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読んだ、見た、やった(2023年10月後半~11月頭)

10月後半から11月頭くらいのインプットややってみたことの中から選り抜きサザエさん。


絵と言葉の一研究 寄藤文平

仕事で、わかりやすいって何だろう?と考えていたときに買った。
本書の著者は装丁デザインなどをこなすデザイナーさんである。
デザイナーさんという人種とじっくり喋ったことが人生においてほぼなく、こういう人たちは一体どういう世界観で世界を見ているのだろうという興味もあった。

この本で、著者は「わかる」と「わからない」の状態を行き来することそれを活発にすることが「わかりやすさ」の価値ではないか、という話に及んでいる。「わからない」ということは無価値なのではなく、「わかる」ということがイコール全てではない、という。
それでも「わかりやすさ」を提供しようとする場合、その根源にはたぶん「そのものの良さを伝えたい」という気持ちがあるということも。
なんとなくわかる気がする。

なお、デザイナーさんの世界観がわかったかといえば、わからなかった。
どういうところに思考が及んでいるのかの一旦を垣間見ることはできたように思えるが、それが自分の中で明文化できたか、たとえばデザイナーのキャラクターを生み出して、何をせずとも動かせるようになったかといえば違う。

もう少し時間を置いて、「わかる」と「わからない」を行き来したいなと思う。


紙と印刷

竹尾PAPER SHOW 2023

友人に行く?と聞かれて二つ返事で行った。
展覧会系のシステムで予約をさせられて行ってみたら、平日昼間なのにめちゃめちゃ人がいた。
半分はパッケージデザインのコレクション(?)の展示だったので、デザイン系の学生さんや、デザイナーさんが多かったのかも。
とにかく人が多くてびっくりした。

展示はパッケージデザインの面白さに着目したものと、紙の特性について考える実験的な作品の展示のふたつが目玉だった。
普段の生活では情報を載せる媒体として紙を扱いがちだが、紙の物理的な側面についてフィーチャーされた展示が多く、新鮮さがあった。
特に、塗る紙とA4の紙を物理的に圧縮すると7mmのコイン上の塊になる、という展示がお気に入り。紙って面白い。
これを無料でやるのはなかなか気合入っている。

展示を見終わったあと、ついでなので竹尾のショールームにも足を運ぶ。
壁一面の紙収納棚に地図屋でバイトしていたときのことを思い出した。
色とりどり、質感もさまざまな紙を見ていると、なにが作れそうかなとわくわくしてしまう。


初めてのシルクスクリーン

竹尾で浮かれすぎて、大人の科学マガジンのシルクスクリーンのキットを買ってしまった。

  • 趣味用の名刺を手作りしたい

  • 紙の風合い生かすらなら不透明インクで印刷がしたい

  • プリントごっこが一番だが、とっくの昔に製造終了している

  • じゃあシルクスクリーンやってみるか

と、ややいくつかのステップを飛ばしつつ、丁度立ち寄った画材屋で売ってたので買ってみてしまった。

そこから1週間弱、なんとか図案を考案し、仕事から帰ってきてはせっせと準備をすすめて本刷りに漕ぎつける。
しかし、結果は無惨なことに。

シルクスクリーンの仕組みをざっくり説明すると、網の上に膜を張り、そこに穴を空けてインクを通し、下の紙に転写する。
そのため、印刷したい図案の部分は穴が開いていなければいけない。

ところが私の場合、図形が細かすぎたせいか、あるいは膜となる薬品を多くつけすぎたのか、版に穴が上手く開かなかった
2日ほどかけて膜に千枚通しで穴を空け、図形の形に白インクが刷れるようにしてみたものの、崩し豆腐で絵を描いてるの?と言いたくなるようなもろもろの状態に。
おまけに、最後の仕上げに使ってみようと思っていた、だいぶ前に頂いて使う機会がなかった自家製箔押しキットも扱いが難しく、思った場所に箔が載せられなかった。
見事なまでの惨敗である。

とりあえず、お手本を見る限り豆腐になるのが正解とは思えないので、薬品の分量を変えてもうしばらく練習してみようと思います。


映画

G-1.0(ゴジラマイナスワン)

ゴジラは詳しくないが、あんまり見たことないものがいっぱい見られて面白かった。今回のゴジラ、犬みたいでかわいい。
展開も容赦なくてよい。太平洋戦争の一部を描きつつも美化せず、個人から見た終戦というテーマを描き切っていて、ドラマとしても見ごたえがあった。
ここ面白かったポイントが色々あるんですが、さすがにネタバレには早すぎるので、また別の機会に。


君たちはどう生きるのか ガイドブック

ようやくパンフっぽいパンフが出てきた。ゴジラ見に行ったときに買いました。
まだぱらぱらっと読んだだけだが、宮崎駿の本作に対するスタンスとアニメーター座談会が非常に読みごたえがあった。

以前のnoteで、本作は宮崎駿の頭ン中そのまま出してきた感がある、ということを書いてみたが、その感覚は声を担当したキャスト陣にもあったらしいのが面白いなと思った。


この2週間くらいはライブやイベントでバタバタしていたので本を読む時間があまりとれなかった。
その代わり、なんか作ったり書いたり、作業したりすることに時間を使った。手を動かすことも楽しいのでまあこれはこれで。

あとは10年以上使っているネタ帳兼TwitterログだったEvernoteをUpnoteに切り替えた。10年経ったら家電も買い替える。サービスも文化も切り替わる。そういう話かもしれないなと思いつつ。

ばたばたと年末にかけて忙しくなるが、年内にもう1冊くらいは活字を読めればいいなと思います。

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