見出し画像

【アーセナル】PremierLeague/第25節/vsEverton(H)【ごとこの備忘録】

試合前展望

 今節をもって2位シティと試合消化数が並び、仮定の話を抜きに優勝争いを考えるようになる大事な試合であるエヴァートン戦。

 記憶に新しい前回対戦時は降ってわいたような突然の敗戦によりアウェイで辛酸を舐めさせられたばかり。アルテタのショーンダイシとの相性の悪さに更に説得力が増してしまう結果となったが、今節こそはホームで勝つ必要がある、マストWinな試合である。

試合結果

ARS 4-0 EVE
ARS:サカ 40'(Aジンチェンコ) マルティネッリ 45+1'(Aサカ),80'(Aエンケティア) ウーデゴール 71'(Aトロサール)
PL公式MOTM:サカ
Arsenal公式,個人的MOTM:マルティネッリ

https://www.premierleague.com/match/74971

スターティングメンバー

左アーセナル、右エヴァートン

試合展開

 アルテタはメンバー固定癖、特に上手くいった試合はそれが通常と異なる人選でも次節以降継続して使う特徴があり、今節でもそれは表れトロサールCF+ジョルジーニョアンカーを続投させた。またベンチ入りしたESR、キヴィオルは先日U21でプレー、トップチームでのお披露目が更に待たれる。

 対するエヴァートンはキーマンカルヴァーと=ルーウィンが不在、コーディもベンチからスタートを伺う形に。

 試合は降格圏に沈むチームがアウェイに乗り込んできたという背景通り、アーセナルがボールを持つことを厭わずそこを前提とした立ち回り。ただ引いて守るのがプランだったが、前線のプレスが少々属人的で散発的なものが目立っていた。ここはウーデゴールのライン際へ流れてくる動き等で簡単に突破でき容易にアタッキングサードへ侵入出来ていた。

 ただこれは試合開始直後のみ。ここからホームアーセナルは大苦戦を強いられることに。

 散発的だった前プレは即座にブロックへ吸収・整備され帰陣の速さも発揮。アーセナル側がボールを持つと加えて常に9人以上前にいる状態で、コンディションがよろしくなかったジョルジーニョを中心にロストが多発したのもあり攻撃面で非常に苦労した。

 試合はそのまま30分以上継続。地の利をもってしても人海戦術への有効な解決策を見い出せず、ゴール前でのアクションは全くと言っていいほど上手くいかなかった。だがそんな状況をワールドクラスのヘイルエンド産若手の右足一振りが一変させた。

40' 右ハーフスペースまで流れてきたジンチェンコが最終ラインの僅かな綻びに居たサカへ楔を差し、受けたサカが見事な反転から逆足でニアハイを撃ち抜きアーセナル先制

 ここまで完璧に近い守られ方でしぶとく耐えチャンスを一突きしようとしていたエヴァートンのプランが上手くいっていた中で、そのプランを瓦解させるとてつもなく大きい先制点を無に近い状態から2人が生み出した。

 また直後更にスコアを突き放す追加点を獲得。

45+1' ウーデゴールのロストを回収した後悠長にバックパスをしようとしていたゲイェを後ろからサカとマルティネッリが強襲、奪ってマルティネッリに預けピックフォードとの1vs1を制しゴール、VARの結果認められアーセナル2点目

 ショーンダイシの特徴であるフィジカルとバス停車で守ってくる戦い方に苦しみ続けた前半であったが世界に誇る21歳の若手2人がそれぞれリーグ2桁得点に到達したゴールで打開。あとは多少なりとも前に出てくるであろうエヴァートン相手にどれだけ追加点を狙えるかという勝負へと移り変わっていった。

 後半、アーセナルはジョルジーニョに代わりトーマスを投入。2点リードの状況という事で、アタッキングサードでアイディアを発揮できるジョルジーニョより敏捷性とボール奪取に長けたトーマスを入れ守備強度を担保する狙いがあったように思う。またジョルジーニョは発熱が確認されていた中でのプレーだったという事が後ほど判明し、そういった意味でも早めの交代に踏み切ったのだろう。対するエヴァートンは懲罰交代の意味合いも含まれているだろうゲイェとホルゲートの交代を行った。

 そして目論見通り立ち上がりは積極的なプレスを敢行してくるエヴァートン。しかし冒頭でも触れたように後ろが付いてくる気配がないためまたしても早々に諦めていた。

 60分にはモペイ、コールマンに代わりグレイとゴドフレイを投入、インテンシティを担保。

 しかし依然得点の匂いがしないエヴァートン。唯一のチャンスマクニールのシュートもラム神のファインセーブで阻止。逆にリードで余裕が生まれたか前半と打って変わってイキイキしたアーセナルが何度もゴールに迫る展開に。

71' 自陣から丁寧に繋ぎジャカ→トロサールと展開、ボックス内へ切り込んで折り返したところにウーデゴールがパス性のシュートで合わせアーセナル3点目

 得点直後トロサール、ジャカに代わりエディ、ヴィエイラを入れるアルテタ。そして勢いそのままに更なる追加点を獲得。

80' ジンチェンコの良い楔にエディがインナーラップで受けて折り返し、走りこんだマルティネッリが冷静に流し込みアーセナル4点目

 直後ジンチェンコとサカが下がり、ティアニーと満を持して我らがスミスロウが交代投入。慢性的な怪我に苦しみ手術を敢行、徐々にコンディションを取り戻す動きがようやく実を結んでの戦線復帰となった。おかえりなさい泣泣泣泣泣

 またティアニーはジンチェンコと同様偽SBロールを与えられた。が個人的にはシンプルに大外を駆け上がる従来のSBとしてESRが中央でプレーするシーンが見たかった。一度そのようなシーンがあったものの、ティアニー自身の強みを生かした戦術をぜひともアルテタには考案して欲しいところ。このまま出番なく退団する未来にだけはなってほしくない。

 なにはともあれ無事勝利することが出来たアーセナル。一時はどうなることかと思ったが、結果としては4発大勝&久しぶりのホームでのクリーンシートという大満足の結果に。

ピックアップ選手

ガブリエル・マルティネッリ

 最近は得点機会に恵まれず今節もサカが目覚ましい活躍を見せていたが結果として2得点を獲得。やはりCFトロサールとの相性が抜群なのか、中央でのプレー機会が多かった前節・今節はマルティネッリの推進力と瞬発力、それとワンタッチプレーの精度の高さを発揮していた。これでリーグ11得点目となりチーム内トップスコアラーに。

ガブリエル・マガリャンイス

 前半の攻めあぐねている展開では特に大活躍。得点に直結しそうな危険なプレーをフィジカルと読みの鋭さでストップし続け、それでいて縦横無尽に動き回るジンチェンコが空けたスペースをも管理する超人っぷりを見せた。リーグでもかなり過小評価されている選手ではないだろうか、彼の安定したプレーは目を見張るものがある。

全体雑感・次戦に向けて

 前半終盤とそれ以降で全くもって風向きが変わった試合。得点力が大爆発しての圧勝という事でアーセナルが首位たらしめる満足度の高い内容・結果となり一安心である。

 また、今節の勝利によってプレミアリーグにおける対エヴァートン戦で通算100勝目となり、リーグ史上初の単一チームに対する最多勝利数を記録という名誉ある実績も打ち立てた。

 そしてスタメン組の勢いは勿論のこと、ジョルジーニョが不調であっても控えからトーマスが出せ、ESR、ティアニーらシーズン終盤を戦う上で必要不可欠な選手たちも試合勘を取り戻す試合となり層の厚さも感じた。

 残り13試合、いよいよ佳境へと突入する22/23プレミアリーグ。ELも再開するという事で次節のボーンマス戦から超過密日程が挟まる部分があり、すぐ後ろにシティが付いてきている難しい状況でもある。一戦一戦を大事に適宜ローテーションを挟みつつ試合をこなしていくうえで、選手たちの頑張りは勿論アルテタの手腕も試される。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?