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縄文の謎が深まる展示物。青森県立郷土館の発掘の軌跡から見えるのは、縄文人の暮らしの全貌と遊び?

青森で青森県立郷土館で開催中の企画展「縄文遺跡群と県立郷土館ー発掘調査の軌跡ー」を見てきました。

青森県といえば、三内丸山、是川、亀ヶ岡など縄文時代の有名遺跡が目白押しですが、今回の企画展では青森県立郷土館が約45年の間に発掘調査を行った21の遺跡の出土品が一堂に会し、しかも初公開資料多数ということで、見逃すわけにはいかない企画展なのです。

展示は基本的に遺跡ごと、だいたい年代順に並んでいます。

外ヶ浜町の大平山元(おおだいやまもと)遺跡は、世界最古クラスの土器が出たことで知られる遺跡で、約1万5000年前の土器が展示されていました(普段は常設に展示されています)。

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ここからは早期から前期の出土品をいくつか紹介していきます。

下田代納屋遺跡(早期、東通村)

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長七谷地貝塚(早期、八戸市)

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田小屋野貝塚(前期、つがる市)

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早期や前期の遺跡は海岸近くにある傾向があるようで、出土品も漁撈の道具があったり、土器も貝殻文が施されていたりと海との関係が深いように見受けられました。田小屋野貝塚からは貝輪の未製品のみが多数出土したそうで、周辺の集落との交易あるいは交流があったことをうかがわせます。

二ツ森貝塚(前期~中期、七戸町)は北海道・北東北の縄文遺跡群の構成資産の一つで、大規模な集落遺跡です。二ツ森貝塚といえば有名なのはこちら。

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鹿角でできた櫛と言われているものです。櫛と言ってもおそらく髪をとかすものではなく、頭に刺す飾りかと思われます。しかし、この彫刻はなんなのか。意味の解釈はできませんが、丸い穴と切り込みの配置には目を引くものがあります。他に類を見ないデザインなので特別なものなのかもしれません。

土器もいいものがかなり出ているようです。

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三内丸山遺跡(前期~中期、青森市)のもの、何に使ったのでしょう?

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十腰内(2)遺跡(後期、弘前市)は重文の猪形土製品が出たところ。今回は複製でした。展示は注口土器や壺形土器が多く、亀ヶ岡っぽさも感じます。1枚目は人面?

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小牧野遺跡(後期、青森市)

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「しゃこちゃん」でおなじみ亀ヶ岡石器時代遺跡(晩期、つがる市)からもいいものがけっこう来ていました。亀ヶ岡らしい注口土器から。

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漆製品も豊富です。

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壺形土器のテクスチャの繊細さと素朴さ。

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この企画展の物量がすごすぎて紹介しきれないので、今日はここまで!またすぐに続きをお届けします。

追記:後編はこちら!

青森県立郷土館の情報はこちら


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