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「強制ベース」から「賛同ベース」・「イヤイヤベース」から「やりがいベース」への転換

 日本のPTAは発足以来70年以上にわたって「学校に当たり前にある団体」として存在してきました。しかし現在、PTAは「社会問題」として取り上げられています。近年取り上げられているいわゆる「PTA問題」とは、「強制加入」・「強制参加」という「強制」・「強制感」の問題であることは以前に整理しました(「強制のないPTA」とは?)。また、「PTAなんて必要ない」「そもそもPTAは必要か?」というようないわゆる「PTA不要論」も出ているように、PTAはそのあり方に変化が求められ、これからのPTAは「強制加入」・「強制参加」など「強制」のない運営をする必要があります。

「強制ベース」から「賛同ベース」への転換

 「強制」のない運営をするために、これからのPTAの運営は「強制ベース」から「賛同ベース」への転換が必要になります。
 そのための課題は2つあります。

 1つ目の課題は、強制のない運営をするための方法やシステムの課題です。
 入退会の方法の整備・周知を前提とした「加入してもいい」「加入したい」という主体的な加入と、「活動エントリー制」などの自由な参加を集める方法を導入して、「参加してもいい」「参加したい」という主体的な参加が必要です。

 2つ目の課題は、PTAの目的に対する理解と賛同の課題です。
 主体的な加入・参加を集めるためには、PTAの目的や活動の意味を理解して納得して賛同してもらう必要があります。そのためには目的や意味を確認して明確にしなければなりません。

アートボード 1@4x-8

図1 「強制ベース」から「賛同ベース」への転換

 これからのPTAは「強制」をすることなく、PTAの目的や活動の意味を理解して賛同した人の主体的な加入・参加によって運営することになります。言い換えると、これからのPTAは「強制ベース」から「賛同ベース」に転換する必要があるということです。

「イヤイヤベース」から「やりがいベース」への転換

 PTAは「子どもたちのため」とよくいわれます。子どもたちの通う学校を基盤とする団体ですから「子どもたちのため」という大きな「理念」は間違いのないものだと思います。ただ、活動の「目的」としては大きすぎるのではないでしょうか。
 PTAの「子どもたちのため」とはどのようなものなのか、が曖昧なままだと、「わが子が通う学校の『子どもたちのため』にPTAで活動をするのは親の義務」と「〝義務だから〟感」からだけの活動になってしまいます。また、「子どもたちのため」という大きすぎる「理念」のために、PTAの目的や活動の意味を考えたり判断したりする基準を見失しないがちになっていると感じています。
 「わが子が通う学校の『子どもたちのため』にPTAで活動をするのは親の義務だから、(本当に意味のある活動かどうかはよくわからないけど)これまでどおりの活動をしてやり過ごす」という「〝義務だから〟感」「強制『感』」からの活動スタイルから、今後は「PTAの目的に賛同して入会して、活動の意味を理解して参加する」という活動スタイルに変えていく必要があります。
 言い換えると、これからのPTAは「イヤイヤベース」から「やりがいベース」に転換する必要があるということです。

 これからのPTAは、あらゆる強制をなくした上で、目的を明確化して説明し、その目的に賛同した人たちが目的に沿った活動することで、「強制ベース」から「賛同ベース」への転換、「イヤイヤベース」から「やりがいベース」への転換をしていくことが必要になると考えます。 

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