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【開催報告】フェミニストこそ戸籍を知ろう!(2022/3/8)


こんにちは!学生スタッフのしゅんDです!!
先日、「フェミニストこそ戸籍を知ろう!~夫婦別姓・同性婚・性同一性障害特例法~」というイベントを開催しました。今日はそのイベントの報告をお届けします~~。

こちらをお読みになっている方は「戸籍」について考えたことありますか?

こちらのイベントは、ジェンダーの授業や友達との会話でしばしば話題に上る「同性婚」「夫婦別姓」そして「性同一性障害特例法」だけど、その問題を考えるのに欠かせないはずの「戸籍制度」について考えたことあんまりなくない?ならこの機会に勉強して考えよう!ということで企画されました。

イベントは、前半が担当学スタ3名(しゅんD、けい、カナ)渾身の!!?戸籍制度についての説明と論点提示を行い、後半に参加者からの質疑応答&討論!となりました。
以下ではイベントの報告として戸籍制度の説明を載せますが、これはあくまでも学スタが作成したものです!(ココ重要)
ちゃんと知りたいときは、参考文献を読んだり、図書館で文献検索をしたりしてくださいネ!!!


1.そもそも戸籍ってどんな感じっすか?

そもそも戸籍ってどんな感じ?ってことで、まずは行政の示している「戸籍謄本」の見本を見てみました!
ぜひググってみてください!眺めて「ほうほう…」と見てみると、まずは発見があると思います。
一番上に名前が書いてあるのは誰で….何が記載されていて….本籍ってなんやねん……のようなことを見てみてネ!

戸籍は、パスポートの取得や結婚、相続の時に使います。名前や性別が書いてあるので、名前という生きていくのに欠かせないものを変更するときは戸籍を変更するために家裁に行かなくてはならないのです。

つまり、同性婚や夫婦別姓は「結婚」に関わりますし、トランスジェンダーの人が生きていくのには「名前」や「性別」の変更がかかわります。
この意味で、戸籍制度と今回のイベントのサブタイトルは切り離せないのです!

「でもどこの国でも結婚に使うような国民を登録するものって必要でしょ?戸籍ってそれと同じじゃないの?」という疑問にお答えし、各国の身分登録についても紹介しました。家族単位の登録ってめっちゃ少数派なんですね。
イベント準備中に、学スタ同士で話題になったのですが、「異世界転生したときに『戸籍がない!』的なことを言うやつあるけど、あれって住民登録されてないって意味で戸籍って言う意味ないですよね~」と。
ということで、異世界転生することがあれば、きっと転生先に戸籍はないはずです!少しだけ異世界転生に備えられましたね(?)

2.戸籍ってなんだろう?

「「「存在自体が人権侵害」」」
これは、学スタがパワポを使って説明する中で飛び出したパワーワード。

戸籍制度の歴史的性格を確認しつつ、そのイデオロギー的性格をチェックしました。

イベントでは、戸籍の問題点を指摘する部分はかな~り長くフガフガ言いながらやったのですが、全部やるとnoteを書く指が疲労骨折するので(言い過ぎですが)3つだけ指摘しますね。

①検索的機能
祖先を辿り検索できる。就職の際に利用され、部落差別を強化した。
②家族ワンパック制度
戸籍の最小単位は個人じゃなくて家族!家制度の温存に!!女性差別的。
③排除機能
外国籍の人は戸籍に入ることができず、外国人差別的。
婚外子差別。
「うちの戸籍が汚れる」系発言。

とっても、もう本当に簡単にまとめてしまったので、ぜひ後で紹介する文献を読んで勉強してくださいね。

3.同性婚/夫婦別姓/性同一性障害特例法

さてさて、ではこうした戸籍制度の問題点を踏まえると、同性婚/夫婦別姓/性同一性障害特例法はどんな風に見えてくるでしょうか?問題提起だけずらずら提示しておきますね。(読者に投げっぱなし)

☆同性婚
戸籍制度の中に、セクシュアル・マイノリティも入る?天皇にまつろう者の名簿に名前を連ねる。外国人差別、女性差別などなどの問題は残っている。巧妙な「包摂」じゃない?そのままでいいの?

☆夫婦別姓
夫婦別姓制度があれば結婚する?戸籍制度そのものへの関心は?戸籍制度の核には、同姓の二世代家族が一つの戸籍というルール。別姓は例外的扱いになる?制度そのもの、原則は維持されたまま…。「選択の自由」の問題でいいのか?

☆性同一性障害特例法
厳しい条件を満たした人だけ、例外的に性別の変更を認める。
既存の秩序に影響を与えない者だけ(かなりのコストを払って)例外的に性別変更を認める仕組み。
制度の方は変わっていない?変わることを突き付けられるのは、金銭的精神的身体的コストを払う当事者。それでよいの?

4.どんな抵抗があるだろう?

戸籍を使わない!使わせない!!!!
反婚の取り組みなど、戸籍制度に反対する取り組みを紹介しました。

5.後半戦:質疑応答&みんなでおしゃべり

学スタ3人による渾身のパワポを作成しすぎた結果、前半の説明パートが長くなってしまったので今回の反省ですね….学スタも気合が入るテーマだったので、モリモリパワポを作成してしまったのです。

そんな学スタの気合を、ありがたいことに参加者の方が受け止めてくださいました…!後半パートでは、質問もたくさん出て、学スタも勉強してきた知識をフル活用して答えました。
そして後半パートで感想を伺ったところ、参加者の方からは、「もっと勉強したい」という声がたくさん聞かれました。企画した学スタ冥利に尽きます!!

そんな「もっと勉強したい」という声にお応えして、参考文献を以下にシェアします(たくさんあるものの中のごく一部ですが)!この機会に、日本で生活すれば何らかの形で関わらざるを得ない「戸籍制度」について勉強し、自分なりの考えを整理してみてはいかがでしょうか?(っというか、この記事が断片的すぎて意味不明だからもはや調べざるを得ないのでしょうか…?)

【参考文献】
福島瑞穂『戸籍解体講座』「戸籍制度と女性差別・婚外子差別」社会評論社、1996年
佐藤文明『戸籍って何だ?』緑風出版、2010年
アジア家族法会議『戸籍と身分登録制度』日本加除出版、2012年
中村一成「ルポ思想としての朝鮮籍」岩波書店、2017年
下夷美幸『日本の家族と戸籍』東京大学出版会、2019年
李里花編『朝鮮籍とは何か』明石出版、2021年

何事も知らなければ、始まりません。
夫婦別姓や同性婚は、選択肢を増やす、選択の自由の話として論じられることが多いと感じています。もちろん選択肢がないことは問題ですし、差別です。しかし、選択肢があれば、今ある制度が「自分にとって」もう少し使いやすくなればいいのか?というと私はそうではないと考えています。
制度そのものがどんな歴史を持ち、どんな性質なのかを学び、制度そのものを問い続けることをやめないことが大事だと思います。
このイベントを機に、戸籍制度について知ってほしいと思います!


以上、学生スタッフのしゅんDでした!