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縄文くららと赤漆塗木鉢、2つの重文がお出迎えー野辺地町歴史民俗資料館[JOMOSEUM]

青森県野辺地町は陸奥湾の一番奥まったところにあり帆立貝が名産です。野辺地川の扇状地部分が狭い平地になっていて、あとは丘陵地になっています。

野辺地町歴史民俗資料館は町の歴史を通じ展示する資料館ですが、縄文の割合はわりと多めです。

その理由の一つは「縄文 くらら」の愛称もある国指定重要文化財の土偶です。後期前半の土偶で、板状土偶の形態を取りながら足がついていて自立するのが特徴です。愛称の「くらら」も某アニメの「クララが立った」が由来だとか。

360度どこからでも見られるので、じっくり見ると、頭は結髪状になっていて、肩のところには貫通孔があります。紐を通したのか、何か飾りを差し込んだのかしたのでしょうか。

そしてもう一つの国指定重要文化財が「赤漆塗木鉢」です。漆塗りの木製品といえば是川のものが有名ですが、こちらにもそれに匹敵するような木製品がありました。

他にも巻き貝の蓋で飾ったとのある赤漆塗木鉢(部分)など木胎漆器がかなり出ているようです。

縄文時代の漆文化はかなり高度なものだったことがわかります。

その他、土器や石器が一通りあります。土器は早期から晩期まで、円筒式時や亀ヶ岡式土器といった地域色のある土器たちです。

なかに蓋付甕棺というのがありました。型式としては大木9式でしょうか。

加えて一角に「角鹿コレクション」というコーナーがあり、明治から昭和にかけて考古資料を収集した角鹿扇三という方のコレクションが展示してあります。引き出しを開けると石器がびっしり大量に見られます。

八戸の泉山兄弟もそうですが、公的な調査があまり行われていなかった時代に個人が収集した資料が学術的にも価値の高いものと評価されるのを地方ではよく見ます。すごいことですね。

野辺地町歴史民俗資料館HP
住所:上北郡野辺地町野辺地1-3
開館時間:9時~16時(月曜、祝日休館)
入館料:210円
撮影:可
アクセス:野辺地駅から徒歩15分。


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