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【メモリアルな完勝】Arsenalマッチレビュー@PL第10節vsSheffield Utd(H)/23.10.28


試合前トピックス

・トーマス、ジェズス数週間の離脱の噂


マッチレポート

試合結果

ARS 5-0 SHU
28' エンケティア(ライス)
50' エンケティア(スミスロウ)
58' エンケティア
88' ヴィエイラ(pen)
90+6' 冨安

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スターティングイレブン


試合トピックス

アルテタらしくない大胆ローテーション

 試合前の情報通り、ジェズスは大活躍のCLセビージャ戦で痛めたハムストリングの影響、トーマスは引き続き筋肉系のトラブルとのことで共に不在。昇格組シェフィールドが相手とは言え、キープレイヤー2人の離脱は少々懸念点であった。

 そんな今節にアルテタは大胆なローテーションを施す。CFにエンケティア、右IHにハヴァーツ、左IHにスミスロウ、そして左CBにはキヴィオルを送り込んだ。疲労の溜まるガブリエルや不調の陰りが見えるウーデゴールらをベンチに座らせ、キャプテンマークをサカが身に付けるなど普段とは異なる要素が多く見られた。

 試合は圧倒的アーセナルペース。特に好調冨安に代わり戻ってきたジンチェンコは流石というか、押し込む前提の相手だと彼のポジショニングセンスとビルド能力は遺憾なく発揮される。そんな冨安に影響されたかゴール前へ走りこむハーフスペースランでから決定機を演出するなどチーム内の健全な競争が垣間見えた。またキヴィオルの足元もそこそこで、ガブリエルと比べ明確に劣っている部分は感じられなく良かったと思う。

 後方の心配はひとまずなくなったところで今度は前線のパフォーマンスについて。絶好調ライスが支える中盤の両脇に入ったスミスロウとハヴァーツは評価が難しい所。キヴィオルと同様特段目に付くミスや不満はなかったが、かといって派手に活躍できたかというと微妙なところ。スミスロウはエンケティアの2点目のアシストを一応記録し、パサー色の強いウーデゴールが居る時とは大きく趣向の違うワンツーと旋回を主体とした前進を演出。ハヴァーツはラインの押し下げでサカをサポートし、先制点に繋がる展開に絡むなど一定の成果は出せていた。が、それでも世界屈指のトライアングルであるライス/トーマス/ウーデゴールの牙城を崩すには程遠い、そういった印象を受けた。

大爆発エンケティアで試合を決定づける

 アーセナル押せ押せペースの中から、ライスの折り返しに反応したエンケティアが元ガナートラスティとの駆け引きを制し先制点を挙げることに成功する。格下相手にブロックからの一発で面倒くさい試合展開になることも予想されたが、流れの中で順当にリードを確立できたことは大きい。そしてここからエンケティアが圧巻のプレーを見せる。

 まずは後半立ち上がり50分。CKのこぼれを拾ったエンケティアが右上隅へ強烈なシュートで追加点。そこから僅か8分後には相手の意表を突いた強烈な反転から難しい姿勢でのゴラッソを決めて見せる。ジンチェンコが冨安に影響を受けているのならばエンケティアはジェズスに影響を受けているとでもいうべきか、彼の十八番プレーを模倣するような技術で自身キャリア初のハットトリックを記録する。

 特に途中出場からの全体的なプレーの強度が疑問視される彼だが、先発で出場した時の結果を残すスタイルもまたお墨付き。そんな特性を遺憾なく発揮し、エースジェズス不在の中60分経過を待たずしてアーセナルの勝利を確定づける結果を叩き出した。先日亡くなられたという叔母へ手向けとして挙げたゴールは、アーセナルファンの歓喜の渦の中へと飲み込まれていった。

祝懐妊ヴィエイラ&誰得ATからファン得冨安初ゴールへ

 あとは怪我人を出さず失点を犯さないという任務が課されたアルテタは、マルティネッリとホワイトに代わり冨安とトロサール、サカとスミスロウに代わりネルソンとヴィエイラ、また久しぶりに締めのエルネニーを順次投入していき、控え組の活躍を期待するとともに逃げ切りの体制を整える。生え抜き7番サカが下がった後はまたも生え抜き14番エンケティアがキャプテンマークを預かる。

 そんな彼らの中で無事数字を残すことに成功したのはヴィエイラ。エリア内での接触を一度は流されたもののOFRの結果PK。エンケティアはキッカーをヴィエイラに譲り渡し成功。授かった我が子へ向けたゴールパフォーマンスでエミレーツスタジアムを更なる高調へと持って行った。

 そして冨安にも待望のアーセナル初ゴールが生まれる。既に勝敗は決した4-0で迎えた90分、誰が得するんだというAT10分が提示されたものの、CKの競り合いでルーズになったボールを見逃さなかった冨安が体が流れながらも押し込み5点目を獲得。彼自身嬉しそうなのは勿論のこと、ピッチ内外問わずアーセナルの選手たちがみな彼のゴールを祝い笑顔を浮かべていたところから如何にチーム内で愛されている選手かわかる素晴らしい瞬間であった。冨安は去年実母を亡くしており、エンケティア同様故人へ奉げるメモリアルな夜になっただろう。


ゲーム総評

 最近でも大規模なターンオーバーの下、5発大勝、ホームで久方ぶりの2試合連続クリーンシート、エンケティアのキャリア初ハットトリック、冨安アーセナル初ゴール、怪我人無しetc…と良い事尽くしの今節だったので、戦術/戦略面に触れずマッチレポートのような側面が強くなってしまったがまあいいでしょう。たまにはこういう景気の良い試合で難しいことを考えず活気ある勝利を挙げるのも悪くないと感じた今節だった。

 次節は熾烈なPL/CLは一旦お休みでリーグカップのウェストハム戦。ライスを頂きお世話になったウェストハム様へこれまた適切なターンオーバーを行い勝利という形をもって返礼とさせていただきたいですね。

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