だから我々が尊厳を失くすわけにはいかない。
アウグストゥスに関しては、
大学受験の時日本史選択だったもんだから、
正直背景から何まで全然わからんわけです。
でもこれだけはわかる。
宝塚観てりゃみんな知ってますね。
そう。カエサルは偉い。
そして夏美ようさんは格好いい。
そのカエサルにブルートゥスが反旗を翻して揉めるってことくらいしかわかってない状態で観に行ってきました。
簡単に話すともうかなりローマがマジでえげつなく揉めてたけども、
カエサルが勝ってローマを治めますよ〜イェーイワシが独裁官じゃ〜!宴やるぜぇ!!
となったところから話はスタート。(そんなノリでは無いです。)
内乱で死んだ反カエサル派(言い方があってるのかわからん)政敵ポンペイウスの娘のポンペイアがヒロイン、
主人公はカエサルを大叔父様〜つって慕うオクタヴィウス(のちにアウグストゥス)というわけです。
二人は生まれも立場も敵同士であって恋人にならないし、
かと言ってものすごい憎み合うわけでもない、絶妙かつ繊細な関係性で斬新です。感情剥き出しにしない分、演じるの難しそうっすよね。(誰目線)
オーケストラの演奏!!!!オーケストラの演奏が帰ってきた!!!!
それだけで涙ぐんじゃうよな。
オクタヴィウスの友人なのか臣下なのかのマッスル担当アグリッパ。
めちゃめちゃかっこいいスライディングで出てくる。水美舞人(みなみ まいと)さんの身体能力の高さを感じられますな〜。
筋肉頭のアグリッパ〜て聖野あすかさんに煽られてたけど(語弊)
いいヤツですよねアグリッパ。冒頭から敵のアジトを一人で壊滅させるし。
口いっぱい頬張って飯食いそうな感じがして好感度が高い。
永久輝せあ(とわき せあ)さんのブルートゥスはジェダイみたいな格好してるシスでしたね(スターウォーズの要素は無い)、
キャプテンネモとかの時もそうでしたが、永久輝さんのちょっと狂った感じの演技が好きなので今回もジェダイからシスという暗黒面に堕ちる感じが最高でしたね。(スターウォーズじゃないです。)
あともう後半の柚香光(ゆずか れい)さんのアウグストゥスの緑とも青とも言い難い衣装ですよ。めっちゃ良かった。
前半の華優希(はな ゆうき)さんのポンペイアの青いドレスも良かったよな〜。
衣装しか見とらんのか?
そういうわけじゃないんすよ、ちゃんと瀬戸かずやさん演じるアントニウスが民衆に歌いかける時の手の指をピロピロするところ、すごい好きだな〜とか、
音くり寿さんマジで儚いのも強いのも出来て最強が過ぎるなとか、
ちょいちょい出てくる民衆にニュースを伝える三人組の歌唱力高いなとか、
クレオパトラ様の従者してる冴月瑠那さん美し過ぎるな〜とか、
部下の和海しょうさん24時間365日良い声だな〜とか、
そういうところも観てましたよ。
でも飛ぶんすもん、ヅラが。
中空を舞うんすもん。
クレオパトラ様の髪の毛の塊が。
もうそれで全部持ってかれたね。
その後かぶる帽子なのかアーマーなのかヘッドパーツなのかみたいなやつもインパクトが凄かったね。
凪七さんの全長が2mに達する瞬間なわけですから。
20頭身くらいあったね、お顔が小さいんでね。本当にそれぐらいあるんじゃないのか?
凪七さんのお顔は握り拳くらいのサイズですからね。
ま〜・・・やっぱ肉なんすよ。
何って皆さんもちろんお分かりだと思いますけど、宝塚歌劇団花組トップスター柚香光(ゆずか れい)さんの好物の話ですよ。
見たことありますか?漫画肉。最近の宝塚はトップスターが波動砲を撃ったりラップバトルしたり、禁煙マークをブチ破ったり、なかなか攻めた内容が多いんすけどね。
本公演でも来たね、漫画肉。
(全ツExciter!!2018から約3年振り)
ちなみに次の月組公演では猪の丸焼きも出てきます。
それも2013年宙組公演のモンテクリスト伯の豚の丸焼きの比じゃないサイズで出てくる。
宝塚でデカい肉出すのが流行ってるのか??
というわけで、ショーCool Beast!!の話なんすよ。
なんすかね、もう肉とミラーボールと女装で感じる圧倒的な大介感。
(※大介とは演出家藤井大介先生のことです。)
パンフレットの開襟具合でショーのアツさがわかるってもんですよ。
(※藤井先生はいつも開襟している。)
全体的に狼と美しい華の物語という構成で仕上がったアツいショーなわけなんすけど、
狼の結婚式ではお肉が出てくるよ〜〜♪(やったね〜)みたいな歌の後にね、
トップスターがデカい肉の奪い合いをすると思わないじゃないですか。
するんすよ。
宝塚の肉の奪い合いはものすごいスタイリッシュなんでね、踊りますよ。
戦闘も軍事演習も剣術稽古もダンスで表現しますからね宝塚は。
ものすごいクールでスタイリッシュなダンスなんですけど、
終始手に持ってるんすよデカい漫画肉を。シュール過ぎる。
常にキメキメだけど肉は手放さない。それがCoolBeast!!
そんなシュールな場面もあったのに、あったのにですよ。
今回の公演で退団する瀬戸のアニキがね、
覚悟を決めた表情で、大階段を降りてくるんすよ。
18年間の集大成として。
その日が大劇場でお客さんを前にする最後なのだと決意に満ちた顔で。
格好いい以外で表現する言葉が出てこねえほど、痺れるくらい格好いい。
最後に花組を観に行った日が4/25午後、
まさに緊急事態宣言で公演が休止になる前、最後の公演だったんすよ。
ショーで全てを出し切ろうという気迫、熱さ、もちろん普段から舞台の上に立ってる方々は日々全力なこと、知ってるんですけども、
それでも4/25の公演は鬼気迫るエネルギーがありました。
それは客席も同じで、場の全員がこの公演の成功を祈っていて。
そして来られなかった人の分も代弁するように万雷の拍手を送っていて。
願いとか祈りってものが形になって目に見えるなら、
まさにこの劇場の空気そのものだろうなというか。
言葉にするのは難しいんですけども、
拍手が降り注ぐとはこういうことだなって感じましたよ。
終演後、千秋楽のようにカーテンコールが何回も続きました。
その日の幕が降り、公演が休止してしまうのを惜しむように。
それでも柚香光さんが仰った一言一言が素晴らしくて、
その言葉のおかげで自分はこの状況を憎まなくて済んだように思います。
(※流石に一言一句覚えてないんでニュアンスで申し訳ないです。)
「(公演中止に関して)皆様が宝塚を大切に思うそのお心ゆえに、そのお顔が曇ってしまうことが無いよう、心より願っております。」
「中止が決まった時の仲間たちの反応が忘れられません。小林一三先生の教え「清く正しく美しく、朗らかに」とはこの姿を言うんだなと。」
あの日の花組と、この言葉を思い出すたび、
外に出ても口を縫い付けられた人並みに喋らないぞという気持ちになるぜ。
基本的に一人で出かけるから必然喋らないんですけど、
人と居ると難しいんだろうなってのもわかるからなんとも言えんすよね。
先日月組公演を観に行ったんですが、
以前に増して劇場が静かで驚きました。さすが宝塚ファン。素晴らしい。
だから我々が尊厳を失くすわけにはいかない。
東京宝塚劇場、花組初日の幕が開いて本当に良かった!
千秋楽までどうか無事、幕が開きますように。
パンフレットのビジュアルすごすぎて買っちゃったよ。
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