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唯一右に曲がった鼻曲土面と他地域との交流を感じさせる遺物の数々ー六ヶ所村立郷土館[JOMOSEUM]

下北半島の根元付近にある六ケ所村といえば、原子燃料サイクル施設が有名ですが、その周辺に石油備蓄基地や巨大な太陽光発電施設、風力発電施設もあり、大規模な開発が行われています。

そんな開発もあって縄文時代の遺跡も多数発掘されていて、立派な郷土館も建てられています。郷土館の展示のメインも縄文で遺物の展示もたっぷり、広い展示室に色々なテーマで遺物が並んでいます。

土偶は何か所かにありますが、板状土偶が多い印象。野辺地町の「縄文くらら」と同系統の脚付きの板状土偶もありました。

土製品で足形付土版や鐸型土製品があり、道南地方と文化的に近い感じがします。やはり津軽海峡を挟んだ文化的な交流は縄文時代から濃かったのでしょう。

鼻曲土面もありました。鼻曲土面といえば岩手県の御所野遺跡のものが有名で、青森県から岩手県の太平洋側に分布していますが、鼻が右に曲がっているのはこれだけなんだとか。

他地域との交流という意味では、アスファルトや翡翠も出土しています。翡翠の大珠はかなり立派で、加工もきれいなもので、新潟からはるばるやってきたんだという事実が際立ちます。

という感じでかなりもりだくさんですが、土器もたっぷりあります。草創期から晩期までまんべんなく出ていて、この地域に特徴的な土器が各年代で出土しています。

草創期から前期の土器
大木式土器たち
十腰内式土器たち

変わった土器としては、トカゲのような生き物が底部に付いた土器や人体文土器がありました。底部に動物が付いた土器は珍しいですね。水棲動物と思われるのでなにか意味があるんでしょうね。

実物大の大規模なジオラマも見どころの一つ。縄文時代の村を再現し、本物の遺物も並んでいます。

パネルの説明も充実しているので、全部見て読んでとなるとかなり時間がかかり、消化しきれないくらいの情報量になります。たっぷり時間を撮って訪れてみてください。

六ヶ所村立郷土館HP
住所:上北郡六ヶ所村大字尾駮字野附535
開館時間:9時~16時(月曜、祝日休館)
入館料:無料
撮影:可
アクセス:野辺地駅からバス、郷土館前から徒歩1分。


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