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【アーセナル】PremierLeague/第20節/vsEverton(A)【ごとこの備忘録】

試合前展望

 ムドリクのハイジャック事件やブライトンのカイセドを意地でも出さない強硬姿勢といったアクシデントがありつつも、補強ポイントであったマルティネッリとガブリエルの控えであるトロサールとキヴィオル、そして最終日に長期離脱のエルネニーに代わり経験豊富なジョルジーニョを獲得と概ね満足のいく結果となった22/23冬の移籍市場。またマルティネッリの契約延長やアルテタのMOTM獲得といったポジティブなトピックもある。

 新たな仲間を迎え更にタイトルへ向けエンジンをかけ直す後半戦の初戦は、ついこないだランパードが解任されプレミアに帰ってきたショーンダイシが就任したばかりのエヴァートンである。

 監督交代からも分かる通りエヴァートンは現在絶不調。勝ち点も暫定最下位の15ptで19位と降格の大本命となってしまっている。

 タイトルを目指す今季のアーセナルにとってはアウェイとはいえ確実に取りこぼしてはいけない試合。早い時間にリードを広げ新戦力のお披露目もして欲しいところ。

試合結果

EVE 1-0 ARS
EVE:タルコフスキ 60'(A:マクニール)
PL公式MOTM:タルコフスキ

スターティングメンバー

左エヴァートン、右アーセナル

試合展開

 試合開始から徹底して4-5-1ブロックを形成し人数をかけて耐えるエヴァートンと、それをどうにかこうにか攻略しようとするアーセナルの構図が構成された今節。

 ニューカッスル戦の固い試合展開を彷彿とさせる走り出しで、アーセナル側はラインブレイクより大外へ預けるところからファイナルサードに侵入することを図った。

 しかしこれは全くと言っていいほど上手くいかなかった。エヴァートンはサカ、マルティネッリ両者にSBとSHが必ず2人付き、ドリブル突破によるボックス方向への前進を阻むことを第一優先で間合いをすぐ詰めボールを自陣から引き離すように戻すことに成功していた。

 ここでマイナス方向のパスを受けた選手がダイレクトでアーリークロスを入れるなどして守備方法を変えさせる動きが欲しかったがほとんど見られず。エヴァートンの望むゲーム展開に乗っかってしまった印象。

 また今節はチーム全体的にコンディションが良くなかったように見えた。

 特にここまで好調だったホワイトは守備面で奮わなかったし、ジャカはあまり存在感がなく、マルティネッリは依然として縦のドリブル突破における引き出しの少なさでサカ以上に大外レーン攻略に苦戦していた。

 対するエヴァートンは攻撃面でも概ねプラン通りだった模様。ショーンダイシ監督の十八番ともいえる低い位置での奪取がメインでそこから長い球を用い陣地回復、少ないパスワークから最後クロスをエリア内に放り込んでゴールに迫る戦法を用いて、ポゼッション率から見込める以上の決定機数を作り出すことに成功していた。

 これは後半も引き続き変わらない傾向。いや、むしろアーセナルは更に苦戦していた。ゴールを奪えない焦りからか、はたまたグディソン・パークの雰囲気に吞まれたからなのか、前半以上にパスズレが散見され、決定機も吹かしてしまうなどミスが多く見られた。

 60分ごろにはジョルジーニョ、トロサールを投入し活性化を図るアルテタ。しかし新戦力たちが試合に溶け込む前に失点をしてしまうことに。

60' マクニールの放ったCKにファーに走りこんできたタルコフスキが頭で合わせエヴァートン先制

 まさにショーンダイシ監督がやりたかった形だろう。高さとフィジカルを中心に踏ん張って時計の針を進め、セットプレーから強引に得点を奪う。前半から数多く蹴られたCKにアーセナルは耐えきれず先制点を献上してしまった。

 その後もヴィエイラ、冨安を投入しつつなんとか打開しようとするアーセナル。しかし守備組織に加えてファールまがいのラフプレーやモペイの悪意あるプレーの連続に勢いを削がれていったのもあり結局得点を奪えず。今季PL2敗目を喫した。

ピックアップ選手

 今節は無し。上で触れたコンディションが悪い選手たちはトロサールや冨安など幸いにもスタメン級の控えが居るので一度バトンタッチしリフレッシュして欲しい。

全体雑感・次戦に向けて

 後半は全グーナートラウマのモペイが登場し暴れ散らかすなど敗戦にプラスした胸糞さもあり苦々しい敗北を味わってしまった。

 また、試合を通して良いところがあまりなかったアーセナル、といった姿がどこか数年前の暗黒期を思い出させるようなもので久々にあの頃のように気持ちが沈んでしまった人も多いだろう。

 ニューカッスル然り、固く守り少ないチャンスを仕留めてくるような相手に有効な手段を持つことが出来ていない現在のアーセナル。本気で優勝を目指すならばこういった相手にも泥臭く勝ち切ることは必須である。

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