見出し画像

合掌、筒型、着脱式、珍しい土偶がぞろぞろ出てくるー階上町民俗資料収集館[JOMOSEUM]

青森県階上(はしかみ)町は、八戸市の南西、岩手との県境にある町です。八戸と岩手県の久慈をつなぐ高速道路建設で多くの発掘調査が行われ、縄文の遺物もかなり出土したようです。

民俗資料収集館は古い学校を利用した施設で考古資料と民具などの民俗資料を展示してあります。小さな町で人員も限られているということで公開日は月2回だけですが、事前に連絡すれば公開日以外でも平日であれば見学できます。

一つの遺跡からではないですが、いろいろな土偶が出土しています。目玉と言えるのは小さな合掌土偶。八戸市の是川縄文館にある国宝の合掌土偶のミニチュアのような土偶ですがかなり小さいです。

周りの土偶の頭部が国宝の合掌土偶の頭部と同じくらいの大きさ

そしてこの土偶は首がソケット状になっていて取り外しができるという特徴もあります。どのように使ったのでしょうか。

他に頭部が取り外しできる土偶は出土していないのですが、胴部だけの土偶の中には頭がはめられる形状のものが他にもいくつかありました。

どんな使われ方をしたのでしょうかね。

こちらは円筒土偶とその他色々の土器。関東地方では出土例が結構ありますが、東北では聞いたことがありません。関東のものより短いもので、貫通孔があります。何かを注いだりしたんでしょうか。

他にも色々土偶がありまして、下の右側のものは宮城県東松島市出土の重要文化財「服を推定できる土偶」に似ているような気がします。前期の土偶でしょうかね。

そんな感じで色々な土偶を見ることができます。

いろいろな土偶や土版やよくわからない土製品たち

他にも見どころは色々ありますが、もう一つの目玉と言えるのが、鹿角製腰飾り。展示はレプリカですが、しまってあるものを見せてもらえました。こちらはかなり大きく、精巧な細工がしてあって当時としても貴重なものだっただろうと想像できました。

ほかにも見どころはいろいろあって載せきれないくらいなのですが、岩版もいいものでした。

土器も草創期から晩期まであり、北東北らしく円筒式土器と大木式土器があったり、大量の晩期の亀ヶ岡式土器があったりします。

土器は土器でじっくり見たら面白い発見がありそうでしたが、土偶などに時間を取られてしまってじっくり見ることができませんでした。是川と対比してみると面白そうだなぁとは思いました。

すごく見応えのある展示なので、是川に行った際にはセットで行くことをおすすめします。事前連絡をお忘れなく。

階上町民俗資料収集館HP
住所:階上町大字赤保内字耳ヶ吠6-2
開館時間:9時~16時(第2、第4火曜開館)
入館料:無料
撮影:可
アクセス:大蛇駅からバス、階上庁舎前から徒歩約7分。

縄文の遺物が見られる博物館・郷土資料館情報はこちら



よろしければサポートお願いします。サポートいただいたお金で新たな縄文スポットを探索に行きます!