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高校三年の夏休み最後の日曜日、吹奏楽部の定期演奏会は、ヤバいくらい盛り上がって終わった。 うちらの部にとって年に一度の定演はめっちゃ熱いイベントだった。一週間前から恒例の合宿が始まっていて、終わった翌日に解散する。そして北国の短い夏も終わってしまう。 プレッシャーからの解放と終演間もない興奮がごちゃ混ぜになって今夜の高揚感は格別だ。誰が誰を好きだろうがそうではなかろうがそれを叫んでしまいたくなる魔法の夜だった。 同室のフルートの後輩、ピロコがそわそわしている。