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【アーセナル】PremierLeague/第15節/vsWestHamUnited(H)【ごとこの備忘録】

試合前展望

 メッシ悲願の制覇となったW杯が閉幕してから早いもので一週間以上が経ち各国リーグが再開することに。

 そんな中現在プレミアリーグ首位のアーセナルはW杯期間中にジェズスが三か月程度の離脱が見込まれる怪我を負ってしまい、代わりにエンケティアが抜擢されることとなった。彼がここまで好調を支えてきたジェズスの代役となれるかどうか注目が集まるところ。

試合結果

ARS 3-1 WHU
ARS:サカ 53'(ウーデゴール),マルティネッリ 58'(ジャカ),エンケティア 69'(ウーデゴール)
WHU:ベンラーマ 27'(pen)
PL,個人的MOTM:ウーデゴール

https://www.premierleague.com/match/75071

スターティングメンバー

左アーセナル、右ウェストハム

試合展開

 親善試合を挟んだとはいえ久々のPLとなった両チームであったが、試合開始からインテンシティはは高め。互いに強度の高いランニングを繰り返し攻守を演出した。

 試合はアーセナルがボールを持ちウェストハムが引いて守るという大方の予想通りの展開。ウェストハムは守備時アントニオとベンラーマが2トップを形成する4-4-2に変形。二人はトーマスをクロスする形で封鎖するのが第一優先順位でCBへはそこまでプレスをかけず、またSHはタイミングを見てアーセナルSBへプレスをかける442基本守備の形。

 これに対しアーセナルが良かったのは、ティアニーが中央へ組み込む動きを見せた事やウーデゴールが下がりすぎずにパスコースを作っていた事。またトーマスがサリーダして3-2-5のバックラインから持ち上がる動きを見せたり、ホワイトが高い位置へ遠征して幅を生みブロックの歪みを作り出そうとしたりするシーンもあった。

5' ウーデゴールのスルーパスに反応したサカがフリック、抜け出したエディから再度サカに折り返すもVARの結果オフサイドで取り消し

 一度はオフサイドで取り消しになり得点が中々生まれない前半であったが、攻撃陣が特に躍動。崩しに取り掛かる場面をコンスタントに生み出し、相手を常に圧倒しチャンスを作り続けることが出来ていた。

 逆にウェストハムは押し込まれる展開に。ただその分やることはシンプルで、時たま訪れる自陣でのボール奪取シーンからは、彼らの持ち味である長い球を前線が収めて3人目の抜け出し、という工程を徹底して繰り返す事を行っていた。また特に右サイドのボーウェンが高い位置まで侵入することが出来、そこから繰り出されるクロスも主な攻撃方法の一つに。

24' ロングボールをアントニオが収め受け取ったボーウェンがペナ内へ侵入したところにサリバがスライディングでPK献上、ウェストハム先制

 両チームともに作りたいサッカーの形をある程度作れていた中で先にゴールを勝ち取ったのはウェストハム。数少ないアントニオらの抜け出し機会にもサリバ、ホワイト、ガブリエルらが中心となって挟み込み冷静に摘み取っていた中での失点ということに。サリバのスライディングは僅かだがボーウェンの脚に接触しており痛恨のPK献上となってしまった。

 ただそれでも意気消沈せず、かといって焦って速い球を送らずにこれまで通りに押し込み続ける姿勢を崩さなかったのは好印象。得点の匂い自体は依然ぷんぷんしていた。

48' 前半ラストチャンスとなったCK。折り返しを受けたウーデゴールのシュートがクレスウェルに当たりPK獲得もVARの結果接触したのは頭とのことで取り消し

 VARに2度苦しめられた前半のアーセナルであったが、後半の早い時間からチャンスを立て続けに決めることに。

53' 高い位置で奪ったトーマスが起点となり、ウーデゴールが放ったシュート性のグラウンダーボールをサカがコントロールして冷静に左隅へ流し込み同点

58' サカのキープからウーデゴール、ジャカと左へ順に展開、最後は一瞬カットインをチラつかせてシュートコースをニアにこじ開けた所を撃ち抜きマルティネッリが逆転

 チャンスの量は確保できた中であとは決めきるだけという状況が続いていた中での連続ゴール。一気に同点から逆転まで成功させる、今季のアーセナルの好調っぷりを感じさせる一連の流れであった。

69' ホワイトがオシャレに浮き玉でプレスをいなしウーデゴールへ、そこからダイレクトで供給されたボールを受けたエディが相手の重心を生かした見事な反転からゴール左隅へ叩き込みダメ押しの3点目

 試合終盤には待望のエンケティアによるゴールも生まれる。若手3トップ全員がゴールを記録するというアーセナルらしいカタルシスを感じさせるダメ押し点となった。

 それでもなお攻撃の手を緩めることは無く果敢に攻めの姿勢を見せるアーセナル。ジンチェンコ、ヴィエイラ、エルネニーらを順当に交代投入しながらも試合はそのままアーセナル優勢を保ってのクローズとなった。

ピックアップ選手

1.マーティン・ウーデゴール

 リバプール戦開始早々の先制点に繋がったアシストを彷彿とさせるオシャレさ、インテリジェンスの高さ、そしてエロさを感じさせる驚異的な配給センスをもって試合を通じ存在感を発揮していた。また活躍は攻撃面だけでなく、守備面では幾度も高い位置でのタックルを成功、ショートカウンターの発動にも尽力していた。完全にチームの心臓となり、彼がボールを持っていると、よい走り込みやポジショニングを行えば必ずボールが来るとチーム全体が信頼している雰囲気がピッチから伝わってきていた。

2.ブカヨ・サカ

 W杯では全4試合に出場&G3をマークしたサカはその結果に恥じないプレーを今節も見せた。試合序盤こそ目立った活躍は少なかったものの徐々にコンディションが向上、複数人に囲まれてのキープ力や先制点の記録などアタッキングサードを支配しており、対面のクレスウェルも黙らせていた。

 他にもPL中断中の親善試合から偽SBとしてのポジショニングに更に磨きがかかったティアニーやアントニオ相手にそこそこ戦えていたガブリエル、ボーウェン、ツォーファル両名にイエローを出させ左サイドを圧倒していたマルティネッリに加え、ボールを受けてからの反転技術がピカイチであったエンケティアなども活躍していた。

全体雑感・次戦に向けて

 ジェズス不在というピンチの中エディの胆力が試される一戦となったが蓋を開けてみれば結果は良好。シュートチャンスを決めきれないシーンが何度かあったがそれはジェズスも同じなのでいいとして、体にキレがありジェズスとはまた違った良さを発揮できておりグーナー各位におかれましては一安心したのではなかろうか。

 たとえ先制されてもどこか余裕さえ漂う今のアーセナル。順当に3点を返して逆転した場面はかつてのボロボロだった数年前のアーセナルとは見違える姿で、最早少し寂しくもあったのは私だけでないだろう(笑)。それほどまでに危なげなく勝利を収めた、そういった一戦となった。

 また今節はスタンドに我らがボス、ヴェンゲル御大とアンリが見に来ていた。彼らレジェンドの前で失態をさらすようなことにならなくて本当に良かった。

 次戦は元旦に行われるブライトンとの試合。W杯で大活躍した三笘と冨安がマッチアップする事が期待されており、日本人として特に見逃せない一戦となるだろう。

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