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焼町土器の真髄がここに-浅間縄文ミュージアム

浅間縄文ミュージアムは、軽井沢からしなの鉄道で3駅の御代田駅から歩いていけるアクセスの良い博物館。御代田町の公民館「エコールみよた」の中にあり、観覧料は500円です。

常設展は1階が「浅間山麓の縄文文化」、主に御代田町で出土した土器が豊富に見られます。それほど大きな町ではないのに、早期から後期までかなりのボリュームの土器が出土していて、縄文時代は住みやすい場所だったんだろうなぁと想像が膨らみます。

早期から前期の尖底土器群にもいい状態のものが多いです。

滝沢遺跡の耳型土製品や滑石製ペンダントも目を引かれる品、ペンダントにはおそらくベンガラものとも見られる彩色も。

続いて、宮平遺跡の出土品、土偶、石棒、獣面把手、人面把手です。

なかなか個性的なものが揃っています。

常設展のメインは、国の重要文化財に指定されている川原田遺跡出土の焼町土器約100点、特別展示室に一挙展示されています。ライティングに凝っていて、見る分には雰囲気があっていいのですが、写真に取るのはなかなか難しかったので、ぜひ実際に足を運んでみてください。

最後のは、どうしても横顔に見えてしまう土器。意図してのことだろうと思いますが、不思議な文様です。

焼町土器をたくさん見ていると、過剰でありながらどこか無秩序な装飾に共通点はあると思えるものの、文様はバラバラで、何がどうなってこんな形になったのか理解し難い思いになっていきます。しかし、その過激さは非常に魅力的で、火焔土器や水煙文土器と同じように、圧倒的な力で迫ってきて、「これぞ縄文!」という気持ちになります。

他に、土偶、石斧、釣手土器、石皿などもあり、石皿は側面に模様のようなものが見えるフォルムが美しい品、これだけで美術品のように見えます。

都心から2時間ほどで行けるし、わざわざ足を運ぶ価値がある博物館であることは間違いありません。

さて、今回うかがった時には、企画展「縄文人間」(2019年4月21日~9月1日)をやっていましたので、それについても少し。

「人」をテーマにした企画展で、目玉と言えるのは弘前大学蔵の、帽子をかぶったような土偶頭部やストレッチ土偶です。本当に不思議。帽子はいったい何なのでしょうね。

他にも興味深いものが色々

黥面は縄文人たちが顔に入れ墨を入れていたことを想像させ、アイヌに続く文化の歴史をうかがわせますし、最後の土偶はなんとも不思議なフォルムな上、つるつるした質感をしていてどのような目的で作られたのか気になります。

期間が終われば本来の場所に散り散りに戻ってしまう「顔」たちが一堂に会する「縄文人間」はかなり面白い展示でした。

各地の小さな郷土資料館で、目立たず主張している出土品を発見するのもいいですが、やはり名品とされるものが一度に見れる企画展もまたいいもの。浅間縄文ミュージアムは企画展も随時やっているようなので、面白そうなものを見つけたら訪れるタイミングなのでぜひ!

私がここで一番気になったのは、釣手土器(俎原遺跡、縄文中期)だったんですが、それについてはまた別の場所に書きましたので、そちらもよろしければお読みください。



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