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【2022年4月フクシマ部現地ツアー】参加者レポートVol.2~陶吉郎窯 訪問~

こんにちは。フクシマ部のとっしーです。

フクシマ部ツアーの中で、
福島県いわき市の「陶吉郎窯(とうきちろうがま)」を訪れてきました。
その前に訪問した「HOPJAPAN」さんからの紹介です。旅はこういう偶然の出会い、ご縁からの遭遇が面白いですね。

陶吉郎窯は、もともとは福島県浪江町にあった窯元さんです。浪江町は大堀相馬焼という焼物で有名で、20を超える窯元さんがありましたが、2011年の原発事故で帰還困難区域になりました。いくつかの窯元さんは、浪江町外に新しい拠点を構えて焼物を再開しています。

2か月前に浪江町を訪れた時にこのお話を聞いていたので、今回偶然にその窯元さんの1つを訪れることができて、良い機会になりました。

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(奥:陶吉郎窯ギャラリー、中央:窯主近藤学さん、右:工房)

陶吉郎窯は、いわき市四倉町の海の近くにあります。かつては私立美術館だったそうです。中に入ると、窯主・近藤学さんの作品や、息子・近藤賢さんの作品を見ることができます。

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窯主・近藤学さんのインタビューも流れていました。移転の経緯、焼物への想いなどお話しされていて、「陶芸家にとって、元々の産地を離れるっていうことは、致命傷だと思うんだよね」という言葉が印象的でした。それでも、一日も早く作陶を再開したいとの想いから移転を決意なさったそうです。

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(右:陶吉郎窯窯主 近藤学さん)

窯主・近藤学さんにお話を聞くことができました。

陶吉郎窯では登り窯で陶器を焼いています。近頃はガス窯や電気窯が主流ですが、近藤さん曰く、機械任せではどうも落ち着かないそうです。登り窯で薪を使って焼き、その薪の灰が焼物に付いて、それがまた高温で溶けていくことで、特有の模様ができるそうです。

象嵌という技術についても教えていただきました。近藤さんの陶器の表面には、雀や竹などの美しい模様が描かれています。私はてっきり筆で描いているものかと思っていましたが、作品を掘り、そこに違う色の土を埋め込んで焼く、という気の遠くなるような作業を行っているそうです。3か月や4か月かけて作った作品が、焼いてみたらどこか剥がれていてダメだった、ということもままあるそうです。近藤さんはそんな話を楽しそうに語ってくださいます。最後は窯任せということを、本当に楽しんで愛してらっしゃるように感じました。

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(陶器と、象嵌の説明パネル)

近藤さんは先述のように、元々の産地=浪江町で焼物を焼くことを、大事に想ってらっしゃいます。ただそれは容易ではなく、ご家族の考えや、資金面など、いろいろなハードルがあるそうです。また、大堀相馬焼の伝統を繋いでいくためには、自分のところだけ戻っても駄目だと思ってらっしゃるそうです。

「それでも、もし戻れるようになったら、一人でも戻りたいと思ってる。」

そうおっしゃっていました。

陶吉郎窯は、いわき駅から車で20分ほどのところにあります。
近藤さんのモットーは「作品そのもので勝負する」です。ここで読んだお話はひとまず忘れて、作品をご覧いただけますと幸いです。

【関連リンク】
陶吉郎窯 https://www.toukichirougama.com/

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(近藤学さんとフクシマ部のみんな)

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