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わたしの家計簿遍歴

結婚したときからかれこれ30年以上家計簿をつけている。こう言うと、「スゴイね-」と反応される。でもわたしの場合、家計簿をつけること=しっかりお金の管理をしているということではない。なぜなら、毎日の出費は記録しても、集計したことがないから。家計簿をつけているのに収支を把握していないという、恥ずかしい実態が隠されている。わたしにとって家計簿は、単なる「毎日の出費記録」。ちっともスゴイことじゃありません。

自慢できることがあるとすれば、カスタムメイドしていたこと。
無印の6mm横罫B5ノートを見開き1カ月として使用。左端に日にちを入れ、曜日がわかるように、土曜と日・祝日の数字をそれぞれ色鉛筆で丸で囲む。食費、外食費、光熱費、交際費、資料代などなど、自分のライフスタイルにあった項目を立て、月が変わるたびに日にちを記入し、見開きページに縦線を引いて項目を手書きする。もちろん毎日の出費合計、各項目の出費合計を書ける欄も作っている。
使い勝手のよいオリジナル家計簿だったが、残念なことに家計に活かされることはなかった。

3年前、断捨離中の友人のすすめで、市販の家計簿を買ってみた。婦人之友社の『予算生活の家計簿』。これはかなりすぐれもので、まずすべての項目で予算額を決め、それを基にやりくりする。
たとえば副食費の予算を1日1,500円とする。1日目に1800円使えば差引欄は▲300円、2日目も1,800円なら差引▲600円になる。3日目はこの赤字を早めに解消したいという気持ちが生じ、出費を1,000円に抑える。差引は▲100円となり少しほっとする。という具合。副食費については項目別に集計するので、嗜好品の買いすぎも一目瞭然。
賢い主婦には最強の家計簿、予算に合わせた暮らしで堅実な暮らしができそうな、よく考えられた家計簿だった。

でも、わたしにはダメだった。1日の合計を出すところまではできるのだけど、月間の合計を出せない(やる気がない)ので、節約も貯蓄もできなかった。
翌年は日本の主婦を見習って外国人が考案したカラフルな「kakeibo」を使ってみた。これもダメだった。集計が苦手なうえ、トータルの出費額を見たくないらしい。

いっそのこと…と家計簿をつけるのを止めてみた。楽になったけど、なんかさみしい。1日が終わった気がしない。
そこで今年6月、コロナで収入が減ったこともあり、一念発起してエクセルで家計簿をつけ始めた。無料のテンプレートをダウンロードして自分仕様に変更。数字を入力すれば、エクセルが瞬時に計算してシビアな数字を出してくる。マイナスを持ち越すといつまでたってもプラスになりそうもないので、赤字月の数字を翌月に引きつがないように改変。それでも赤字の実態が「見える化」され、気持ちが凹むこともある。

晴れて苦手を克服できたけど、思いは複雑。実態を把握することがいいのか悪いのか…..。人生には、知らないほうがいいということもある。

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