、かなり変わった形の共同生活という設定で奇をてらい、
こだわり抜かれた料理やインテリアが登場し、終始まったり、のんびりとした時間が流れる「丁寧なくらし」を描いた映画―のように見えた。

この書きぶりから既に伝わっているかもしれないが、自分からは選ばないような作品だ。

でも、魔が差したのか、「なりたい私と、なりたかった私。」というキャッチコピーに惹かれ、見てみることにした。

少し前に、なりたい姿について考えたりもしたし。

他の作品の予告で眠気マックスになっており、ファーストカットをちゃんと目撃できたかは自信がない。フェードイン。

冒頭こそ、あまり関係性を説明してくれない感じとか
(ドラマが既にあるので説明しすぎるのもヤボなのかも)
インテリアも身に付けるものも、そんなにきれいにしてたら息つまりません?(個人の感想です)な感じとか、
優子情緒どうなってる?な発言(後々合点は行く)とか
あ、やっぱりあんま好きじゃない系・・・?
と思ってしまったが、予想を裏切り面白かった。

企画・制作が、「丁寧なくらし」を地で行く「北欧、暮らしの道具店®」だが、そのあり方をある種自虐的に揶揄しているところ(春子が知世に物申すシーン、知世の取材番組を3人で見ているシーンなど)は、ジャンキーひねくれ人間の私は「あ、そういう見られ方されてる自覚あるんだ。わかってるじゃん」と笑ってしまった。

テーブルと名がつく通り料理・食事のシーンも多かったが、必要以上に出てウンザリさせることもなく、純粋においしそうなものが多くて、某ライスは友達と作り方まで調べた。(作るかは不明)

あまりネタバレさせたくないので詳しくは書かないが(言うほどディティール覚えてない)メモ。

・私と同じく「丁寧な暮らし」タイプではなさそうだったが、与田ちゃんのキャラクターがすごくよかった。今回のヘッダーは与田ちゃんのイメージ( aju_noteさんの素敵な絵)

・優子、ちょっと自分と重なる部分あり。ちょこちょこ色んなものに手を出してはしっくりこないとことか、「カルチャー全般好きです」とか、バンド知ってるマウントとか、あぁ何か自分を見ているようで恥ずかしい。

・海外クルーの謎コンセプト撮影風景、すごくありそう。

・一つに絞ろうとして欲張ることを決めた優子、ステキやん。

私は30を過ぎても、正直なりたい私がよくわからない。

何にもなりたくないような、コロコロ変わるような、高校生の優子と一緒にすんなよと言われそうだが、もしかしたら死ぬまでそういう感じでいるのかもしれない。

春子や知世だって、悩んだり考えたりしてたし。

とりあえず、こびない人間にはなりたいかなあ。うーん難しい。考える人?
思考停止はしたくないな、うん。

映画を見終わってから、ここでドラマを見た。

非現実的な設定はあるけど、4話とも面白かった。てか、今の自分も好きだけど、高校生、いいなあ・・。

上映館が少ないのが残念ですが、意外と(私の先入観)見る人を選ばない映画でした。是非に。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?