【GT7】マクラーレンVGTは何故鈴鹿の130Rでスピンするのか?
こんにちは、ブラボーです。
皆さんは先週の4/4から始まったラップタイムチャレンジ 「鈴鹿サーキット - マクラーレン アルティメット VGT」はやりましたか?
Xでの反応を見ていると、「130Rでスピンする」「クソ挙動」とネガティブな反応を多々目にします。そこで何故マクラーレンVGTが鈴鹿の130Rでスピンするのか考えてみました。
この記事が何かしらお役に立てれば幸いですがド素人の雑考・妄想故、理屈の整合性は保証できません。悪しからず。
◆犯人はアクティブエアロ
結論から言うとアクティブエアロが原因だと思います。アクティブエアロ動作時にリア側のダウンフォースが不足、コーナー通過中にオーバーステアが生じスピン、という仮説です。
実際に走行してみると車の挙動自体は基本的に弱アンダーで、130R以外ではオーバーステアの兆候はほぼ見られません。130Rに限って言えばステアリングの切り過ぎでスピンに至るケースもありそうですが、車両のディメンション由来のオーバーステアではないように思います。
次に考えられるのはダウンフォース(以下DF)の問題です。全体的なDF不足の場合、オーバーではなくアンダーが出てコーナーを曲がり切れなくなる筈です。ところが非常に高い速度域でもコーナーへの進入自体はできている事から、消去法でリア側のDF不足で破綻しているという結論に至りました。
では何故リアDFが不足してしまうのか見ていきましょう。
この車のアクティブエアロについて公式の解説を見ると、コーナリング時に稼働する空力可動物が車両のエアイントレット開口部周辺に備わっているそうで、これを開け閉めしてDFを増減させる仕組みのようです。
実際にリプレイで走行中の車両を見ると、図の通りフロントウイングとリアディフューザーで可動する2枚のフラップが確認でき、フラップは走行中の状況に応じて常時開閉角度を変化させています。
また走行中ステアリングが直立かつアクセルオンの時にDRSが使用可能で、作動中はフラップを全閉させストレートスピードを稼ぐ事ができます。しかしDRS使用可能な状態は他車種より判定が厳しく、本当にステアリングを真っ直ぐ保持していないとDRSが使えません。
これはDRS作動時に大きくDFが減少、通常なら普通に通過できるコーナーでも挙動が乱れ操作困難になるのを防ぐ意味で厳しくしている事が窺えます。つまりDRS含めフラップの開き具合がDF量・操安性に大きな影響を与えていると考えて良いでしょう。
以上のことから、アクティブエアロの状態はおおまかに3段階ある様に見えます。
セッティングシート上ではリア側のDF値は1800とゲーム中最大級の数値が設定されていますが、あくまでフラップが全開の時の数値で、上記の状態に応じこの最大値から差し引いたものが走行中に発生している実際のDF量だと思われます。
そして最後にフラップ展開のタイムラグです。リプレイで確認する限りでは約0.3秒ほど掛けて全閉から全開の状態になっています。この間にも車は330~360km/hの速度で移動しており、130Rの場合フラップが展開しきる間に約19m程、この車で言えば4台半の距離を進んでいる事になります。
これらの要素を踏まえた上で改めて何が起きているのかまとめると、コーナー進入時アクティブエアロのフラップ展開が僅かに間に合わず、リアのダウンフォースが不足したままターンインした結果、オーバーステアが起きてスピンしているという事です。
◆スピンの対処法と他補足
結局どうしたらスピンを安定して防止できるのかという話なりますが、ターンインの前にアクセルオフを行うことで安定して130Rを通過できます。理屈としては、ターンイン前に確実にフラップを立ち上げてダウンフォースを稼ぎ、車の動きを安定させているだけです。
操作的にそんなに難しくなく、何方でも130Rを安定して通過できるようになると思います。
具体的な手順は以下の通り。
①アクセルオフ
②ステアリング操作
③アクセルオン
アクセルオフを行うタイミングですが、タイムを狙いたい方は50m看板辺りを目安に。とりあえず練習・様子見したい方は100m看板と50m看板の間くらいからアクセルオフで良いと思います。ステアリング操作はできるだけゆっくり、最小限の舵角で抜ける様にしましょう。
一応自分はこの方法で解決しましたが、他に良いテクニックがあれば教えていただきたいです。
なお世界トップの方は50mよりも奥でパーシャル状態にして通過していますが、アクセルオフにするタイミングを遅らせれば遅らせるほどステアリングの舵角量や切るタイミングがシビアになっていきます。
ゴールドタイム狙うだけなら130Rで無茶するよりも、S字やデグナーといったタイムへの影響が大きい他区間の習熟に当てるのも一つの手でしょう。
◆まとめ
3行に要約するとこうなります。
・アクティブエアロによってDFが可変
・コーナー進入時のリアDF不足でスピン
・コーナー前にアクセルオフしてDF確保で解決
アクティブエアロの問題とは言ったもののF1マシンでも130Rの通過速度は300km/h強であり、制約の無い架空の車とはいえ360km/h以上の速度で130Rを通過するには、最早ファンカーやトマホークの様なトンデモテクノロジーでもない限り難しいのかもしれません。
開発者の方のインタビューをみると、VGTなど特殊な車の挙動は別途で作りこむケースがあるようです。実際のモータースポーツでは禁止されている事が多いアクティブエアロの制御は模範となるモデルがなく、手探りなのかもしれませんね。
130Rでの挙動ばかりが槍玉に挙げられがちですが、基本的に良く曲がって速い車だと思うので、頑張ってゴールドタイムを目指しましょう!
おしまい
◆参考・出典・引用
マクラーレン アルティメット ビジョングランツーリスモ - グランツーリスモ・ドットコム
https://www.gran-turismo.com/jp/vgt/mclaren/
車両シミュレーション開発エンジニア - Polyphony Digital
https://www.polyphony.co.jp/people/418/
◆おまけ
自分がタイムアタックした際のビデオクリップになります。
https://www.gran-turismo.com/jp/gt7/sportmode/event/9334/
記録は1'37.880で、ランキングは世界33位/155990位になりました。トップ50以内は自己ベスト順位であり、嬉しかったです。
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